地下刑務所で行われる最悪の「お楽しみ会」
三田琴美をはじめとする「人権喪失者」たちが連れ込まれた地下刑務所は、超法規的に設置された特殊な施設であり、主に未成年者を標的とする凶悪犯が収監されている。彼らは少女に対して性的倒錯を抱く者が多く、「変態囚人(ロリコン)」と蔑称され、その多くが半裸または全裸の状態である。琴美たちは、刑法に定められた「受刑者の人権を最大限尊重する」「人権喪失者の介護に努める」という趣旨の条文に則(のっと)って開催される「お楽しみ会」への参加を強制され、貞操の危機に晒(さら)されることになる。「お楽しみ会」は鬼ごっこの様相を呈しており、銃器を用いて磔(はりつけ)にされた少女を防衛する「淫ベーダーゲーム」といった特別なイベントが行われることもある。なお、「奉仕される囚人が不慮の事故で死亡した場合は閉会する」という特例措置も設けられている。
地下刑務所の支配者たち
「人権喪失者」および「変態囚人(ロリコン)」を管理する刑務所の所長は、SF小説に登場するハリ・セルダンにあこがれを抱き、フィクションの学説に過ぎない「心理歴史学(サイコヒストリー)」の再現を目指している。そのため、規則を逸脱した行動も辞さない危険な人物であり、刑務所の運営を口実に、終末後の新世界を想定した若年者への負荷実験を行っている。被験者の体内には位置情報の特定や心筋梗塞の誘発が可能な装置が埋め込まれており、外部の地下封鎖区画でも同様の実験が進められている。また、所内でVIP待遇を受けている「最強囚人001号」こと雁直人(がんなおと)は、かつて首相を務めた大物政治家だが、日米安全保障条約の破棄やパン・アジア共同体の成立に関与したことから、国民からは日本の主権を譲渡した売国奴と見なされている。彼は「致命的なロリコン」でもあり、歴史を引き合いに少女を愛することは常識だと主張し、宗主国から賜った「ロリコン解放軍」を率いて、世界の再構築を企んでいる。
宗教団体の仮面をかぶった反政府テロ組織「民神教」
「民神教」は鳳一真(おおとりかずま)を教祖とするカルト教団である。長野県安曇野市に教団施設を構え、北アルプスの山間部にある集落には5000人もの信者が暮らしていた。多くの信者は家族単位で出家し、修行の名目で厳しい生活を受け入れていた。しかし、その実態は教団の仮面をかぶった反政府テロ組織であり、大人たちは「お勤め」と称してテロ準備を進めていた。信者の子供たちは「神の子」と呼ばれ、洗脳されて「ハルマゲドン」の思想を植え付けられ、神の尖兵(せんぺい)として戦うための軍事訓練を受けていた。物語が始まる前年には、雁政権の転覆を狙い、都心の地下鉄内で複数の車両を同時に爆破する「民神教テロ事件」を引き起こしている。その衝撃と爆炎は霞ケ関駅から地下を通じて広がり、死者1700人、重軽傷者4300人という甚大な被害をもたらし、数か月にわたり地下鉄が封鎖される事態となった。なお、教団代表は逮捕され、当時11歳だった長女は公安に保護されている。
登場人物・キャラクター
三田 琴美 (みた ことみ)
「人権喪失者」の少女。年齢は12歳。栗色のピッグテールが特徴で、クマをモチーフにしたアイテムや服装を好んでいる。女児やオタクに人気のアニメ「ハートブレイク プリクマ」に登場する「プリクマポーチ」を小物入れとして愛用している。純真無垢(むく)で、困っている人を見過ごせず、危険を顧みずに助けようとする悪癖がある。ある日、身柄を拘束され、地下刑務所に収監された囚人への奉仕を強制される。初めての「お楽しみ会」では、囚人の魔の手から見知らぬ少女を救おうとして窮地に陥るが、友人の千代田かなめに助けられ、貞操を守り抜いた。その後もかなめに助けられているが、彼女が負傷した際には治療を施すよう所長に懇願し、交換条件として課された「大つな渡り」に単独で挑み、恩を返した。かつて国会議事堂を見学していた際、政治家の雁が落とした万年筆を拾い、手渡したことがある。この出来事をきっかけに見初められ、現在に至るまで一方的に好意を寄せられている。
千代田 かなめ (ちよだ かなめ)
森智女学院小等部に通う「人権喪失者」の少女。ミディアムヘアで、学校の制服を着用し、ランドセルを背負っている。悪名高い宗教家の娘であるため、学校では陰口を叩かれ、休み時間は読書に耽(ふけ)っている。ある日、身柄を拘束され、地下刑務所に収監された囚人への奉仕を強制される。初めての「お楽しみ会」では、「ロリコンは人間じゃない」という極端な思想を語り、リコーダーを尖(とが)らせて作った簡素な武器で囚人を殺害。その後も場面に応じた即席の凶器で、少女たちにせまる囚人を次々と返り討ちにしている。その正体は、終末後に訪れる新世界の救済者として育てられた「民神教」の巫女(みこ)、鳳かなめ。教団と縁を切り、祖母と暮らしていた頃に琴美と友人になり、彼女に特別な感情を抱くようになった。のちに琴美からリボンをもらい、カチューシャのように身につけている。なお、教団で特殊な訓練を受けた経験があり、銃器や爆弾の扱いにも長(た)けている。








