かみあそび！～カードゲーマー少女の日常～

本作は、トレーディングカードゲーム(TCG)を題材にしたギャグコメディ。ごくふつうの女子高校生の風花と、個性豊かなカードゲーマーの焔の日常を中心に物語が展開される。TCGの魅力はもちろん、金銭面の悩みやプレイヤーとしてのマナーなど、ゲーマーならではのリアルな問題も丁寧に描かれているのが特徴。作中にはカードゲーム用語やネットミームが多数登場するが、初心者でも楽しめるよう、日常の出来事に例えたシーンやわかりやすい解説が随所に盛り込まれている。

女子高校生の風花は、これまで何かに夢中になった経験がなく、浅く広い人間関係に悩んでいた。ある日、目的の古着屋へ向かう途中、エレベーターのボタンを押し間違えたことがきっかけで、カードショップ「ワンショット」に足を踏み入れてしまう。そこで彼女が目にしたのは、ふだんは無口で目立たないクラスメイトの焔が、人気カードゲーム「アルケミック・バーサス」に興じる姿だった。焔が心から楽しんでいる様子に衝撃を受けた風花は、彼女からカードゲームの魅力を熱く語られる。その巧みな誘いに導かれ、風花はカードゲームの奥深い世界にハマっていく。出費は増えたものの、初めて夢中になれるものを見つけた彼女の日常は、この出来事をきっかけに大きく変わり始める。

筋金入りのカードゲーマー、焔との出会いをきっかけに、風花の平凡だった日常はカードゲームを通じて色彩豊かに変わっていく。風花は焔だけでなく、ファンデッカーの土門早苗や、お嬢様プレイヤーの瀧川みなもといった個性豊かな仲間たちとも交流を深め、やがてクラスや立場の壁を越えて四人で「チーム・エレメンツ」を結成する。しかし、趣味に没頭する一方で、これまで親しかった友人たちとの関係にすれ違いが生じ始める。その中の一人、ひかりは風花の変化を快く思わず、ついには焔に「アルケミック・バーサス」での対決を申し込む。学校では陰キャでコミュ障な焔だが、ひかりやその友人たちの前で極度のプレッシャーから、本来の実力を発揮できなくなってしまう。