無号のシュネルギア

無号のシュネルギア

『3×3EYES』で知られる高田裕三の連載作品。巨大隕石の落下とAIの急速な発展により、世界情勢が一変した西暦2056年を舞台にしている。男子高校生の二ノ宮シロがテロリストの襲撃を受けたことをきっかけに、地球外技術で製造されたロボット「無号」に搭乗し、月に眠る遺産をめぐる戦いに巻き込まれていくSFロボットアクション。講談社「月刊少年シリウス」2019年7月号から連載。

正式名称
無号のシュネルギア
ふりがな
むごうのしゅねるぎあ
作者
ジャンル
ロボット
 
バトル
レーベル
シリウスKC(講談社)
巻数
既刊9巻
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巨大隕石「マギ」からの贈り物

西暦2038年、巨大隕石「マギ」が地球に接近した。衝突直前にマギは二つに割れ、そのうちの一つは月の裏側に落下。もう一方はさらに三つに分裂し、アメリカ西海岸、日本の小笠原諸島、アフリカ大陸へと落下した。その後、隕石の落下地点をはじめ世界各地で、地球外の技術によって作られた「巨大聖櫃(ヘヴィ・アーク)」が発見され、合計で7基が確認される。これらの内部には「巨大遺物(ヘヴィレリック)」と呼ばれる、人類の技術では再現不可能な機械や兵器が封じ込められていた。中でも人型の機甲化AIは「シュネルギア」と名付けられ、国連の管理下に置かれることとなった。また、シュネルギアは誰でも扱えるわけではなく、起動や操縦には「アンロッカー」と呼ばれる適合者が必要とされている。

レトロウイルスとノックインチルドレンを巡る陰謀

2038年、隕石の落下と同時に、致死率80%を超える新型ウイルス「レトロウイルス」が世界中に蔓延(まんえん)した。表向きには隕石の落下もウイルスの流行も天災として処理されていたが、実はこのレトロウイルスは地球外生命体由来であり、地球人類の遺伝子を書き換える能力を持っていた。そして、ウイルスのキャリアである両親から生まれた子供は、隕石から発見された遺物に対して高い適性を持つことから「ノックインチルドレン」と呼ばれている。また、建前上は国連が「巨大聖櫃」を管理し、各国もそれを支持しているが、月に落ちた「マギ」は地球に落ちた隕石とは比較にならないほど巨大であることから、各国はさらに強大なオーバーテクノロジーが眠っていると考え、月の遺物「ムーンブロック」を巡って暗躍している。ノックインチルドレンの活用もその一環であり、各国はウイルス感染の防止を名目にキャリアを集めつつ、裏では彼らを利用したさまざまな実験を進めていた。シロが暮らす軽井沢ラボも、こうしたノックインチルドレンを極秘に収容する施設の一つだった。

ムーンブロック独占を巡る国際抗争

各国がムーンブロックの独占を狙う中、国連では過激派が集結し、人体実験や遺物の軍事利用を行っていた。テロリスト組織「アンバック」は、ムーンブロックの独占を目論(もくろ)む各国の野望を阻止するため、誰よりも早くムーンブロックに到達し、それを破壊することを目的に動き出す。彼らは国連から2基の巨大聖櫃を盗み出し、日本の軽井沢ラボを占拠。極秘に集められていたノックインチルドレンの中でも特に高い適性を持つシロを、アンロッカーとして利用する。テロリスト鎮圧に乗り出した国連は、シュネルギア「フォルテイス」とそのアンロッカーであるブランカを派遣。シロは否応なくシュネルギア同士の戦いに巻き込まれるが、そこでブランカと精神を共有し、お互いの理解を深めていく。シロは彼女に不思議な縁を感じ、離れていてもたびたび心を通わせるようになる。そして時に共闘し時に対決する、少年と少女の交流が始まる。

登場人物・キャラクター

二ノ宮 シロ (にのみや しろ)

