それは大人の事情です

女子大生の河原咲茉は、大学の先輩で、同じカフェでバイトをしていた最上麦先輩に憧れていた。彼は爽やかなイケメンで、親はホテル経営をするほどのお金持ち。今までの彼女もみんな美人で、咲茉は自分から告白する勇気もなく、妹のような存在で満足していた。麦は社会人になっても咲茉のバイト先のカフェに遊びに来ていた。麦の本命は本当は咲茉で、周りの男友達は気づいていたが、咲茉にはその気持ちは届いていなかった。ある日、咲茉のもとに弟から「400万円持ってないか」と連絡が入る。弟は記念に受験した医大に合格し、行きたいがお金がないと、泣きながら咲茉に連絡してきた。咲茉の家は母子家庭でお金に余裕がなく、思い詰めた弟は消費者金融の前にいた。咲茉は自分でお金を何とかしようと、1年間の結婚生活で400万円もらえるという話にとびつき、危ない目にあってしまう。その話を聞いた麦は、｢400万で俺が咲茉と結婚してやるよ｣と言い出した。咲茉はお金を返したら、離婚するという条件で麦と結婚することに。契約結婚なのに、両思いだった二人は、お互いの本音を少しずつ語り合い、初恋のように甘く初々しい関係をスタートさせる。