田舎町の大家族を描いた群像劇
舞台となるのは、大石君子の夫、歩の故郷である田舎町。農業を営む大石家は、家長の一明をはじめ、次男夫婦の歩と君子、長男夫婦の娘のまりな、そしてまりなの三人の子供たちの計七人の大家族で、それぞれの人物に焦点を当てた群像劇として物語が展開される。
義母の死を乗り越えた君子の決意
物語は前作から5年後、君子の心の拠(よ)り所であった義母の和代が亡くなるという衝撃的なシーンから幕を開ける。和代の死により、君子はその代わりを務めなければならないというプレッシャーに押しつぶされそうになり、ひいばあちゃん子であった姪孫(てっそん)のみのりとの関係もぎくしゃくしてしまう。こうして大石家は大きな波乱に巻き込まれていく中、君子は和代が遺してくれた周囲の人々との絆や、自らがこれまで築いてきた人望、そして多くの理解者たちの支えを受け、一大決心を下すことになる。
家族それぞれの物語と成長を描く
小学校の教師を辞めた君子は、亡き義母に代わって不慣れな家事に奮闘するようになる。その過程で家族とのかかわりはより深いものとなり、家族たち一人ひとりに踏み込んだ物語が展開される。また、一明をはじめとする家族たちも、それぞれの方法で和代の死を乗り越えていく。大人たちが穏やかな日々を重ねる中、時と共に姪孫たちは成長し、みのりに四人目の子供が生まれるなど、大石家の人間関係も少しずつ変化していく。
登場人物・キャラクター
大石 君子 (おおいし きみこ)
田舎町で農業を営む大石家の次男である歩の妻。もともと都会で小学校の教師をしていた際に、サラリーマンだった歩と出会った。結婚後、歩が地元に戻って農業を継ぐことを決めたため、彼女も田舎町へとやってきた。引っ越してからは地元の小さな小学校で再び教師を務めていたが、家事を一手に担っていた義母の和代が亡くなったことをきっかけに、家族のために役立ちたいと考え、教師を辞めて家事に専念する決意をした。昔ながらの偏見が根強く残る田舎町ということもあり、一部の口うるさい親族からは、都会出身で手に職があることを理由に厳しく当たられている。しかし、優しく穏やかな性格のため、家族やかつての生徒、その親たちから愛されており、まじめすぎるところを心配されることもある。家事に関しては、和代には及ばないと自覚しつつも、自分なりの方法で役に立とうと日々努力している。
大石 歩 (おおいし すすむ)
田舎町で農業を営む大石家の次男で、君子の夫。もともとは都会でサラリーマンをしていたが、君子と結婚したあと、実家に戻って農業を継ぐ決意をした。それ以来、父親の一明と共に農業に励んでいる。おおらかで心優しい性格で、田舎の風習に戸惑う君子を気遣っている。しかし、マイペースでどこか天然なところがあり、十分にフォローしきれていないため、しっかり者の姪孫たちからは「頼りない」と評されることも多い。
前作
あの山越えて (あのやまこえて)
夢路行の代表作。とある日本の農業が盛んな田舎(いなか)を舞台にしている。東京の会社を辞めて実家の農家を継ぐことになった大石歩と、小学校教師を務める大石君子との夫婦の絆(きずな)をほのぼのと描いたハート... 関連ページ:あの山越えて
書誌情報
あの山越えて 日・日・天のたより 全12巻 秋田書店〈A.L.C.DX〉
第4巻
(2022-06-16発行、978-4253160537)
第5巻
(2022-12-15発行、978-4253160544)
第6巻
(2023-06-15発行、978-4253160551)
第7巻
(2023-12-14発行、978-4253160568)
第8巻
(2024-06-14発行、978-4253160599)
第9巻
(2024-12-16発行、978-4253160605)
第10巻
(2025-06-16発行、978-4253160612)
第11巻
(2025-12-16発行、978-4253009188)
第12巻
(2026-06-16発行、978-4253016957)








