元救急隊員が挑む世界ラリー選手権
本作の舞台は、国際自動車連盟が主催するモータースポーツの最高峰「世界ラリー選手権」。主人公の氷太郎は、元救急隊員という異色の経歴を持つ天才ドライバー。救急隊員時代に培った卓越したドライビングテクニックと冷静な判断力を武器に、ベテランのシュタンガッシンガー&ヴァハター組をも驚愕させる走りを披露し、若き注目選手として一躍脚光を浴びている。
天才ドライバー氷太郎との出会い
工場長を務める応仁は、自社の車でラリーに挑戦するためのドライバーを探していたが、夢を託せる人物に出会えず途方に暮れていた。そんな中、セレクション参加のため北海道のもののふ市を訪れた応仁は、緊張性気胸を発症し、命の危機に陥ってしまう。しかし、駆けつけた救急隊により搬送され、車内で適切な処置を受けて一命を取り留める。応仁に処置を施した医師の八木沢は、目を覚ました彼に対し、救急車を運転していた氷太郎の天才的なドライビング技術のおかげで、ほぼ不可能とされる救急車内での手術を成功させることができたと語る。その言葉を聞いた応仁は、氷太郎こそ自分が探し求めていたドライバーだと直感し、彼をラリーの世界へスカウトする決意を固めた。
応仁の命がけのスカウト
回復した応仁はすぐに氷太郎のもとを訪れ、ラリーの世界を体験してみないかと誘う。氷太郎は「救急隊員の運転とレーサーの運転は違う」と一度は断ったが、八木沢から「救急車の運転技術を極めるための良い勉強になるのではないか」と勧められ、誘いを受け入れることにした。後日、愛知県阿智村の林道で、応仁が運転するラリーカーの助手席に乗った氷太郎は、その無駄のない洗練された走りに違和感と興味を抱きつつも、ラリーへの転向までは考えていなかった。しかし、氷太郎の才能をあきらめきれない応仁は、彼に本気で運転させるため、わざと落石事故に遭うという無謀な行動に出る。氷太郎は応仁の無鉄砲さに呆(あき)れながらも、彼を救うために自らラリーカーを運転し、救急車では味わえない運転感覚にかつてない高揚感を覚えたのだった。
登場人物・キャラクター
能年 氷太郎 (のうねん こうたろう)
ラリードライバーの青年。親しい仲間からは「コー」と呼ばれている。かつて北海道のもののふ市で救急隊員として働いていた。幼い頃、父親が救急隊員に助けられた際、救急車のドライバーが見せたみごとなテクニックに感動し、それが救命の道を志すきっかけとなった。明るくまじめな性格で人当たりがよく、地元の住民からも慕われている。氷太郎自身ももののふ市と仕事に強い愛着を抱き、日々熱意をもって職務に取り組んでいた。運転に対するこだわりは人一倍強く、険しい山道でもスピードを落とさず、ほとんど車体が揺れないほどの卓越した運転技術を誇る。その技術を目の当たりにした応仁に誘われ、やがて世界ラリー選手権のドライバーとして活躍するようになる。
応仁 (おうにん)
自動車工場「応仁自動車」の工場長を務める男性。同業者からは「オニさん」と呼ばれている。ラリーを心から愛し、「天才は育てるものではなく、出会うものだ」と公言するほど、強いこだわりを持っている。かつては自身も世界ラリー選手権への出場を目指していたが、ドライバーとしてもナビゲーターとしても才能の限界を感じ、表舞台に立つ夢を断念した過去がある。しかし、ラリーへの情熱は衰えることなく、現在も夢を託せるドライバーを探して日本各地のセレクション会場を巡っている。北海道で出会った氷太郎の卓越したドライビングテクニックに魅了され、彼をラリードライバーに育てるべく熱心に勧誘を続けている。
クレジット
- 監修
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山本 雄紀








