概要・あらすじ
カメラマンをしている吉住五郎は、2年前に妻に先立たれてから、姉の手を借りつつも男手一つで吉住一方、吉住二葉という小さな2人の子供を育てていた。そんなある日、五郎は仕事でアイドル、真柴ゆかりを撮影することになった。その直前に、彼女が電話で泣きながら別れ話をしているところを目撃してしまう。さらに彼女が落とした手帳から、ゆかりがベテラン俳優の田西源悟郎と付き合っていることを知った五郎は、スキャンダル写真を撮りたがっていた夏彦に、その情報をうっかりもらしてしまうのだった。
これにより、芸能記者に追いかけられるようになったゆかりは、逃げ場所もなく困り果てていた。そんなゆかりに対して罪悪感を感じた五郎は、自分の家へと彼女をかくまうことにする。
そして不器用で危なっかしいゆかりが、自分の子供たちと無邪気に笑う姿を見ているうちに、次第にその魅力に惹かれていくのだった。
登場人物・キャラクター
吉住 五郎 (よしずみ ごろう)
料理カメラマンをしている男性。もうじき30歳になる。雑誌などに載せる食材や料理の写真を撮るのが主な仕事ながら、有名人のスキャンダル写真を撮って雑誌に売りつける副業で稼いでいる。2年前に妻に先立たれ、姉、吉住三波に手助けしてもらいながら、残された2人の小さな子供、吉住一方と吉住二葉の面倒を見ている。面倒見の良い性格で、どうにも危なっかしい真柴ゆかりを放っておくことができずにいる。
真柴 ゆかり (ましば ゆかり)
若いアイドルの女性。スタイルが良く透明感のある美人で、演技力にも定評があり、名の通った監督が映画の主演として使いたがっている。一方で泣き虫で頼りなく、さらに並外れて手先が不器用で、料理はまるでできない。「真柴ゆかり」は芸名で、本名は「至都」という。田西源悟郎と付き合っている。
吉住 一方 (よしずみ かずのり)
吉住五郎の息子で、吉住二葉の兄。妹とともに幼稚園に通っているが、苦労をしているからかしっかり者で、言葉が達者。父親のことを「ゴロー」と呼び捨てにしている。1週間一緒に過ごした真柴ゆかりのことをとても気に入っている。五郎に裏切られて家を出た彼女を二葉とともに追いかけ、自転車と衝突してしまう。
吉住 二葉 (よしずみ ふたば)
吉住五郎の娘で、吉住一方の妹。泣き虫で甘えん坊なので、五郎にかまって欲しがってまとわりつく、可愛らしいところがある。兄と同じく父親のことを「ゴロー」と呼び捨てにしている。1週間一緒に過ごした真柴ゆかりのことをとても気に入っている。五郎に裏切られて家を出た彼女を一方とともに追いかけ、自転車と衝突してしまう。
吉住 三波 (よしずみ みなみ)
吉住五郎の姉。バリバリのキャリアウーマン。幼くして母親を亡くした吉住一方と吉住二葉の世話をしている。仕事で海外に行くこともあり、そんな時はその役割を家政婦に任せていく。仕事も家事も両立させる精力的なタイプ。俳優の田西源悟郎のファン。
田西 源悟郎 (たにし げんごろう)
ベテランの男性俳優。真柴ゆかりと交際していた。しかし、ゆかりとは不和になりかけていたところで、2人のスキャンダルが発覚。己の保身ばかりを考えて腰が引けている。業界では女好きで有名で、女性をとっかえひっかえしているが、基本的に責任を取るつもりはない。
ゆかりのマネージャー
真柴ゆかりのマネージャーを務める女性。ショートカットの髪型で、眼鏡をかけている。ゆかりの苦手なことをフォローすることはもちろん、プライベートまで面倒を見ている。田西源悟郎とのスキャンダルが発覚した時には、ゆかりを守るために吉住五郎の家に1週間だけ居候させることを決断し、世間から守った。
夏彦 (なつひこ)
カメラマンをしている男性。吉住五郎にとっては先輩にあたる。無精ひげにくわえ煙草がトレードマークで、芸能人や政治家のスキャンダル写真を撮るのを生業としている。五郎からの情報をもとに、真柴ゆかりと田西源悟郎が交際しているというスクープをすっぱ抜いた。
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