MAD

突如として飛来した隕石の落下を契機に、地球は驚異的な繁殖力と凶暴性を兼ね備えたエイリアンに支配されてしまう。生き残った人類は、エイリアンの襲撃に怯えながら、安全な場所を求めてさまよう日々を送っていた。家族を失い、生きる希望を失ったジョンは、仲の良かった妹、エマの幻影を見つつ、リーダーのイーサンと共に生存者グループと安全な場所を目指していた。そんな中、彼らは生体信号を頼りに移動している最中、エイリアンの襲撃を受ける。仲間たちが次々と命を落とす中、ジョンも死を覚悟しかけるが、エマの幻影に背中を押され、再び立ち上がる。そして、エイリアンに果敢に立ち向かったジョンは、全身をスーツで覆った兵士たちに救助され、「ジェリコ」と呼ばれる拠点へと連れて行かれる。

現在、地球を支配しているとされるエイリアンは、鋭い爪と尾を持ち、人間をはるかに凌駕する身体能力を誇る。特筆すべきは、欠損した体の一部を瞬時に再生する驚異的な能力を持つ。唯一の弱点である脳を破壊すれば死に至る可能性はあるものの、頭部はレーザー銃でも容易には貫通しない頑丈な外骨格に覆われている。エイリアンの肉を摂取した人間は、ほとんどが激しい拒絶反応を起こして死亡するが、稀に生き残った場合には、エイリアンと同質の存在へと変貌する力を得る。「ジェリコ」では、エイリアンの肉を摂取して生き延びた者を「適合者」と呼び、のちにノーマンたちがエイリアンとの戦闘部隊を組織するため、ジェリコに保護された人類にエイリアンの肉を投与していたことが明らかになる。なお、エイリアンは人間を捕食するが、ほかの生物にはいっさい関心を示さない。

「ジェリコ」の一室で目を覚ましたジョンは、レオンから自分とイーサンだけが生存していることを知らされ、統括者のノーマンのもとへ案内される。ノーマンは二人を家族のように温かく迎え入れ、貴重な食事を振る舞い、手厚くもてなす。しかし、ジョンは奇妙な姿をした人影や床に残る血痕のような染みに気づき、ジェリコに対して疑念を抱く。その様子に気づいたノーマンは、実験によって異形の姿に変貌した人々をジョンに見せる。自らも同じ運命を辿ることを確信したジョンは、ジェリコからの脱出を試みるが、外に出た瞬間、複数のエイリアンに襲われるが、エイリアンの姿に変身したレオンに救われる。変身を解除したレオンは、ノーマンと共にジョンに現実の厳しさを突きつけ、彼を再びジェリコへと連れ戻す。さらに、ジョンはすでにエイリアンの肉を摂取させられていたことを知らされ、激しい拒絶反応に苦しむことになる。