概要
「子ども冒険者」として生計を立てている少年。かわいらしい顔立ちで、冒険者としては頼りなさげな外見から、周囲には何かと心配されることが多い。だが、実際は全種の基礎属性魔法に加え、さらに「空間庫」「魔力庫」「記録庫」という非常に強力な固有魔法を扱うことのできる、チート級の能力の持ち主。もともとは、「愁太郎」という90歳で孤独死した老人で、死後、神様の勧めで新たな世界に生まれた転生者である。前世では戦時に顔に大きな火傷を負ったため、こんな顔の自分が相手では女性がかわいそうだと、結婚もせず生涯童貞を貫き通した。生前から、自分より人のことを優先する非常に心優しく無欲な人物だったこともあり、死後は当然天国へ行く権利を得ていたが、神様から改めて楽しい人生をやり直してみてはどうかと転生を打診された。転生にあたり、神様からはさまざまな有用なスキルを付与する提案を受けたものの、愁太郎自身は「健康な身体」以外には何も望まず、神様から半ば強引に生前の記憶と、「生前に努力した分だけの能力」を与えられることとなった。すなわち、シウ=アクィラの持つチート級の能力は、すべて生前の愁太郎が積んだ善行からくるものであり、彼がもともとどれだけすばらしい人間だったかの証左となっている。それはシウとして転生してからも変わらず、明るく素直な性格で、人に対しても非常に親切に接している。また、自分の持つ能力も身に余るものととらえており、11歳になるまで、ほとんど使うことなく過ごしてきた。ちなみに、赤ちゃんとして転生してからは元冒険者である樵(きこり)の老人、ヴァスタに拾われて11歳まで育てられ、樵としての生き方に加えて冒険者としての心得も学んだ。ヴァスタ亡きあと、一人になったシウは自分も樵として生きていくつもりだったが、そこにかつて自身を転生させた神様が登場。冒険者になって、自由に楽しく生きることを半ば強引に神様に勧められたため、子ども冒険者になったという経緯がある。なお転生するにあたり、あくまで人としての「健康な身体」を望んだこともあり、さまざまな強力な魔法を使えるものの、その言葉どおりに魔法使いとしては極めて少ない、一般人と同等レベルの魔力しか持っていない。また、生前孤独な人生を送ったこともあって、どこかで人と深くかかわることを恐れており、そんな姿勢はのちに政治的な後ろ盾となってくれたキリク=オスカリウスにも、「厭世(せんえい)家」と揶揄(やゆ)されるほど。ちなみに、ふだんから何にも優先して隠蔽魔法と鑑定魔法の習熟に余念がないが、これは自分の秘めた能力を他人に知られないようにするためである。のちに王立ロワル魔法学院に入学し、もっとも優秀な第一クラスに在籍する。同時に特例として、子ども冒険者から十級ランクの冒険者として昇格を果たす。
登場作品
魔法使いで引きこもり? (まほうつかいでひきこもり)
小鳥屋エムの小説『魔法使いで引きこもり?』シリーズのコミカライズ作品。過去のトラウマから人とのかかわり合いを避けて生活し、90歳で孤独死した「愁太郎」は、生前に積み重ねた数多くの善行を評価され、神様の... 関連ページ:魔法使いで引きこもり?
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