アード・メテオール

ラーヴィル魔導帝国にある村に生まれた少年。元・最強の魔王「ヴァルヴァトス」が数千年後の未来に転生した姿。吊（つ）り目気味の赤目と黒髪短髪のイケメンで、誰にでも敬語で話す。ジャックとカーラを両親に持つ平民の村人として生まれ、前世でヴァルヴァトスが果たせなかった友人を作って孤独を埋めるという目標を胸に生きている。まじめな性格で優しく紳士的ながら、そのあまりに強大な力が原因で周囲からは距離を置かれがちで友達をうまく作れず、実際に10歳頃までは友人ができなかった。10歳の頃に森で魔物と戦っていたイリーナ・リッツ・ド・オールハイドを助けたことで気に入られ、彼女を初めての友人にすることができた。その後はイリーナと平和な日々を過ごし、15歳の時に両親からラーヴィル魔法学園への入学を勧められる。この時にジャックとヴァイスが共に戦った戦友であると共に、二人が伝説的な英雄であったことを知る。その後はイリーナと共にラーヴィル魔法学園に入学し、彼女と共にC組に在籍する。ジニー・フィン・ド・サルヴァンをいじめているエラルドと決闘したのをきっかけに、能力が平均値に設定され平民として生きていたつもりだった自分の能力が、転生前の時代で一般的だった魔法技術も扱えないほどに魔法文明が衰退した現代の世界においては規格外だと悟り、転生の目的であった平凡な生活とは程遠い学園生活を送ることになる。学園では極力目立たないように慎ましく行動しているが、ヴァルヴァトスの姉貴分であったオリヴィア・ヴェル・ヴァインとの出会いや魔族の闇組織「ラーズ・アル・グール」との戦いに巻き込まれたことで、目立たないようにするのは非常に困難になり、いつも頭を悩ませている。前世がヴァルヴァトスであることは周囲に隠しているため、学園の生徒や教師たちからは元・英雄である両親の資質を引き継いでいると認識されているが、ヴァルヴァトスをよく知るオリヴィアからは怪しまれ続けている。前世の頃から相手を冷静に解析・理解し、そのうえで支配することを真髄としていたため、これらの性格は転生後も引き継がれている。魔族を倒した一件でさらに注目が集まり、学園では男女問わず人気が高く、特に女子生徒の中には玉の輿（こし）を狙う者も出ている。また、街に現れたラーズ・アル・グールの魔族を一人で討伐した功績をローザに称えられ、褒賞として「第五格(ペンタゴン)」の魔導士としての資格を得ている。