閉鎖空間での極限サバイバル
本作の舞台は、地球の軌道上に突如安定したワームホールが出現してから25年後の未来世界。未開の惑星で任にあたる、ユギ(チーフ)率いる警備部隊、シエラチームは、任務を終えて基地に帰る途中、不審なSOS信号をキャッチする。発信元らしき採掘場跡に到着したチーフらが廃坑道に侵入すると、そこには管理小屋に立てこもった三人の遭難者がいた。彼らは「ナルキサイト」という資源の調査員だが、坑道内に潜む正体不明のバケモノに仲間が殺されたため小屋に逃げ込み、それ以来軟禁状態にあるという。その後、チーフらが入ってきた出入り口の外にモンスターの集団が出現し、危険生物に挟まれる形になった一行は、反対サイドの出入り口を目指して坑道を進むことになる。本作は、閉鎖空間で繰り広げられる極限サバイバルと、物語が進むにつれ数々の謎が明かされていくミステリー要素をあわせたSFアクションである。
シエラチームVS.モンスター
シエラチームはチーフをリーダーに、リップ、バイト、タイで構成される四人の警備部隊である。金髪のリップはシニカルで怠惰だが銃の腕前に優れ、小柄なバイトはフィジカル面では劣る代わりにコンピュータや機械に詳しい。また、巨体を誇るタイは白兵戦でもモンスターにも対抗できる怪力の持ち主である。クセが強い彼らは、普段はケンカばかりしているが、いざ任務となるときっちり仕事をこなすプロフェッショナルである。彼らを襲うのは、すばやい動きや鋭い爪、牙を武器とする四足歩行の異形。シエラチームは自動小銃などで武装しているが、任務帰りだったため残弾数には限りがある。謎が多い未知のモンスターの群れを相手に苦戦を強いられることになる。
制作経緯
単行本巻末に掲載された作者の「後記」によれば、作者は『亜人』完結後、漫画家を辞めようとしていた。ところが、「編集長に『テメェ漫画描け』と恫喝(どうかつ)された」ため、「個人的に趣味に走りまくった内容の250ページ程の読み切りネームを描いて提出した」という。「却下されるような内容を描いたつもり」だったのに、編集長からはGOが出て本作の誕生となった。なお、結果的には300ページ以上となり、単行本化の際に絵やセリフも少し修正されている。また、ページ数の多さからか、電子版では『THE POOL 1/2』『THE POOL 2/2』として分冊で発売されている。「地味だが圧倒的で、単純だが真剣なアクション映画が好きです」という作者らしく、本作は映画的な構成と速いテンポ、圧倒的な画力が大きな魅力のエンターテインメント作品となっている。
登場人物・キャラクター
小石 ユギ (おいし ゆぎ)
警備部隊、シエラチームのリーダーの女性。元軍人で通称は「チーフ」。小柄で赤髪の坊主頭が特徴。独善的なところがあり、部下の意見をあまり聞かない。状況判断に優れ、時に冷徹な判断を下す。
リップ
警備部隊、シエラチームのメンバーで、金髪にキャップを被っている白人男性。長身の銃を携帯している。チーム内では斜に構えた態度を取っており、特にバイトに対しては「童貞」といつも悪口を浴びせる。
バイト
警備部隊、シエラチームのメンバーで、黒髪で小柄な東洋人風の青年。コンピュータに詳しく、ドアや車のセキュリティを突破するスキルを持つ。リップにいつも「童貞」とバカにされており口げんかが絶えない。
タイ
警備部隊、シエラチームのメンバーで、オールバックで後ろに束ねた長髪と立派なヒゲが特徴の大柄な男性。盾と斧状の武器でモンスターを倒せる怪力の持ち主。リーダーであるユギに絶対の忠誠を誓っている。







