角栄の波乱万丈な半生を描く痛快ストーリー
本作は、日本の第64代および第65代内閣総理大臣を務めた角栄の半生をテーマにしている。15歳で故郷の新潟から上京した角栄は、理不尽な困難に直面しながらもさまざまな仕事に挑み、自らの会社を設立。さらに、徴兵された満州では独自の判断で行動し、その破天荒な振る舞いで周囲を驚かせる。こうした経験を糧に経営や演説の才能を開花させ、やがて大きな成功へとつなげていく姿が、生涯の友である入内島金一をはじめとする関係者たちの視点から、痛快かつコミカルに描かれている。
日本の宰相を目指した若き日の挑戦
日本の宰相になるという夢を胸に、三国峠を越えて上京した角栄は、理科学研究所の所長、大河内正敏のもとで書生になる予定だったが、紹介者の手違いによりその話は破談となってしまう。それでも東京で学ぶという目標をあきらめず、さまざまな職を転々としながら必死に勉強を続け、ついには自身の建築会社「田中土建工業株式会社」を設立した。その後、会社の代表として理化学研究所を訪れた角栄は、偶然にも大河内と出会う。東京での生活で培ったしたたかさを武器に交渉を重ねた結果、みごとに大河内の信頼を勝ち取り、親密な関係を築くことに成功する。これらの経験は、のちに角栄が政治家として活躍するうえで大きな糧となっていく。
角栄の戦後復興への挑戦
1945年、角栄は巨大なピストンリング工場を朝鮮に移転することに成功させた。日本の敗戦の知らせに深い衝撃を受けながらも、部下たちと共に日本へ帰国。東京に到着すると、家族や自身の会社が無事であったことを不幸中の幸いと受け止める。そして、戦犯として収監されていた大河内の志を継ぎ、戦後の復興に全力を尽くす決意を固める。その後、選挙法の改正により政治家への道が現実味を帯びてきた。さらに、衆議院議員の大麻唯男から日本進歩党からの立候補を勧められた角栄は、日本の復興を強く願い、ついに選挙への出馬を決意した。
登場人物・キャラクター
田中 角栄 (たなか かくえい)
1970年代に内閣総理大臣を務めた男性。入内島をはじめとする親しい仲間たちからは「角さん」と呼ばれている。日本の宰相になるという夢を胸に抱き、終戦後、2度目の立候補で衆議院議員に当選し、政界で頭角を現していく。豪快でやや短気な性格から、スタンドプレーに走りがちで、周囲を振り回すことも少なくない。しかし一方で、共感力が高く人情味にあふれ、見識を深める努力を惜しまなかったため、周囲からの信頼は厚い。また、家族への愛情も非常に深く、母親を侮辱された際には激しく怒りをあらわにした。従軍中に病に倒れた際、回復と同時に妹の死を知らされた際は、深い悲しみを抱きながらも「お前たちのおかげで生き延びることができた」と心から感謝した。実在の人物、田中角栄がモデル。
入内島 金一 (いりうちじま きんいち)
角栄の生涯の友であり、角栄からは親しみを込めて「金さん」と呼ばれていた男性。若い頃、東京の土建屋「井上工業」で働いていた際、角栄が事故に遭う場面を目撃した。その時、軽傷で済んだ角栄を見て「とんでもない強運の持ち主だ」と感嘆し、一目置くようになった。のちに角栄が井上工業に入社し、同僚として共に仕事に励んだ。角栄が会社を辞めたあとも交流は続き、やがて角栄が設立した「田中土建工業」に誘われて入社し、長年にわたり角栄を支え続けた。角栄の逝去後も令和の時代まで生き抜き、103歳で大往生を遂げる際には、現在の日本の状況を角栄への土産話にしたいと願いながら、安らかに息を引き取った。
書誌情報
角栄に花束を 17巻 秋田書店〈ヤングチャンピオン・コミックス〉
第1巻
(2020-05-20発行、978-4253300018)
第2巻
(2020-08-20発行、978-4253300025)
第3巻
(2021-02-19発行、978-4253300032)
第4巻
(2021-06-18発行、978-4253300049)
第5巻
(2021-11-18発行、978-4253300056)
第6巻
(2022-04-20発行、978-4253300063)
第7巻
(2022-09-20発行、978-4253300070)
第8巻
(2023-02-20発行、978-4253300087)
第9巻
(2023-07-20発行、978-4253300094)
第10巻
(2023-12-20発行、978-4253300100)
第11巻
(2024-04-18発行、978-4253312219)
第12巻
(2024-09-19発行、978-4253312226)
第13巻
(2025-01-20発行、978-4253312233)
第14巻
(2025-05-20発行、978-4253312240)
第15巻
(2025-11-20発行、978-4253008501)
第16巻
(2026-03-18発行、978-4253012447)
第17巻
(2026-07-17発行、978-4253018326)








