概要
R大学出身の会社員の女性。年齢は30歳。少々勝気な性格をしている。美しい黒髪ストレートのロングヘアで、左足の内腿(うちもも)にほくろがある。SNSは利用しているが、ほぼ放置状態。現在は祐天寺で一人暮らしをしており、セキュリティ意識と個人情報の管理は徹底している。交際して約1年の富田誠からプロポーズを受けているが、自分の過去と誠の頼りなさを理由に返事はしていない。誠がスマートフォンをなくしたことがきっかけで、浦野善治からSNS乗っ取りや、脅迫などさまざまな被害を受けることになる。それらが善治の仕業とは知らないため、善治に対して警戒心なく接し続けた結果、酒に睡眠薬を盛られて監禁されることになる。本名は「山本美奈代」。実家の両親と仲が悪く、絶縁状態で上京。R大学在学時には武井雄哉と交際していた。その後、一方的に別れを告げられるものの、妊娠していることが発覚。取り付く島もない雄哉にしつこく食い下がるが、嫌悪感をあらわにされたあげく、遊びだったと暴言を浴びせられる。そのため、結局妊娠の事実を告げることのないまま、中絶した。大学卒業後初めて就職した会社はブラック企業で、セクハラやパワハラは当たり前、女性であることを武器にして営業を強要させられていた。そんな中、上司からの愛人になれば仕事が楽になるという醜い言葉を受け、その日のうちに退職届を叩きつけ退社。それからは派遣会社に登録し、なんとか生活していたが、大学時代の親友の山本美奈代と節約が目的で、ルームシェアを始めた。美奈代とは大学で知り合い、顔立ちや背格好が似ていたことから、周囲からはよく双子の姉妹みたいだと言われていた。いっしょに暮せば生活も楽になると思っていたが、美奈代がうつ病を発症したことで状況はますます悪化。病院代もままならない美奈代のためになんとかしたいと考え、「渚さゆり」という名でAVに出演した。その後、事務所の不手際により、渚さゆりの個人情報が流出。本名や住所がネット上に拡散され、自らが誹謗(ひぼう)中傷の的となった。また、AV出演が明るみになったことで実家からは完全に絶縁され、妹の結婚も白紙に戻ってしまう。昔からの友達にも後ろ指さされる状況に、自殺を考えたこともあったが、すべての不満をAV出演のきっかけとなった美奈代にぶつけてしまうと、美奈代が「私の代わりに生きてください」という遺書を残して自殺。もともと黒髪で、ストレートのロングヘアだった美奈代が、髪を切って自分になり代わって死んだことを知る。それ以来、髪を黒く染めて伸ばし、「稲葉麻美」として生きて行くことを決めた。雄哉とは10年後に麻美として再会し、当時自分が交際していた美奈代だとは知らない雄哉から、キスをせまられることになる。当時美奈代がAVに出演したことや、雄哉の子を妊娠していたことに関しては、亡くなった美奈代の事実として雄哉に打ち明けた。つねに自分が麻美になり代わっているという大きな秘密を抱えていることに恐怖を覚えている。のちに誠に自分の秘密が知られ、すべてを失う覚悟をするが、誠から新しい戸籍でやり直そうとプロポーズをされ、結婚を決意。子供を設け、幸せな家庭を築く。
登場作品
スマホを落としただけなのに (すまほをおとしただけなのに)
志駕晃の小説「スマホを落としただけなのに」シリーズのコミカライズ作品。きっかけは、ある男性がスマートフォンを拾ったことにあった。待ち受け画面には、長く美しい黒髪の女性、稲葉麻美が写っていた。彼女を一目... 関連ページ:スマホを落としただけなのに
関連リンク
- 関連人物・キャラクター
- 浦野 善治