彼女が公爵邸に行った理由

彼女が公爵邸に行った理由

以前読んだことのある小説の世界にレリアナ・マクミランとして転生した「花咲凛子」は、自らの死を回避するために6か月間限定で、王位継承者であるノアボルステア・ウィンナイトの偽物の婚約者になる。あくまでお互いの目的を達成するために婚約取引をしたレリアナとノアボルステアが、次第に惹かれ合っていく姿を描いた転生ファンタジーラブストーリー。「ピッコマ」で配信の作品。

正式名称
彼女が公爵邸に行った理由
ふりがな
かのじょがこうしゃくていにいったりゆう
原作者
Milcha
漫画
ジャンル
ファンタジー
レーベル
フロース コミック(KADOKAWA)
巻数
既刊10巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

冴えない浪人生の「花咲凛子」として暮らしていた少女は、ある日、何者かによって殺害されてしまう。少女が目を覚ますと、そこは以前ファンタジー小説で読んだことのあるチェイモス王国で、凛子は登場人物の一人であるレリアナ・マクミランに転生したことを悟る。しかし小説内のレリアナは脇役で、婚約者であるフレンチ・ブルックスに、もうすぐ毒殺される運命にあった。2度も殺されたくないレリアナは、フレンチとの婚約を解消しようと動き出す。だが、ブルックス家はマクミラン家よりも爵位が高く、レリアナから婚約破棄を言い出すことができない。そこでレリアナは、チェイモス王国の第一王位継承者で、衰退した王権を復活させるという野望を持つノアボルステア・ウィンナイトに接近する。そしてレリアナはノアボルステアに対して、小説の記憶と引き換えに、6か月間の限定で構わないので、偽りの婚約者にしてくれないかと頼み込み、取引は成立する。ウィンナイト家はブルックス家よりも爵位が高かったこともあり、レリアナとフレンチの婚約はすぐ破棄される。そしてレリアナはノアボルステアの婚約者として、ウィンナイト家で暮らすこととなる。

第2巻

ノアボルステア・ウィンナイトの婚約者として同じ屋敷に住むことになったレリアナ・マクミランは、ウィンナイト家の歴史や、社交界のマナーを学んだりと慣れない日々が続く。しかし、レリアナは転生する前は勤勉な浪人生だったこともあり、要領よく貴族としての知識と振る舞いをマスターしていく。そして、レリアナのお披露目も兼ねた舞踏会の日、レリアナはノアボルステアから、フリス・エリティールに接近するように依頼を受ける。フリスは旧貴族の婦人たちが集う紹介制のサロンに出入りしており、ノアボルステアはそこでの会話の内容を知りたかったのだ。ノアボルステアにアプローチをしていたビビアン・シャマルの妨害はあったものの、レリアナはフリスからサロンへの招待状をもらうことに成功する。みごとにミッションをクリアして安堵するレリアナだったが、一瞬のスキを突かれ、フレンチ・ブルックスジェイク・ラングストンに誘拐されてしまう。

登場人物・キャラクター

レリアナ・マクミラン

地味で冴えない浪人生として生活していた少女。ある日、何者かに高所から突き落とされ、以前読んだことのあるファンタジー小説の世界に転生した。小説の世界ではチェイモス王国で暮らす大富豪の美しい令嬢ながら、完全に脇役として描かれている。物語の主人公の女性が、遠方から帰郷する理由となる人物として登場する。その理由とは、婚約者であるフレンチ・ブルックスに毒殺されることで、近いうちに命を落とす運命にある。2度も殺されることなど受け入れがたく、死を回避しようと行動を起こす。そして6か月の期間限定で、王位継承者であるノアボルステア・ウィンナイトの偽りの婚約者として生活することになる。最初はあくまでレリアナ・マクミラン自身の保身のためだったが、いっしょにノアボルステと時間を過ごしていくうちに、彼に心惹かれるようになる。転生する前の名前は「花咲凛子」。

