厳しいしきたりだらけの恋愛
恋愛にあこがれるギャルの結理は、朝の電車でとなりの男子校に通う慶一郎と出会い、少しずつ言葉を交わすようになる。やがて二人は惹(ひ)かれ合い、交際を始めた。恋人同士になった結理は、デートやキス、さらにはその先の妄想を膨らませていた。しかし、慶一郎は日常生活でもSPに警護されるほどの超エリートで、葛城家には数多くの厳しいしきたりが存在していた。そのため、せっかく両思いになったにもかかわらず、二人きりで会うことさえ難しい状況だった。それでも結理は制約だらけの関係にめげることなく、スマホの代わりに交換ノートで連絡を取り合ったり、二人の時間を確保するために葛城家のメイドとして働いたりと、懸命に努力を重ねていく。
恋に全力の純情ギャル×クールな超エリート男子
結理は、明るく軽快なノリが魅力のギャル。見た目はやや派手だが、内面は純情で恋愛経験のない処女である。そのため、恋愛へのあこがれが人一倍強く、初めてできた彼氏の慶一郎に対してキスやそれ以上の関係を望み、積極的に行動するものの、実体験が伴わず空回りしてしまうことも多い。一方、慶一郎は日本有数の元財閥系政治家一族の御曹司で、感情をあまり表に出さないが、結理への愛情は本物だった。連絡用のスマートフォンを手に入れるために親族へ熱心に稟議書(りんぎしょ)を書いて説得したり、誕生日プレゼントとして京都旅行を計画したりと、彼女のために努力を惜しまない。恋の進展はゆっくりだが、不器用な二人が少しずつ心を通わせていく様子が見どころとなっている。
二人の恋の進展を阻むのは「交際編第7条第3項」
エリート家系である葛城家には、日常生活の中でさまざまなしきたりが存在している。なかでも「葛城家のしきたり交際編第7条第3項」では、男子は18歳になるまで女子とのいっさいの性的接触を禁じるという厳格なルールが定められており、違反した場合は厳しい罰が科される。そんな厳しいルールのもと、結理と慶一郎は愛を貫いていく。当初は慶一郎の父親や兄の正太郎も交際に反対していたが、次第に二人の関係を認めるようになる。しかし、祖父の太郎だけは最後まで反対し、「結理との交際を続けるなら葛城家を出ていけ」と慶一郎に言い放つ。一方で、太郎もまた自分の代で家のしきたりを破るわけにはいかないという思いを抱えつつ、若くして病に倒れ、好きな人との自由な時間を持てなかった慶一郎の母親の切ない過去を思い返しながら、少しずつ二人の関係と向き合おうとしている。
登場人物・キャラクター
長谷川 結理 (はせがわ ゆうり)
聖マルガレーテ女学院高等部に通う2年生の女子。年齢は16歳。明るく前向きな性格で、同性の友人にも恵まれている。何事にも一生懸命に取り組む一方で、夢中になると周囲が見えなくなることもある。感情が表に出やすく、ふだんは気丈に振る舞っていても、感情が高ぶると涙を流すことも少なくない。恋人の慶一郎を心から愛しており、どんな妨害や困難があっても決してあきらめるつもりはない。親しい人たちからは「ユーリ」と呼ばれている。
葛城 慶一郎 (かつらぎ けいいちろう)
高偏差値を誇る名門校、K大付属集英高等学校に通う2年生の男子。年齢は16歳。日本有数の元財閥系政治家一族の出身で、祖父と父親は共に元内閣総理大臣という名門の家系に育った。結理と交際中だが、彼女と出会うまでは恋愛にあまり関心がなかった。何事もそつなくこなす完璧な優等生である一方、一般常識にはやや疎く、時おりずれた行動をとることもある。また、鍋料理の話題になると語気が強くなり、自分の好きな分野に対してはふだんとは違った一面を見せ、結理を振り回すこともある。
書誌情報
はやくしたいふたり 9巻 集英社〈マーガレットコミックス〉
第1巻
(2020-09-25発行、978-4088444116)
第8巻
(2022-08-25発行、978-4088446721)
第9巻
(2022-12-23発行、978-4088447179)








