最悪な出会いをした二人が次第に惹(ひ)かれ合う物語
有紗陽はタイムスリップして間もなく、水神の生贄として捧げられ、水神と出会う。水神は有紗陽が恐れや敬意を抱かなかったことに怒り、彼女の声を奪ってしまう。一方の有紗陽も、人間に無関心な水神に餓死させられかけたことで、水神を恐れ、憎むようになる。本作では、最悪の出会いを果たした二人が、次第に歩み寄り、互いに理解し合っていく姿が丁寧に描かれている。
涙がもたらす争いが巻き起こる
やがて有紗陽は、水神から「有紗陽が泣くと雨が降り、有紗陽を苦しめた者を洗い流す」という加護を授かり、その恩恵で彼女の暮らすムラは豊かに発展していく。しかし、その噂が外の世界に広まると、有紗陽を奪おうとする者たちによってさまざまな策謀や争いが巻き起こるようになる。血なまぐさい戦いが繰り広げられる一方で、有紗陽と水神との絆はより一層深まり、緊張感とときめきが交錯する物語が展開されていく。
闇の神、常闇と少年、黒瀬の陰謀
水神の加護を求めて有紗陽を狙う巫女や豪族たちの背後には、闇の神、常闇と、現代の日本からタイムスリップして常闇の加護を受けた少年、黒瀬の陰謀が潜んでいた。かつて大切な少女を戦で失い、水神を憎むようになった黒瀬は、常闇の指示に従い、多くの命を捧げるために新たな戦いを画策する。常闇と黒瀬の恐るべき暗躍から物語が激動していく展開が、本作の大きな見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
有紗陽 (あさひ)
水神の生贄として妻となった少女。赤い巻き毛のロングヘアとグレーの瞳を持つ。現代の日本で平穏な日々を送っていたが、幼い頃に自宅の池に引き込まれ、古墳時代の日本へとタイムスリップしてしまう。そこで最初に出会った少年、翠葉流(すばる)の母親によって水神の生贄に捧げられた。当初は、人間に関心を持たない水神から過酷な扱いを受け、彼に対し強い恐れと憎しみを抱いていた。しかし、水神から知らぬ間に「有紗陽が泣くと雨が降り、彼女を苦しめた者を洗い流す」という加護を授けられ、ムラの人々から巫女として崇(あが)められるようになる。過酷な運命に翻弄されながらも、水神と時間を共有するうちに彼の内面に触れ、次第に好意を抱くようになっていく。
水神 (すいじん)
水の神である男性。白いロングヘアと青い瞳を持ち、左側頭部には龍のような角が生えている。人間に化ける際は、黒髪のロングヘアで、下げみずらとポニーテールを組み合わせた髪型をしている。翠葉流たちが暮らすムラの近くにある大きな池に住んでおり、人間には関心がなく、見下している。有紗陽と出会った当初は、彼女の声を奪い、食事も与えずに餓死寸前まで追い詰めるなど、冷酷な扱いをしていた。しかし、彼女が悲しむ姿を見るうちに心が乱れ、「有紗陽が泣くと雨が降り、有紗陽を苦しめた者を洗い流す」という加護を与えた。有紗陽が年頃になったら正式に妻にすると語っていたが、当初は恋愛感情を持っていなかった。有紗陽と日々を過ごす中で、次第に嫉妬や愛情といった感情を抱くようになっていく。
書誌情報
水神の生贄 11巻 小学館〈フラワーコミックス〉
第1巻
(2015-11-26発行、978-4091377272)
第2巻
(2015-12-25発行、978-4091380463)
第3巻
(2016-04-26発行、978-4091384522)
第4巻
(2016-09-26発行、978-4091385796)
第5巻
(2017-01-26発行、978-4091391308)
第6巻
(2017-05-26発行、978-4091391797)
第7巻
(2017-09-26発行、978-4091394996)
第8巻
(2018-01-26発行、978-4091398734)
第9巻
(2018-05-25発行、978-4098700776)
第10巻
(2018-09-26発行、978-4098701575)
第11巻
(2019-01-25発行、978-4098702565)