ノアボルステア・ウィンナイト

レリアナ・マクミランが読んでいたファンタジー小説に登場する主人公の男性。チェイモス王国の第一王位継承者。チェイモス王国の中では旧貴族側の人間であり、衰退した王権を復活させるという野望を持つ。母親は建国以来、代々王国兵力の中核を担ってきたウィンナイト家の出身で、公爵の爵位を与えられている。フレンチ・ブルックスよりも爵位が高いため、フレンチとの婚約破棄を目論むレリアナから、声をかけられたことによって知り合う。当初はレリアナから利用されるはずだったが、頭脳明晰で野心家なこともあり、彼女を逆に利用するようになる。小説のストーリーを知っているレリアナから話を聞き出す代わりに、彼女を6か月間の限定で、偽りの婚約者として生活することになる。あくまでノアボルステア・ウィンナイト自身の野心を達成させるためにレリアナと婚約したが、次第にこれまで自分の周囲にはいなかったタイプのレリアナに興味を抱くようになる。美しい顔立ちで、さらに高い身分であることから、女性から好意を寄せられることが多い。周囲からは「ノア」と呼ばれている。

アダム・テイラー

レリアナ・マクミランが読んでいたファンタジー小説に登場する青年。年齢は18歳。レリアナがノアボルステア・ウィンナイトと偽りの婚約をした際、彼女の専属騎士として行動を共にすることとなる。表向きはレリアナの護衛役だが、ノアボルステアがいない場所で変な行動を起こさないよう、監視する役割も担っている。喜怒哀楽の感情をいっさい顔に出さず、口数も少ないことから、つかみどころがなくミステリアスな存在。レリアナに対しても笑顔を見せることはないが、彼女のことは気に入っている。以前はチェイモス王国の少年兵として第一線で戦っていたが、法律で少年兵が禁じられたために、ウィンナイト家に騎士として迎え入れられた過去を持つ。剣術の達人で、どんなに絶望的な局面であっても、生きて帰って来るという伝説を持つ。「アルササ」という赤い眼が特徴の好戦的な少数民族の出身で、チェイモス王国内では野蛮な民族だと差別を受けることが多い。

ニック・マダックス

レリアナ・マクミランが読んでいたファンタジー小説に登場する男性。ウィンナイト家に仕え、ノアボルステア・ウィンナイトの身の回りの世話をしている。ノアボルステアと婚約し、ウィンナイト家に住むことになったレリアナの美容関連を担当している。レリアナとは非常に気が合い、友情を築いている。屈強な身体つきにメイクを施し、女言葉で話すいわゆるおネエ系。ビビアン・シャマルとは犬猿の中で、顔を合わせるたびにケンカをしている。

フレンチ・ブルックス

レリアナ・マクミランが読んでいたファンタジー小説に登場する男性。レリアナの婚約者で、侯爵の爵位を与えられているブルックス家の出身。レリアナにはまったく愛情がなく、婚約したのも弱みを握られているジェイク・ラングストンから指示を受け、マクミラン家の財産を手に入れるためだった。レリアナが読んだ小説の世界では彼女を毒殺し、傷心のジョンデーン・マクミランを丸め込み、マクミラン家を乗っ取ることになっている。しかし、小説のストーリーを知っているレリアナが結婚を回避しようとしているため、計画を達成できずに婚約破棄の憂き目に遭う。それ以降、レリアナに対して恨みを抱いている。端正な顔立ちで、ソフィー・ラングストンをはじめとした何人もの女性に金を貢がせている。

ジェイク・ラングストン

レリアナ・マクミランが読んでいたファンタジー小説に登場する青年。妹のソフィー・ラングストンがフレンチ・ブルックスに騙され、金を貢いだ挙句に捨てられた結果、自殺しようとナイフを手にしたソフィーとフレンチがもみ合いになり、妹が死亡した場面を目撃している。しかし、悲しむどころかその件をネタにして、フレンチをゆすっている。冷酷な性格で、金のためならなんでもする卑劣漢。フレンチがレリアナと婚約したのも、マクミラン家の財産に目をつけたジェイク・ラングストンからの入れ知恵があったため。

ソフィー・ラングストン

レリアナ・マクミランが読んでいたファンタジー小説に登場する女性。ジェイク・ラングストンの妹で故人。フレンチ・ブルックスに言葉巧みに騙され、借金を重ねて貢いでいた。しかし、フレンチがこれ以上金を引き出せないと知ると別れを切り出され、フレンチの目の前でナイフを使って自殺しようとしたところをもみ合いになる。その際にナイフが喉に突き刺さり、それが致命傷となって絶命する。

