ふつつかなヨメですが!

第1巻

小向家では新居が見つかるまで、長男の小向徹とその妻である小麦が同居する事となった。まだ入籍はしていないものの、明るく気の利く美人の嫁に、姑の小向照美と小麦の義祖父は喜ぶが、次男の小向大は小麦の笑顔に違和感を覚え、徹の妹である小向紫は大好きな徹を取られた事で荒れていた。そんな中、大は平日の日中にコンビニ前で玉と話している小麦を目撃。アウトローな人間に絡まれていると誤解した大は、勇気を振り絞って助けに入るが、小麦からは知り合いの夫だと言われてしまう。やはり小麦には何かあるのではないかと疑う大は、その夜に小麦が特攻服で外出する姿を目撃。そして大は、小麦が暴走族グループ「亞魔憎涅摩(あまぞねす)」の元構成員だったという秘密を知ってしまう。一方、岡山県に1週間の出張だと言って出て行った徹は、実はシンガポールに行っている事実が判明する。しかも帰って来るかどうかもわからないため、紫は小麦に対して今すぐ出ていくように告げる。その態度を「喧嘩を売られた」と解釈した小麦は意地になり、徹が帰って来るまで小向家に居座る事を決めるのだった。しかし紫とは険悪な関係が続く中、暴走族が大嫌いな照美が、小麦の特攻服を見つけてしまう。

第2巻

小向照美に特攻服が見つかってしまった小麦だったが、小向大の機転により何とかその場をごまかす。そして小麦は、自分は家事が何もできない事を家族にカミングアウトし、照美に料理を習ったり、弁当店で働いたりと、家事のスキルを必死で身につけていく。そんなひたむきな姿の小麦に対し、大は一人の女性として好意を抱くようになっていく。また、小向紫もバドミントンの試合でラケットを忘れた際、小麦が必死で届けてくれた事で、少しずつ態度を軟化させていく。こうして小向家が少しずついい方向へ進んで行く兆しが見え始めるものの、大に片思いをしている森永吉野はそんな様子を見て小麦に嫉妬する。吉野は小麦が暴走族グループ「亞魔憎涅摩(あまぞねす)」の元構成員だった事実を突き止め、照美や紫など小向家の人々に暴露しようと企む。

第3巻

森永吉野から一方的にキスをされた小向大は、望みのない小麦よりもっと自分の青春を謳歌しようと、吉野と動物園デートの計画を立てる。大と吉野が動物園に着くと、小向徹に似た人物がいた、と知り合いから連絡を受けた小麦がおり、園内を捜索していた。できるだけ小麦と吉野が顔を合わせないようにする大だったが、結局は自分の気持ちがまだ小麦にある事を思い知る。そんな中、小向照美はポリープの手術のため、入院する事が決まる。小麦は小向家の留守を守ろうと奮闘し、そんな姿を見た小向紫も、小麦を正式に徹の嫁だと認め始めていた。しかし、どうしても大を自分にものにしたい吉野は、文化祭のクラス出し物でヤンキー映画を制作しようと提案。自分でシナリオも作成し、小麦や亜美など暴走族グループ「亞魔憎涅摩(あまぞねす)」の元構成員にも出演を依頼する。学校でできあがった映像をながめていた大は、映像の一つが小麦メインになっている事に気づく。さらにその動画には小麦に対する悪口コメントも含まれていた。そこに吉野がやって来て、大が今後いっさい小麦とかかわらない事を約束しないと、このままネットにアップすると脅迫する。

第4巻

特攻服を見つけた小向照美は、小向大の機転よりその場は一旦納得したふりをしたものの、やはり怪しいと感じていた。そこで小麦の部屋をこっそりのぞいてみると、すぐに特攻服を発見。「徹命」という刺繡から小麦本人のものだと確信し、小麦自身もついに照美、小向紫、小麦の義祖父に対し、自分は暴走族グループ「亞魔憎涅摩(あまぞねす)」の元構成員だった事実を告白する。照美が仕方ないと小麦を受け入れた事により、小麦は髪の毛の色を明るくしたり、言葉づかいも乱暴になり、小向家の中でも少しずつ本性を出し始める。それに対して照美は小麦を認めたいと思いつつも、やはり受け入れられずにいた。家庭内がギクシャクしている中、ついに小向徹の帰国する日が決まる。大は徹が帰国する前までが小麦に告白する最後のチャンスだと考え、行動を起こす。