緑の予感たち

緑の予感たち

千葉ミドリのデビュー作にして代表作。現代日本を舞台に、日常の何気ない風景の裏に潜む奇妙な現象や怪異を描き出す。ふとした出来事をきっかけに動き出す人間模様や、不思議な冒険の数々を幻想的に綴った怪異ファンタジースペクタクル。リイド社「トーチweb」で2023年5月より配信の作品。2025年12月、宝島社「このマンガがすごい!2026」オトコ編第8位を獲得している。

正式名称
緑の予感たち
ふりがな
みどりのよかんたち
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
その他ホラー・オカルト
レーベル
トーチコミックス(リイド社)
巻数
既刊1巻
関連商品
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日常に潜む不可思議な現象を描く

本作は、幻想や怪異をテーマにした1話完結型の短編集で、複数のエピソードで構成されている。例えば「カッパの理髪店」では、カッパが営む理髪店に通う谷藤と、不思議な夢に翻弄される川本という二人の奇妙な体験を通じて、元恋人同士の複雑な関係性を浮き彫りにする。物語ごとに人間や異形のキャラクターが登場し、オカルトやSF、ミステリー、都市伝説など日常に潜む怪異や謎が、幻想的でありながらも、不気味さとどこか懐かしさを感じさせる筆致で描かれている。

カッパの理髪店に迷い込む二人

飲食店で働く谷藤は、深夜まで営業している不思議な理髪店に通っていた。その店はタイル張りの内装で、客はほとんど訪れず、静かで落ち着いた雰囲気が漂っている。しかし、何よりも特筆すべきは、店主がカッパの姿をした男性であることだった。ある日、同僚であり元恋人の川本が、谷藤が通うそのカッパの理髪店に迷い込む夢を何度も見て悩んでいることを知る。川本の送別会が開かれたあと、彼女の心の空洞を埋めたいと願う谷藤は、自分も彼女の夢に出てくる理髪店に何度も足を運んでいることを打ち明け、川本を誘っていっしょにその店へ行ってみようと提案する。あまり乗り気でない川本を連れて理髪店のある場所へ向かった谷藤だったが、そこには理髪店もカッパの店主の姿もなく、ただの平凡な喫茶店があるだけだった。

未来から来た時間旅行士との共闘

西暦2000年、海辺の小さな旅館に「ホシノモト」と名乗る謎の男が現れた。彼は一見、ゲームコーナーで遊んでいるだけのように見えたが、実は未来から来た「時間旅行士」であり、未来の技術を駆使して現代のゲームを改造する犯罪者を追っていることを旅館の仲居や女将に告げた。実家のカンフー道場を飛び出してきた新人の仲居は、ホシノモトに腕前を認められ、捜査に協力することになる。さらに、未来人の特徴である「豆類しか食べない」という点から、ある人物に疑いの目が向けられる。

登場人物・キャラクター

谷藤 (やとう)

飲食店の厨房で働く男性。川本の元恋人。黒髪のショートヘアに口ひげとあごひげをたくわえ、強面(こわもて)の見た目から一部の従業員には怖がられている。しかし、実際は非常に優しく誠実な性格の持ち主。カッパが営む不思議な理髪店の常連であり、川本がその理髪店に迷い込む夢を見ていることを知ると、彼女をその場所に連れて行こうとした。別れや退職を頭では受け入れているつもりだが、心の奥底ではまだ彼女に未練を感じている。

川本 (かわもと)

飲食店で働くウェイトレスの女性。谷藤の元恋人で、黒髪のロングヘアをお団子にまとめている。不器用ながらも優しい谷藤の本質を誰よりも知っており、彼を怖がる新人たちにその人柄を伝える良き理解者でもある。ある日、谷藤にカッパの店主が営む謎めいた理髪店に何度も迷い込む夢を見たことを打ち明けた。同じ夢を繰り返し見ることに不安を感じつつも、その真相を深く探ることにはためらいを覚えている。

書誌情報

緑の予感たち 1巻 リイド社〈トーチコミックス〉

第1巻

(2025-07-31発行、978-4845869701)

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