写らナイんです

本作は、霊感を持つ人々や、それにまつわるさまざまな噂や都市伝説が存在する現代日本を舞台にしている。超霊媒体質ゆえに周囲から孤立している黒桐まことと、オカルト部の活動に情熱を注ぐ橘みちる。この二人の出会いで運命が動き始め、共にオカルト部を盛り上げながら青春を謳歌する日々を描いている。本作に登場する幽霊やおばけは、過度なホラー描写が抑えられており、対照的な二人が織りなす爽やかでコミカルな青春オカルトコメディを楽しむことができる。

みちるは、幼い頃から心霊現象やオカルトにあこがれていたが、霊感がないうえに除霊体質で、心霊写真を撮ろうとしても、近くにいる霊を勝手に除霊してしまう。そんなみちるのクラスに、暗い雰囲気を漂わせるまことが転入してくる。まことに関する恐ろしい噂を耳にしたみちるは、彼をオカルト部に誘うが、あっさりと断られてしまう。実はまことは、幼少期から見えてはいけない存在を勝手に引き寄せてしまう超霊媒体質で、そのために孤立しがちだった。再びまことに接触したみちるは、彼に取り憑いていた犬のおばけを無意識に除霊し、さらには周囲の霊も除霊してしまう。これらの出来事をきっかけに、みちると友達になりたいと思ったまことは、オカルト部に入部することを決める。

まこととみちるは、オカルト部に情熱を注ぎながら日々を過ごしている。しかし、肝心の部活は部員不足に悩み、活動も思うようにいかず、廃部の危機に直面していた。そんな中、「全国高校オカルト部選手権大会」への出場を目指し、熱血顧問の間宮にうながされて新入部員の勧誘に奔走する。まこととみちるはその過程で悪霊や都市伝説に遭遇し、二人の過去も徐々に明らかになっていく。霊媒体質と除霊体質を持つ二人が、さまざまな心霊トラブルに巻き込まれ、そのピンチをどう乗り越えていくのかが本作の見どころとなっている。また、物語が進むにつれて、貧困から闇バイトやオカルトグッズ集めに励む日下輝雄も加わり、オカルト部の活動はますます賑やかになっていく。