超人的ガンマンたちの西部劇バトル
本作の物語は西部劇を基盤としながらも、登場人物たちは200年以上もの長い年月を生き続け、銃で撃たれても致命傷を負わないなど、並外れた強靭さと戦闘能力を持っている。作中には、伝説の大悪党、M・ゴッドスピードを討ち倒した息子ジムをはじめ、早撃ちと格闘の名手として知られるミラ・アビゲイル・ブラック、子供のような外見ながら銃弾を視認できるほどの鋭い視力を持つアゲーラ・ダッチ・シェーファーなど、卓越した実力を誇るガンマンたちが登場する。彼らはさまざまな兵器をあやつり、無法者たちと激しい戦いを繰り広げていく。また、ジムが使用する銃の一つが2017年から米軍で採用された「M-18」であることが判明するなど、本作の舞台が現実世界となんらかのかかわりを持っていることが示唆されている。
大悪党の息子、ジムが保安官を目指す
数百年にわたり砂漠地帯を支配してきた大悪党のMは、ある日、息子のジムとの決闘の末に命を落とす。それから2か月後、ジムは父親を倒した功績を狙う賞金稼ぎたちを蹴散らしながら、単身で砂漠を横断する。そして、父親の亡骸を引き渡す見返りとして、西部連邦保安官養成機関への特例入学を果たす。入学当初は「伝説の大悪党の息子」として周囲から冷遇されていたジムだったが、ミラの取りなしにより、徐々に周囲と打ち解けていく。そんな中、Mのかつての悪友、ラングラー率いるギャング団が養成機関を襲撃してくる。ラングラーの狙いは原初の保安官が愛用したというマグナム銃「エクスカリバー」を、ジムに奪わせ、その見返りにMを倒した賞金の一部を受け取ることだった。しかしジムはその申し出を拒否し、自らの判断でエクスカリバーを手に入れる。そして、その力をもって無法の時代に終止符を打つことを宣言するのだった。
悪魔の谷に現れた21世紀からの少年
ある日、「悪魔の谷」と呼ばれる危険な地帯に、一人の少年が現れた。彼は自分が21世紀から来た「芹沢ナノ」だったという断片的な記憶を頼りに、なんとか元の世界へ戻ろうと模索していた。しかし、無法者たちに襲われる日々が続き、帰還どころではなくなってしまう。やむを得ず身を守るため、谷の中にさまざまな罠を仕掛け、人々が悪魔の谷に近づかないようにしていた。そんな中、谷に足を踏み入れたジム一行を追い払おうとするが、彼らの連携プレーによって罠を突破され、捕らえられてしまう。しかし、ジムたちと対話を重ねるうちに、ナノは失われていた自分の素性や、かつて暮らしていた世界の記憶を取り戻す。そして自らの生い立ちを明かし、彼らの仲間として共に戦う決意を固めるのだった。
登場人物・キャラクター
ジム・ゴッドスピード
保安官を目指しているガンマンの青年。伝説的な大悪党として名高いMの息子だが、決闘の末に父親を討ち倒し、その功績を交渉材料にして西部連邦保安官養成機関に特例入学を果たす。父親に劣らぬ強気で破天荒な性格で、行く手を阻む者は正面から排除して自らの道を切り開くスタイルを好む。鉄塊を振り回して巨大な機械を破壊するほどの驚異的な腕力と、敵の弱点を正確に射抜く卓越した射撃技術を誇る。一方で勉強は苦手で、人の話を聞かず不用意な行動を取ることも少なくない。また、ネズミを食べて飢えをしのぐなどの悪食や、荒野で裸で眠ろうとするなど、私生活ではかなりズボラな一面も見せている。
M・ゴッドスピード
ジムの父親で、数百年にわたり砂漠一帯を支配してきた伝説的な大悪党。その悪名は世界中に轟(とどろ)いていると言われている。両腕は金色の機械仕掛けで、「ザ・グラディエーター」と呼ばれる大口径マグナムをあやつり、巨大な装甲列車さえ一撃で破壊する。自身の実力に絶対の自信を持ち、豪快かつ情け容赦のない性格で、悪事を働く際もつねに正面から堂々と挑む。一方で、自分に媚びへつらう者は嫌悪している。息子のジムが自分を殺そうとしていることを把握しているものの、彼が挑んでくると嬉々として迎え撃つなど、歪みながらも父親らしい情を垣間(かいま)見せることがある。
書誌情報
THE MARSHAL KING 3巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2025-06-04発行、978-4088846033)
第2巻
(2025-08-04発行、978-4088846835)
第3巻
(2025-11-04発行、978-4088847900)







