あらすじ
第1巻
天海柚希は人気モデルで子役の妹である天海詩月を溺愛し、どんなわがままもなんでも聞き入れてしまう。時には理不尽な要求にも応じ、むしろ詩月に振り回されることに幸せを感じていた。仕事が忙しい詩月が家庭教師をつけようとすると嫉妬したり、手作りドーナツが食べたいとリクエストする詩月のために学校を早退したりと、柚希は詩月に愛情を注いでいく。さらに詩月の台本読みの練習相手になりたいと考えた柚希は、詩月の事務所が運営している稽古場で演技のレッスンを受けることにする。柚希は詩月を驚かせるために秘密でレッスンに通うが、柚希が自分に隠し事をしていることに気づいた詩月は不安な気持ちをあらわにする。そんなある日、詩月は同じ事務所の宮田穂澄と現場が同じになり、穂澄に柚希とののろけ話をしゃべってしまう。すると、穂澄は自分も柚希のように自分を愛してくれる姉が欲しいと言い出し、詩月に決闘を申し込む。
登場人物・キャラクター
天海 柚希 (あまみ ゆずき)
天海詩月の姉で、高校生。詩月を溺愛しており、何かと世話を焼いている。詩月のわがままに振り回されることも多いが、それを幸せだと感じている。詩月が家庭教師がつけることを嫌がるなど、他人との接触を異常に嫉妬する。詩月に言われるがままにお菓子や料理を作ることもあり、料理のスキルは非常に高い。詩月に似たかわいらしい容姿をしているが、カメラの前に出ると涙が止まらなくなる自称カメラアレルギーのため、芸能界で活動をする意思はない。不要なトラブルを避けるため、詩月と天海柚希自身が姉妹であることは周囲に隠している。三上芽依からは「ゆず」と呼ばれている。
天海 詩月 (あまみ しづく)
天海柚希の小学生の妹。完璧なかわいらしい容姿で、キッズモデルや子役として幅広く芸能活動をしている。父が会社を辞め、専業主婦の母と柚希の三人を天海詩月自身の収入で養えるほどのトップクラスの人気を誇る。柚希のことが大好きで、わざとわがままを言って困らせることが多く、柚希から溺愛されていることも知っている。好きな食べ物は、柚希の手作りお菓子。
中村 (なかむら)
天海詩月が所属する芸能事務所で、マネージャーを務める若い女性。詩月の大ファンでもあり、その立場を利用して抱きつくなど職権乱用を繰り返している。詩月から注意されると喜ぶなど、異常な執着を見せる。姉の天海柚希にはまったく興味はないが、詩月が柚希を慕っている様子をよく観察している。
三上 芽依 (みかみ めい)
天海柚希の友達にしてクラスメートの女子高校生で、テニス部に所属している。天海詩月の大ファンで、インターネットやファンの情報網から柚希の妹であることは知っている。また、ふだんの言動から柚希が詩月と姉妹であることを隠していることにも気づいている。三上芽依自身が柚希と結婚すれば詩月が義理の妹になるのではないかと考え、柚希にアプローチを繰り返すなどファンをこじらせた言動が目立つ。近所に住む宮田穂澄とは幼なじみで、穂澄を言葉巧みに詩月と同じ芸能事務所のオーディションに参加させる。穂澄がみごとオーディションに合格したため、彼女の芸能界デビューのきっかけをつくった人物でもある。
宮田 穂澄 (みやた ほずみ)
天海詩月と同じ芸能事務所に所属する小学生の女子。華やかでかわいらしい容姿で、関西弁で話す。詩月と同じ現場になったことをきっかけに親しくなり、詩月ののろけ話から天海柚希を理想の姉だと崇拝している。近所に住む三上芽依とは幼なじみで、芽依の詩月に接近したいという下心から、言葉巧みに同じ芸能事務所のオーディションを受けさせられ、みごとに芸能界デビューを果たす。芸能界に興味があったわけではないが、かわいらしい衣装を着たり、演技をしたりすることにやりがいを感じている。芽依からは「ほずみん」と呼ばれている。
アヤ
天海詩月と同じ芸能事務所に所属している子役の幼い少女。母親の勧めもあって演技のレッスンを受けているが、アヤ自身は芸能界への興味はあまりない。「詩月の台本読みに付き合うための演技力を身につける」という目的でレッスンに参加した天海柚希と知り合い、それからはいっしょに練習を重ねるようになる。
父 (ちち)
天海柚希と天海詩月の父親。以前は会社員としてまじめに勤務していたが、詩月が芸能界デビューしたことで多額の収入を得たため、あっさりと仕事を辞めた。現在は無職で、悠々自適な生活を送っている。家庭内ではネコの被り物をしており、素顔を見せることはない。
母 (はは)
天海柚希と天海詩月の母親で、専業主婦。詩月が芸能界デビューしたことで多額の収入を得たため、父が仕事を辞めてしまうが、母はまったく気にしていない。おおらかでマイペースな性格の持ち主。家庭内ではウサギの被り物をして生活しており、素顔を見せることはない。
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