概要・あらすじ
久里浜あんじはプーケットで川崎丈之丞と将来の夢を語り合い、いつか再会することを約束して別れた。それから数年、あんじは丈之丞が通う代官山中学校に転校。しかし、丈之丞はフランス留学中で、さらにあんじ自身は、親が有名な作家という理由によりいじめに遭ってしまう。そんな環境にもめげず、あんじはいじめを克服し、フランス留学から帰って来た丈之丞ともようやく再会する。
しかし、一方の丈之丞は亡くなった兄の代わりに、親の仕事を継ぐことを強要されており、自分の夢を捨てようとしていた。
登場人物・キャラクター
久里浜 あんじ (くりはま あんじ)
江の島から東京の代官山中学校の2年6組に転校して来た女子。昔、プーケットにいた頃に知り合った川崎丈之丞と再会の約束をし、彼のいる中学にやって来た。イラストレーションを専攻。若くして才能豊かで、雑誌にイラストエッセイを描いている。ポジティブな考え方の持ち主で、いじめられても黙っていない負けん気の強いところがある。
川崎 丈之丞 (かわさき じょうのすけ)
代官山中学校に通う男子。久里浜あんじとは昔からの友達。ファッション・デザイナーを専攻しており、フランス留学から戻って来たばかり。本当は小説家になりたいという夢を持っているが、亡くなった兄の代わりに、父親のファッションブランドを継ぐことを強要されており、自身の夢を捨てるつもりでいる。
逗子 花織 (ずし かおる)
代官山中学校2年6組の女子。久里浜あんじとはクラスメイト。演劇を専攻している。父親は有名な発明家の「逗子泰造」。いじめに遭ったせいでヤケになり、食べ過ぎて太ってしまったが、実は痩せると美少女。
品川 詩恵 (しながわ うたえ)
代官山中学校に通う女子。日本画を専攻している。母親は元アイドルで、「桃井あい」という芸名で超売れっ子だった。いつもびん底眼鏡をかけており、かつらを被っている。実は素顔は美少女であり、15歳になるまでは、本当の姿を隠しておかなければならない、という家訓に従っていた。
戸塚 サニオ (とつか さにお)
代官山中学校に通う男子。写真を専攻している。父親は有名な写真家で、「戸塚貴信」という名前で活躍している。幼い頃の事故によって声を失い、いじめられていた過去がある。その時にはマスクが手放せなかった。久里浜あんじに想いを寄せている。
イヅミ
代官山中学校2年6組の女子。久里浜あんじとはクラスメイト。あんじたちのことを、親の七光りで恵まれていると思い込み、取り巻きを扇動して陰湿ないじめを繰り返す。のちにあんじと間違えられて繭子に誘拐されるが、あんじによって助けられたため、いじめをやめる。
横須賀 森 (よこすか しん)
代官山中学校に通う男子。映像を専攻している。実家は相撲部屋なのだが、そのことを恥ずかしいと思っている。実家を継がずに済むように、決して太らないよう心がけている。イヅミの取り巻きの1人だったが、途中でいじめをやめ、逗子花織を主役にした映像を撮り始める。
西大井 太一 (にしおおい たいち)
久里浜あんじが江の島に住んでいた頃の友達の男性。スキンヘッドが特徴。江の島にある鮮魚店「西魚」の長男で、魚の扱いにかけては自信を持っている。一度だけ見た幻の美少女を逗子花織だと勘違いし、彼女を追いかけて代官山中学校に転校して来る。
藤巻 耳丸 (ふじまき みみまる)
久里浜あんじの父親。過去には直木賞を受賞したこともある作家。「文壇のキムタク」と噂されるほどのイケメン。女性ファンも多く、中には狂信的なファンまで存在する。ヒット作を次々と飛ばし、今は女優の小川玲央奈と付き合っている。
小川 玲央奈 (おがわ れおな)
女優をしている女性。藤巻耳丸と付き合っている。美人だが、上品に気取ってふるまっているのは外面だけ。久里浜あんじから疎ましがられても気にしない、ノリが良くちゃっかりした性格。それでも、あんじを温かく見守っている。
繭子 (まゆこ)
藤巻耳丸の熱狂的なファンの女性。藤巻の作品を狂信的に愛するあまり、小説に出てくる殺人をそのまま真似しようとして犯罪を起こした。しかし、憧れの藤巻にキスされて改心する。
場所
代官山中学校 (だいかんやまちゅうがっこう)
久里浜あんじ、川崎丈之丞らが通っている中学校。中学ながら芸術科がある。芸術科にはイラストレーション科、ファッション・デザイナー科、演劇科、日本画科、写真科、映像科などがあり、文化祭は多彩な出し物で毎年非常に盛り上がる。
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