概要・あらすじ
本能字学園の方針は強者イコール正義であり、弱い者は徹底的にひどい扱いを受けるというもので、生徒たちはそれを甘んじて受け入れていた。そんなある日、父親の纏一身を殺した相手を探すために、纏流子が転入してくる。生徒会長の鬼龍院皐月が一身に関する秘密を握っているらしいことを知った流子は、皐月に近づくため彼女を守る学園の精鋭たちとの戦いに身を投じていく。
登場人物・キャラクター
纏 流子 (まとい りゅうこ)
本能字学園の2年甲組に転入してきた女子生徒。戦闘能力が高く、逃げ足も速い。物怖じせず、言いたいことはハッキリと口に出す大胆な性格。背中に片太刀ハサミを背負い、父親である纏一身を殺した者を探している。
鮮血 (せんけつ)
纏一身によって作られた神衣で、生命繊維のみで織られた服。明確に自身の意志を持っており、会話により流子と意思の疎通を図ることも可能。纏流子の血によって秘められた力を発揮することができるが、流子と鮮血が本当に一体化した場合は血を必要としない。
鬼龍院 皐月 (きりゅういん さつき)
本能字学園で生徒会長を務める女子生徒。無口でミステリアスな雰囲気の持ち主で、圧倒的な武力をもって本能字学園を支配している。母親が学園の理事長を務めているため、教師に対しても絶対的な権力を誇っている。生徒会のメンバーを使って纏流子を倒そうとする。
満艦飾 マコ (まんかんしょく まこ)
本能字学園2年甲組所属の女性生徒。纏流子のクラスメイト。ちゃっかり者で細かいことを気にせず、天真爛漫。人懐っこい性格で転校生である流子ともすぐに親しくなった。満艦飾又郎の姉で、いつも弟が悪さするたびに叱りつけている。
蟇郡 苛 (がまごおり いら)
本能字学園で風紀部の委員長を務める男子生徒。体格が良くいかつい顔をしており、鬼龍院皐月を絶対的に崇拝している。生徒会の一員にして四天王の1人で、三つ星の極制服を着ている。ルールに厳しく、学園や生徒会に逆らう者は絶対に許さない。自分への攻撃のパワーを吸収し、それを相手に返すという戦い方を得意としている。
猿投山 渦 (さなげやま うず)
本能字学園で運動部統括委員長を務める男子生徒。生徒会の一員にして四天王の1人で、三つ星の極制服を着ている。かっこつけたイケメンだが、纏流子を倒そうとして、あっという間に針目縫にやられてしまう。
蛇崩 乃音 (じゃくずれ ののん)
本能字学園で文化部統括委員長を務める女子生徒。生徒会の一員にして四天王の1人で、三つ星の極制服を着ている。飛行しながら大音量の音楽をかけ、CDのようなものを放出して相手を攻撃をするのが特徴。纏流子を倒そうとして、逆に倒され全裸にされてしまう。
犬牟田 宝火 (いぬむた ほうか)
本能字学園で会計および情報戦略部委員長を務める男子生徒。生徒会の一員にして四天王の1人で、三つ星の極制服を着ている。まずは相手のデータを取り、それを解析して戦う。そのため、相手のパワーが自分の予測を上回る場合は太刀打ちできない。無茶な戦いはせず、負けそうになると棄権する。
満艦飾 又郎 (まんかんしょく またろう)
満艦飾マコの小学生の弟。本能町裏袋小路を根城に、他の悪童たちと一緒にスリやカツあげなど悪さをしている。人呼んで「電光石火の又郎」。纏流子の財布を盗もうとして返り討ちに遭い、以降は強い流子のことを尊敬し慕うようになる。
満艦飾 薔薇蔵 (まんかんしょく ばらぞう)
満艦飾マコと満艦飾又郎の父親。本能町スラム街で闇医者をしている。眼鏡をかけた恰幅の良い男性。医者として生かした数より殺した数の方が多いという噂がある。ちょっとエロい部分があるが、纏流子のことを気に入っている。
満艦飾 好代 (まんかんしょく すくよ)
満艦飾マコと満艦飾又郎の母親。グロテスクな見た目の料理を大量に作る。纏流子のことを気に入っており、行くあてがない流子を家に招き、面倒を見る。
