ぽんのみち

本作は麻雀をテーマにしているが、本格的な麻雀漫画と違って麻雀はあくまで遊びの範疇で楽しんでおり、女子高生たちの日常にスポットを当てているのが特徴となっている。また、主人公の十返舎なしこをはじめとする登場人物の多くは麻雀初心者ばかりで、麻雀の基本的なルールも説明されているため、麻雀初心者の読者も手軽に楽しめる構成となっている。本作は『五等分の花嫁』の春場ねぎがキャラクター原案を、『アニマエール!』で知られる卯花つかさが漫画を担当しているため、登場人物たちが生き生きとした魅力あふれるタッチで描かれている。なお、単行本の初回特典には、春場ねぎの書き下ろしイラストカードが付属されていた。

遊びたい盛りのなしこは毎日家で騒ぎすぎるため、とうとう母親の堪忍袋の緒が切れて、家で騒ぐのを禁止されて追い出されてしまう。見かねた父親がかつて雀荘として使っていた空き家の使用を、「掃除をすること」を条件に許可する。そこで、なしこは友人の河東ぱい、徳富泉、江見跳江を誘って空き家を片付け、たまり場として使い始める。すると、そこにかつて雀荘を利用していた林リーチェが、店が営業を再開したとカンちがいして訪れる。リーチェは店が再開したのではないことを知って残念がるものの、なしこはそんな彼女を麻雀に誘って交友を深めていく。

本作は広島県尾道市を中心に物語が展開され、広島県内の風情ある街並みや由緒ある神社、美しい海をはじめとするさまざまな名所や行事が登場する。これはテレビアニメ制作の際に「日常の風景がアニメ映えする」という理由から選ばれたもので、アニメ版のコミカライズである本作も麻雀が主題ながら、尾道市を中心に女子高校生たちが楽しく過ごす日々と、時々麻雀をする姿が描かれている。