プロテニス経験者が描くリアルでコミカルな高校テニス漫画
作者のKASAは、プロテニスプレーヤーとテニスコーチを兼任していたという異色の経歴の持ち主。本作では、そのプロとしての経験を活かし、白熱した試合が描かれる。物語はコーチの上條や私立成陵高校の部員たちの視点を通じて、リアルでありながらもコミカルなストーリーが展開される。さらに、コミックスの巻末に収録されたおまけマンガでは、作者自身の実体験をもとに、プロ時代のエピソードや関係者との交流がユーモアたっぷりに描かれている。
上條紗季が挑む全国大会優勝への挑戦
ケガをきっかけにプロテニス界からの引退を余儀なくされた上條は、虚無感に苛(さいな)まれ、やがてギャンブルにのめり込んでしまう。そんな中、元コーチの冴島絢吾とかかわる裏カジノの陰謀に巻き込まれ、1億円もの借金を背負うことになる。冴島に借金を帳消しにする条件として課されたのは、私立成陵高校硬式テニス部のコーチに就任し、1年以内に全国大会出場を果たすことだった。だが、練習試合で強豪、帝蘭高校に完敗を喫し、強い敗北感を味わう。しかしこの経験を機に、上條はチームの勝利こそが自分の勝利だととらえるようになる。彼女は条件として課された全国大会出場にとどまらず、全国大会優勝を目指して部員たちを指導していくのだった。
私立成陵高校テニス部の個性豊かな選手たち
私立成陵高校には、スポーツ万能ながらテニス未経験の五十嵐涼平、9年以上のテニス歴と豊富な知識を持ちながら実力が伴わない丸山瑛士、攻撃的なプレースタイルを志していたものの、過去のコーチから守備重視のプレーを強要されてノイローゼに陥った大城零など、上條に劣らない個性豊かな選手たちが集まっている。上條が就任した当初、彼らはそれぞれ選手として大きな課題を抱えていたが、上條の指導のもとで次第に強豪校の選手にも引けを取らない技術を身につけていく。
登場人物・キャラクター
上條 紗季 (かみじょう さき)
私立成陵高校硬式テニス部のコーチを務める女性。現役時代は業界屈指の天才プレーヤーとして知られ、小中高のすべての大会で日本一を獲得し、さらに全日本選手権では最年少優勝を果たすなど、輝かしい実績を誇る。その圧倒的な実力と美貌から「美しすぎる女子テニスプレーヤー」として絶大な支持を集めていた。一方で、自分のミスをなかなか認めず、不利な状況になるとごまかそうとするなど、不真面目(ふまじめ)で負けず嫌いな一面も持ち合わせている。世界1位も夢ではなかったが、膝のケガにより引退。その後、自堕落な生活を送り、1億円もの借金を抱えることとなる。しかし、上條が再びテニスに向き合うことを望む冴島絢吾の働きかけにより、借金の帳消しを条件に同校のコーチに就任することになった。
五十嵐 涼平 (いがらし りょうへい)
私立成陵高校硬式テニス部に所属する2年生の男子。抜群の運動神経を誇り、野球部やバスケットボール部をはじめ、さまざまな部活動の助っ人として活躍しているため、校内には多くのファンがいる。自分の実力に自信を持つ一方で、有利な状況になるとすぐに調子に乗ってしまう悪癖があり、そのたびにコーチの上條から注意を受けている。当初はテニスにあまり関心がなく、上條の実籍についても知らなかった。しかし、「自分が負けたら成陵高校硬式テニス部に入部する」という条件で彼女と練習試合を行い、完膚なきまでに敗北したことで、約束通り入部することになった。