ビビアン・シャマル

レリアナ・マクミランが読んでいたファンタジー小説に登場する女性。若い貴族で、ノアボルステア・ウィンナイトに好意を抱いており、これまで積極的なアプローチを繰り返している。しかし、ノアボルステアに相手にされないどころか、彼が突然現れたレリアナと婚約したため、レリアナをライバル視して悪態をつく。見た目はスタイル抜群の美女で、チェイモス王国の貴族の中では、彼女の妖艶なほほえみを真似する者も多い。非常にプライドが高い性格の持ち主で、言いたいことははっきりと口に出すタイプ。レリアナが読んでいた小説では、ノアボルステアとその婚約者になる主人公の女性とのあいだに割って入り、関係を混乱させる悪女キャラクターとして登場する。レリアナだけでなく、ニック・マダックスとも犬猿の仲。

フリス・エリティール

レリアナ・マクミランが読んでいたファンタジー小説に登場する若い女性。エリティール公爵の妻で、年の差は親子ほどある。旧貴族の婦人たちが集う紹介制のサロンに出入りしており、そこでの情報を欲しているノアボルステア・ウィンナイトから、利用できるのではないかと目をつけられている。華やかな容姿の女性が多い貴族では地味なタイプで、奥手で内向的な性格をしている。結婚生活に幸せを感じられず、エリティール公爵との関係について質問されると黙り込む。

ローズマリー・マクミラン

レリアナ・マクミランが読んでいたファンタジー小説に登場する女性。レリアナの妹で、レリアナを非常に慕っており、レリアナからも唯一心安らぐと評され、溺愛されている。明るく素直で好奇心旺盛な性格で、マクミラン家ではムードメーカー的な存在になってる。家族をはじめ、周囲からは「ローズ」と呼ばれている。

ジョンデーン・マクミラン

レリアナ・マクミランが読んでいたファンタジー小説に登場する男性。レリアナの父親で、石油事業で成功を収め、男爵の爵位を与えられている。レリアナの幸せのため、名門貴族のフレンチ・ブルックスと婚約させたが、フレンチがレリアナの殺害を計画し、ジョンデーン・マクミラン自身の財産を狙っていることには気づいていなかった。のちにレリアナがフレンチとの関係を破棄し、ノアボルステア・ウィンナイトと婚約した際には、多額の慰謝料を支払うことになったものの、娘の幸せのためならばと心から祝福をしている。レリアナとノアボルステアの婚約が偽りのものであることは知らない。優しく温厚な性格で、娘のレリアナとローズマリー・マクミランを愛している。

エルマ

レリアナ・マクミランが読んでいたファンタジー小説に登場する女性。マクミラン家の家政婦として働く。主にレリアナの身の回りの世話をしており、レリアナから信頼されている。エルマ自身もレリアナに好感を持っていることから、ノアボルステア・ウィンナイトやアダム・テイラーとの関係を心配している。レリアナからの依頼で、転生する以前の世界で食べていたお菓子を再現するなど、料理上手でもある。

場所

チェイモス王国 (ちぇいもすおうこく)

レリアナ・マクミランが読んだことのあるファンタジー小説に登場する国。科学技術の発展やカトリックの衰退、資本主義の台頭などの理由で、王権が著しく衰退している。さらに金で爵位を買ったマクミラン家のような新興貴族と、旧貴族たちのあいだで利権争いが激化していることから、国内は混沌とした状態が続いている。そんな中、現国王の弟で第一王位継承者のノアボルステア・ウィンナイトが、旧貴族たちから最後の砦として期待を集めている。また、チェイモス王国で法律を定める際には玉璽(ぎょくじ)が必要だが、現在紛失して行方知れずになっているなど問題が多い。

クレジット

原作

Milcha

書誌情報

彼女が公爵邸に行った理由 10巻 KADOKAWA〈フロース コミック〉

第1巻

(2019-11-05発行、 978-4040659039)

第2巻

(2020-03-05発行、 978-4040642963)

第3巻

(2020-07-03発行、 978-4040648293)

第4巻

(2020-12-04発行、 978-4046800589)

第5巻

(2021-05-01発行、 978-4046804235)

第6巻

(2021-12-03発行、 978-4046810557)

第7巻

(2022-07-05発行、 978-4046815354)

第8巻

(2022-12-05発行、 978-4046819956)

第9巻

(2023-06-05発行、 978-4046825148)

第10巻

(2023-12-05発行、 978-4046831002)

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