トガリ

トガリ

地獄に落とされてから300年間もの間逃亡ばかり企てていた江戸時代の人斬り統兵衛が、地獄の首魁であるエマから108日以内に108の罪を狩るという命の元で現代の日本に蘇り、自由を得るために罪を集めるための木刀「咎狩」を振るい犯罪者たちを操る「咎」を狩っていくバトル漫画。連載終了から7年後の2009年には続編の『咎狩 白』が連載された。

正式名称
トガリ
ふりがな
とがり
作者
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

江戸を震撼させた人斬りとして処刑されて以来300年もの間地獄からの逃亡を計り続けていた極悪人の統兵衛。地獄の首魁であるエマから108日以内に108の罪を狩ることを命じられ、犯罪者たちの犯した罪が実体化した姿である「咎」を狩るための木刀「咎狩」を受け取ると、制限された自由と引き換えに現代の日本へ蘇る。持ち前の凶暴さで次々と咎を狩っていく統兵衛だったが、浅木いつきやその祖父らとの交流の中で自分の中の闇が徐々に晴れていき、悪を力の源にする咎狩を扱う力が弱くなっていくことに困惑する。

そんな中、「咎」の力を自在に操る集団「ex(イクス)」が「咎狩」を持つ統兵衛を狙い始める。

登場人物・キャラクター

統兵衛 (とうべえ)

数多の罪を犯した江戸時代の大罪人であり、物心がついたときには親はおらず、生きるために人を殺し続けた末に16歳の時に処刑された。それから300年もの間、地獄からの脱走を計るが一度も叶うことはなかったが、ある日地獄の首魁であるエマから制限付きの自由を与えられ、犯罪者たちの犯した罪が実体化した姿である「咎」を狩るための木刀「咎狩」を用いて108日以内に108の罪を狩ることを命じられる。 それを快諾し現代日本に蘇るも江戸時代とはあまりに異なる風景に困惑してしまうが、そんな中で出会った女子高生の浅木いつきやその祖父らとの交流の中で徐々に人間らしさを身に着けていく。現世に蘇った代償として人間を攻撃すればその傷は自分に跳ね返り、罪を犯そうとすれば300年前に処刑された際と同じく首が胴から離れて死んでしまう制約がある。

浅木 いつき (あさぎ いつき)

殉職してしまった刑事を父に持つ正義感の強い女子高生で、非常に気の強く勝気な性格。殺人犯に狙われ拉致されてしまった所で、ちょうど現代に蘇った統兵衛に遭遇し命を助けられる。その後は現代の事に疎い統兵衛に知識を授けたり服を買ってやったりと面倒を見るようになる。将来の夢はカウンセラーになること。

オセ

地獄で統兵衛に罰を執行していた鬼。首魁であるエマの命により現代に蘇った統兵衛の監視、サポートをする。非常に生真面目な性格のせいかほかの鬼たちには疎まれているが、エマにはその真面目さを買われている。現代では余計なトラブルを避けるために犬の姿を取っているが、必要に応じて人間の姿になることができるものの、尻尾をしまい忘れていることが多い。

沢崎 (さわざき)

中央署の警部補で、浅木いつきの父である殉職してしまった刑事、浅木桂一郎の部下だった。元々は東大主席のエリートであったが、桂一郎と共に巻き込まれた事件のせいで出世街道を外れることになる。生真面目で寡黙な性格だが、犯罪者に対して頭ごなしに否定しない思慮深さも持つ。桂一郎の形見であるライターを常に持ち歩いている。

浅木 (あさぎ)

浅木いつきの祖父であり、寺の住職。統兵衛がいつきの命を救ってくれた恩人だと知り、沢崎に反対されながらも身寄りのない統兵衛の保護者を買って出て親代わりとして自宅に住まわせる。何らかの修行を積んでおり、「喝」の一言で統兵衛を怯ませるほどの気迫を持つ。ホームレスの先生とは古い知り合い。

エマ

オセの上司である地獄の首魁で、地獄のある冥界においても強い権力を持つ。統兵衛に咎狩を渡した張本人であり、生き延びるための戦いを統兵衛に強いる。基本的に面倒くさがりで放任主義だが、時折現代に来ては統兵衛やオセにアドバイスを送る。まだ人間界と冥界が近く交流があったころに生まれた人間と冥界の者の間の子であることを隠している。

