顔だけじゃ好きになりません

基本情報

『マオの寄宿學校』に次ぐ安斎かりんの連載作品で、代表作。

要旨と舞台設定

美乃和総合高等学校が舞台。イケメン好きの1年生・知見才南は、SNSの高校公式アカウントの「中の人（運営）」が、超絶美形・宇郷奏人であることを知る。フォロワーを10万人獲得しないと退学になってしまう奏人に代わり、才南は「中の人」を務めることになる。

ストーリー展開

才南は「中の人」として高校公式アカウントを運営しながら、奏人との交流を深めていく。また、才南のクラスメートの土井垣が二人の関係に気付くなど、周囲を巻き込みながら物語は進行する。

ジャンル的特徴と位置づけ

現代のSNS文化を題材とした学園ラブコメディ。SNSでの投稿や「推し活」といった要素が物語の展開に組み込まれ、現実とSNSの違いが描かれる。

連載状況

白泉社「花とゆめ」2020年16号より連載。

受賞歴

2022年第6回「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」ブックライブ賞。

メディアミックス情報

実写映画

2025年3月7日公開。監督は耶雲哉治。知見才南を久間田琳加、宇郷奏人を宮世琉弥が演じる。

撮られた写真がSNSにアップされると、それがバズってしまう超美形の宇郷奏人と、イケメンが大好きで、推しの写真を見て盛り上がるオタクな女子高生・知見才南の学園ラブコメディ。ある日、機械音痴の奏人の代わりに、高校公式アカウントの中の人を担当することになった才南。奏人のそばで彼の写真を撮る役を担うが、女子とバレて炎上してしまうことを恐れ、中の人が誰だかわからないよう、人目を避けて秘密裏に奏人を撮影していく。画面越しのファンだった才南が、現実の奏人の人間らしく面倒くさい面を知り、彼の意味深な行動に振り回されていく、胸キュン、笑いのスピード感が秀逸で、推しがいる読者の共感を呼ぶ。

宇郷奏人は誰もが振り向く超絶イケメン。ただ顔がいいだけで、勝手に期待され、幻滅されてきたため、自意識をこじらせ、面倒くさい性格に。しかし、才南だけはそんな奏人の面倒くさいところを知っても見放すことはなかった。

知見才南は整った顔が大好きなイケメンウォッチャー。オタク気質があり、ファン心理を熟知している。SNSにも強い今どき女子。奏人からの甘い言葉や、手つなぎ、ハグ、キス寸前の接触でときめきを止められない。

二人が出会ったきっかけは、美乃和総合高等学校公式アカウントでのDMのやり取り。公式アカウントの運営担当だが不慣れな奏人に、才南がSNSのやり方を教えたことから、奏人が才南に興味を持った。公式アカウントのフォロワー数を増やすという目的から始まった二人だったが、関係はどんどん密になっていく。

知見才南のクラスメート・土井垣は、才南のことを助けてくれる救世主のような男の子。才南のことが気になり、目で追っているうちに宇郷奏人との関係が気になり始める。土井垣は前髪で顔を隠していたが、実はイケメンだったことが発覚。土井垣の顔を見た才南は、反射的にテンションがあがり、落ち着きをなくす。その様子を見た奏人は、自分よりまともで、才南と気が合いそうな土井垣を敵視する。