終のひと

終のひと

清水俊の初連載作にして代表作。現代日本の葬儀会社を舞台に、型破りな葬儀屋の社長嗣江宗助と、母親の死をきっかけに葬儀業界へ転身した梵孝太郎の二人を中心に、葬儀という弔いの世界とそこにかかわる人々の思いを描いたヒューマンドラマ。双葉社「漫画アクション」2020年11月17日号から2022年10月4日号まで連載。2026年1月にテレビドラマ化され、TBSにて放送された。嗣江を柿澤勇人、梵を西山潤が演じている。

正式名称
終のひと
ふりがな
ついのひと
作者
ジャンル
その他職業・ビジネス
 
ヒューマンドラマ
レーベル
アクションコミックス(双葉社)
巻数
全5巻完結
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知られざる葬儀屋の世界を描く

医療器具メーカーに勤める梵は、得意先の葬儀で葬儀会社「嗣江葬儀店」の社長、嗣江宗助と出会う。現在の仕事にやりがいを感じられずにいた梵は、葬儀屋とは思えない型破りな風貌や佇まいの嗣江に驚きを覚える。そんな中、梵の母親の恵美子が急逝し、悲しむ間もなく喪主を務めることを余儀なくされる。何をすればよいのかわからず戸惑う梵だったが、嗣江に助けを求め、彼のサポートのもと無事に葬儀を終える。自分の納得のいく形で母親を見送った梵は、嗣江の仕事に対する姿勢や葬儀業の意義に深く感銘を受け、会社を辞めて嗣江葬儀店に就職する。本作では、一般葬や家族葬といった伝統的な葬儀のほか、孤独死した高齢者の葬儀や企業が主催する社葬、失った体の一部を弔う部分葬など、多様な葬儀の形が描かれている。そして、数々のエピソードを通じて、葬儀の種類や費用、喪主の役割、遺体の処置方法など、現代の葬儀の実情や裏側を知ることができる。

葬儀屋社長、嗣江と新人、梵の師弟関係

葬儀屋として働き始めた梵は、まったくの新人であるため葬儀に関する知識が乏しく、たびたび失敗を重ねては社長の嗣江に叱責されていた。表向きはぶっきらぼうな態度をとる嗣江だが、実は梵に大きな期待を寄せており、彼の失敗をしっかりとフォローしながら、自身の仕事ぶりや矜持(きょうじ)を示すことで、一人前の葬儀屋へと導いていく。梵も嗣江の言動に落ち込んだり反発したりしながらも、葬儀屋として、また人間として嗣江を深く尊敬し、その教えを通じて成長していく。ヘビースモーカーでふだんはだらしなく見えるものの、仕事は完璧にこなすプロフェッショナルな嗣江と、生真面目でありながら新人ゆえに右往左往する梵という対照的な二人の師弟関係が、本作の見どころとなっている。

葬儀と死を巡るヒューマンドラマ

本作では、嗣江や梵をはじめとする嗣江葬儀店のスタッフたちを通して、「亡くなった方をどのように弔うのか」「遺(のこ)された者たちの思いとは何か」、そして「葬儀屋はどのようにあるべきか」といった葬儀にまつわるさまざまな人間ドラマが繰り広げられる。さらに、葬儀を執り行うことで遺族が身近な人の死と向き合い、新たな一歩を踏み出していく姿が丁寧に描かれている。

登場人物・キャラクター

嗣江 宗助 (しえ そうすけ)

葬儀会社「嗣江葬儀店」の社長を務める男性。祖父の代から続く葬儀業を受け継ぎ、会社の古参社員たちからは「宗」と呼ばれている。ヘビースモーカーで、ふだんはジャージ姿にボサボサの髪という一見だらしない印象を与える。しかし、一度引き受けた仕事はどんな内容でも完璧にやり遂げる超一流の葬儀屋であり、社員からの信頼も厚い。プロの葬儀屋としての自覚と誇りは人一倍強く、遺族が納得して故人を見送れるよう最後まで寄り添うことをモットーとしている。ただし、奉仕の精神だけで葬儀に携わっているわけではなく、人生の締めくくりという物語の最期に触れることに仕事としての面白さを感じている。葬儀に関するあらゆる業務をこなす頼れる社長だが、葬儀のナレーションだけは苦手としており、ほかの社員に任せている。

梵 孝太郎 (そよぎ こうたろう)

葬儀会社「嗣江葬儀店」に勤める新米の男性社員。もともとは大手医療メーカーの営業職に就いていたが、仕事にやりがいを感じられず悩んでいた。そんな中、母親の恵美子を大腸がんで亡くし、その葬儀を嗣江葬儀店の社長、嗣江に依頼する。当初、葬儀に対してはネガティブなイメージを抱いていたものの、嗣江の尽力により納得のいく形で母親を見送ることができた。これを機に、嗣江という人物と葬儀の仕事に深く感銘を受け、嗣江葬儀店へ転職を決意する。まじめな性格が取り柄な反面、感情的になりやすく、しばしば嗣江から叱責されることも多い。落ち込んだり悩んだりする日々だが、嗣江葬儀店の仲間たちからは厳しくも温かく見守られ、葬儀人として少しずつ成長を遂げている。名字の「梵」が読みづらいため、嗣江たちからは「ボン」と呼ばれている。

書誌情報

終のひと 全5巻 双葉社〈アクションコミックス〉

第1巻

(2021-04-27発行、978-4575855692)

第2巻

(2021-08-26発行、978-4575856309)

第3巻

(2021-12-27発行、978-4575856712)

第4巻

(2022-05-26発行、978-4575857214)

第5巻

(2022-11-28発行、978-4575857849)

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