π（パイ）

「π」と女性のおっぱいの関係性に気づいたオタク中学生の沢木夢人は、完璧なおっぱいを探求する「おっπ研究」を始める。時は流れ、オタク時代の姿とは似ても似つかないイケメン高校生に成長した夢人はある日、痴漢被害が原因で不登校だったクラスメートの田村じゅんと出会う。夢人はじゅんの完璧なおっぱいに注目し、これこそが究極のπではないかと考え、彼女への接近を試みる。これを機に夢人は再開したおっπ研究をとおして、思わぬ誤解やさまざまなトラブルに巻き込まれるようになる。思春期男子らしい欲求に心を躍らせる夢人の奇妙な日常が、古屋兎丸の得意とするエロティシズムやシュールギャグを交えながら展開される。

主人公の沢木夢人は、中学生時代は二次元美少女を愛するオタク少年だった。美しいバストの形や大きさを探求する中で、夢人は円周率･πと女性の美しいおっぱいに重要な関係性があることに気づき、こっそりしたためていた「おっぱいノート」に独自の理論を記録していた。高校生になった夢人は、中学生時代を半ば黒歴史として封印し、小太りだった体型も別人のようなモデル体型の美少年に変身していた。そんな夢人は表向きこそモテるイケメンを気取っているが、オタク時代からのπへのあこがれを未だに捨て切れず、巨乳美少女･田村じゅんと出会ったことで、オタク時代の自らの姿が心の中に蘇る。友人の前ではオタク気質を隠しながら再び研究を開始した夢人は、多くの女子から注目されながらも、その激しいギャップから時折周囲を驚かせている。

「π」の真理を追い求める元オタク少年の沢木夢人はある日、中学生の頃から書き溜めていた「おっぱいノート」を落としてしまう。それを拾ったのは、中学生時代から夢人があこがれを抱いていた同人作家の千聖こと宇治一郎だった。夢人同様に昔は太っていた一郎はダイエットの末に別人のように変身しており、夢人と感動の再会を果たす。πとおっぱいの研究をしていることを一郎に知られた夢人は、彼と共に「πクラブ」を結成し、さらなる研究に励むようになる。それ以来、夢人はπの味方「パイダーマン」を名乗るようになり、時には不審者扱いされながら奇妙な事件やエッチなトラブルに巻き込まれていく。