纏 一身 (まとい いっしん)
纏流子の父親で、既に故人。長くて白いひげを生やし、目には眼帯を付けている。下駄履きで白衣をまとい、猫背で杖をついている。生命繊維の活動を止めることができる唯一の武器である断ち斬りハサミを開発したが、針目縫によって殺され、半分だけ持ち去られてしまう。
袋田 隆治 (ふくろだ たかはる)
本能字学園でボクシング部の部長を務める男子生徒。特殊な「運動強化型」というタイプの二つ星の極制服をくれた鬼龍院皐月を絶対的に尊敬している。纏流子と対峙するもあっという間に敗れ、部長職を解かれてしまう。
函館 臣子 (はこだて おみこ)
本能字学園でテニス部の部長を務める女子生徒。部活をサボった者には億千万本のサーブを受けさせるという横暴な決まりに従って、部員であった満艦飾マコを攻撃しようとしたが、マコを守った纏流子に撃退される。
美木杉 愛九郎 (みきすぎ あいくろう)
本能字学園の男性教師。纏流子の所属する2年甲組の担任。纏一身と協力して、鬼龍院一族や本能字学園が企んでいる世界征服を阻止しようと活動。流子に鮮血に関する詳細を教えた。すぐに服を脱いで身体を見せたがる困った癖がある。
黄長瀬 紬 (きながせ つむぐ)
かつて美木杉愛九郎や纏一身の仲間だった男性。大切な女性が神衣によって命を落としたことをきっかけに、袂を分かった。生命繊維は人間の寄生虫だと考え、纏流子と鮮血を引き離そうとする。弾の代わりに針が噴き出す銃を愛用している。
針目 縫 (はりめ ぬい)
恐ろしいまでの戦闘力を持つ女の子。見た目は細身で可愛い。一瞬にして絆糸を見つけ、それを切断して相手の極制服や神衣を破壊することができる。実は纏一身を殺した人物。左目は一身の最期の一撃によって潰されている。
場所
本能字学園 (ほんのうじがくえん)
極制服を着こなせる強靭な肉体と精神を持つ人間を作るために創られた学校。強者イコール正義という考えがまかり通っており、弱者には居場所がない。鬼龍院皐月の母親が理事長を務めており、極制服を利用して全国支配を企んでいる。
その他キーワード
極制服 (ごくせいふく)
着た者に特殊な力を与える服。戦闘能力だけでなく防御力も高くなり、生半可な攻撃ではダメージを受けることはない。大別して一つ星、二つ星、三つ星の3種類があり、星の数が増えるごとに性能が上がる。
片太刀ハサミ (かたたちはさみ)
断ち斬りハサミが、2つに分割された状態のもの。断ち斬りハサミは纏一身が開発した、極制服を切ることができる唯一の武器。一身が殺された時に、現場に1つだけ残されており、これを受け継いだ纏流子が戦う時に武器として使う。もう1つの片太刀ハサミは、殺した犯人が持ち去ったと推測される。
生命繊維 (せいめいせんい)
生きており、意志を持っている戦う繊維。身に着けた者の戦闘能力を向上させる、特殊なパワーを持つ。一つ星の極制服は全体の10％、二つ星の極制服は全体の20％、そして神衣はそのすべてが生命繊維で織り上げられている。
神衣 (かむい)
着る者の戦闘能力を最大限まで引き上げる服。100％生命繊維のみで織られており、その性能は極制服を大きく上回る。纏流子の鮮血や、鬼龍院皐月の純血が神衣にあたる。
純血 (じゅんけつ)
鬼龍院皐月が身に着けている神衣。鬼龍院の家に古くから伝わり、ケースの中で保管されてきた。子供の頃から純血に憧れていた皐月が、纏流子を倒すために自らの血を与えて眠りを覚ました。
絆糸 (ばんし)
服になろうとする自意識を持たせた生命繊維。極制服や神衣を作るための要となる。それゆえに極制服や神衣の弱点でもあり、絆糸を切断されると極制服や神衣は一瞬で壊れてしまう。
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