軽井沢ラボ高等学校に通う男子高校生。年齢は15歳。幼少期にレトロウイルスに感染し、それ以来、軽井沢の隔離ラボで生活を余儀なくされていた。狭いラボの中で平穏な学校生活を送っていたが、テロリスト集団「アンバック」が国連から巨大聖櫃を強奪する事件をきっかけに、地球外機甲化AI「シュネルギア」の適合者である「アンロッカー」に選ばれる。以降、巨大聖櫃から現れたシュネルギア「無号」と行動を共にし、国連をはじめとする複数の勢力から追われる身となる。当初はクラスメイトを人質に取られ、無理やり搭乗させられたうえ、もともと気弱で卑屈だったため、まともに戦うことができなかった。そのため、「無号」からは「ベイビー」と侮蔑的に呼ばれている。しかし、類まれな観察力を持ち、戦闘の中で臨機応変に立ち回り、幾度も危機を乗り越えていく。国連から送り込まれたブランカとは当初敵対していたが、その戦闘中に精神を共有する現象が起こる。その後は離れた場所にいても彼女の危機を感じ取るなど、通常とは異なる特別なつながりを持つようになる。周囲からの期待に応えられないことを恐れ、何事にも臆病な性格だが、ブランカとの交流や仲間、家族の言葉に励まされ、次第に自分を変えていく。やる気が出ると血圧が上がり、その際は性格も少し荒々しくなる。

ブランカ・ルルー

国連に所属する少女。地球外機甲化AI「シュネルギア」のパイロットを務める。「フォルテイス」と呼ばれるシュネルギアをあやつり、「小さき破壊者」と称されている。「無号」の適合者であるシロを排除するために国連から送り込まれ、彼と激しく対立している。高い戦闘能力を持つ一方で、シュネルギアとの戦いこそが自分の存在意義だと考えており、恐怖を抱きながらもシロとの戦いを通じて彼に深い感謝の念を抱いている。シュネルギア搭乗者同士の感応現象により、シロとは心が通じ合い、敵対関係にありながらも強い仲間意識を感じている。そのため、戦闘後に上司から尋問を受けてもシロの名前を口にしなかった。シロに対し、自分たちが地球外由来の遺伝子を持つ「レトロウイルス」に感染して誕生した人類であることを伝えた。シロとの戦いに敗れた責任を問われて独房に収監されていたが、シロがブレイズとの戦いで窮地に陥った際には感応能力を使って彼を救助した。その後、処分が解除され戦線に復帰したものの、シロとの交流を通じて戦いに対する強い迷いを抱き始めている。

無号 (むごう)

七つ目の「巨大聖櫃(ヘヴィ・アーク)」に眠る地球外機甲化AI「シュネルギア」。国連からアンバックによって強奪された2基のうちの1基で、軽井沢ラボに運ばれたあと、アンロッカーであるシロが搭乗したことで覚醒した。その正体は地球外で製造された機甲化AIであり、荷電粒子や重力操作など、地球では未だ再現不可能なオーバーテクノロジーの塊で、圧倒的な戦闘能力を誇る。シュネルギアは名前を付けることで本来の力を発揮するが、シロが名付けを拒んだため、自ら「名前がない」という意味で「無号」と名乗った。誇り高い性格で、シロのことを「覇気のない子供」と見下し、搭乗を拒否していたが、切迫した状況によりやむなく搭乗を認めた。しかし、彼を「ベイビー」と呼んで完全に侮り、指示を無視するなど、「協調」を意味する「シュネルギア」とは正反対の行動を取っている。そもそも「シュネルギア」という名称自体が地球人による勝手な総称であり、気に入っていないため、その名で呼ばれると怒りを露わにする。地球人に対して敵対的ではないものの、好意的でもなく、根底に刻まれた「アンロッカーを守れ」というコマンドに従い、シロを守ることを最優先に行動している。

書誌情報

無号のシュネルギア 9巻 講談社〈シリウスKC〉

第1巻

(2020-03-09発行、978-4065187630)

第2巻

(2020-05-08発行、978-4065193556)

第3巻

(2020-10-09発行、978-4065208632)

第4巻

(2021-04-08発行、978-4065230862)

第5巻

(2021-11-09発行、978-4065257722)

第6巻

(2022-06-09発行、978-4065277652)

第7巻

(2023-02-09発行、978-4065296790)

第8巻

(2026-04-09発行、978-4065423875)

第9巻

(2026-10-08発行、978-4065451267)

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