先生 (せんせい)

浅木いつきらの住む街にいる初老のホームレスだが、博識であることから周囲からは「先生」と呼ばれている。統兵衛が浅木の元を離れ野宿生活を送っている頃に出会い、食べ物の場所を教えるなど世話をした。10年前に起きたとある惨殺事件をきっかけに浮浪生活を送るようになる。浅木とは旧知の中で、今でもたまに交流がある。

瀬奈 (せな)

表向きは社交性もあり優秀な男子高校生だが、アミと共に「咎」の力で社会を破壊しようと企む危険な人物。10年前に咎の力に目覚めて以来、大量に持つ咎を犯罪者に分け与えている。その中でも特に力の強かったニコ、ウィッシュ、ガク、イチ、アリエルらと共に悪の軍団「ex(イクス)」を結成する。 統兵衛いわく「白い闇」。

アミ

瀬奈と行動を共にする浅黒い肌の男で、かつてはオセと同じように地獄で罪人を裁く仕事をしていた冥界の者。人間に近い性格を持ち、そのことから10年前に人間たちの動向を探るため人間界へと派遣される。しかし、その際に重大な違反を犯したことで冥界を追われることになり逃亡する。瀬奈と一緒にいるものの完全に協力しているわけではなく、統兵衛やオセと接触しアドバイスを送ることもある。

おがた ゆういち

正義の味方の存在を信じる幼児で、母親と共に犯罪者に命を狙われたところをたまたま咎を狩りに来た統兵衛に助けられる。その際の統兵衛の姿がゆういちの好きなヒーローに似ていたことから、統兵衛を正義の味方だと認識するようになる。その後、再び統兵衛に助けられることとなるが、そのことがきっかけで統兵衛の心に変化が訪れることになる。

ウィッシュ

瀬奈が仕掛けた連続爆破事件の際に、一番最初に統兵衛と対峙した咎使いの女性。「灰色の幻影(グレイゴースト)」と呼ぶ霧のような咎の力で統兵衛を苦しめる。幼いころから悲惨な家庭環境で育ち、母親に見捨てられたことがきっかけで力に目覚め「ex(イクス)」に加担する。普段から「WISH」という銘柄の煙草ばかり吸っていることからガクにニックネームを付けられた。

アリエル

かなり幼い風貌をしたおさげ髪に眼鏡の少女で、瀬奈が仕掛けた連続爆破事件の際にはパソコンや監視カメラを用いる咎の力で「ex(イクス)」のメンバーたちをサポートした。外の世界への強い恐怖心から咎の力を借りて内に引きこもっていたが、統兵衛に倒され自分の罪を自覚したことで正気に戻る。連続爆破事件後は沢崎により警察に保護された。

ガク

特徴的なアフロヘアーをした青年。手のひらから熱と炎を放つ咎の力で戦う。歪んだ仲間意識を持っており、仲間以外の人間を殺すことに躊躇がない。ウィッシュを殺したと思い込んでいるからか、統兵衛に対し強い憎悪の感情を向ける。統兵衛に倒されたことで誤解は解けるものの、力を失い動けなくなったところを仲間であったはずのニコに殺害される。

イチ

スキンヘッドにサングラスをかけた盲目の青年で、冷静沈着な性格。咎の力で視力を補っており、アリエルによるサポートの元で歪ませた空間の塊を打ち出す能力を使い統兵衛を追い詰めるが、結果として統兵衛が「咎狩」の力に目覚めるきっかけを作ってしまった。敗北後はガクと同じくニコの手によって始末される。

その他キーワード

咎狩 (とがり)

『トガリ』に登場する武器。一見単なる木刀のようにしか見えないが、罪が実体化し犯罪者を操る存在「咎」を破壊し、吸収することができる。地獄で裁かれている罪人は「咎狩」を用いて108の咎を狩ることで現世での罪を消すことができると言われている。使用者の悪の心を力の源にし、最終的には使用者ごと呑みこんでしまう。統兵衛の手に渡る前にも幾多の罪人が「咎狩」を振るったが、そのすべてが途中で命を落とすか、108の咎を集めきる前に咎狩の中へ呑みこまれてしまった。 呑まれた人間は「咎狩」の中で永遠に苦しみ続け、その怨念がさらに「咎狩」へ力を与える。

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