ドクターチルドレン～小児外科医～

桜ヶ丘医科大学病院の小児科に新たに着任する看護師の小山内葵は、着任の1週間前にゲームセンターで金髪にピアスという派手な女性と出会う。クレーンゲームで欲しかった景品が取れずにいると、その女性がみごとな腕前で景品を手に入れてプレゼントしてくれた。そして着任当日、葵は院内でその女性と再会する。彼女こそが小児外科医の櫻子だった。医師らしからぬ彼女の外見や言動に戸惑いを隠せない葵だったが、彼女が子供たちに真摯に向き合う姿を目の当たりにし、少しずつ印象を改めていく。そんな中、人気動画配信者の姉弟「シズ☆コタ」の弟、こうたが磁石を誤飲し、緊急搬送されてくる。手術が必要な危険な状態に陥るが、櫻子の迅速かつ的確な処置によって一命を取り留める。その鮮やかな手腕を見た葵は、櫻子が間違いなく優れた医師であることを確信するのだった。

桜ヶ丘医科大学病院には、櫻子をはじめとする、個性的でありながら一流の医師たちがそろっている。ウソを嫌い、昆虫を愛する飛鷹蓮司は、誰に対しても遠慮のない物言いをする。自信に満ち、仕事に情熱を注ぐ宇佐美一朗は、親友の飛鷹から「面倒くさい性格」と揶揄されている。彼らは櫻子と同様に、子供たちへの強い思いを抱き、それぞれの専門性を活かして難病の患者を救うために尽力している。また、看護師長の瀬川や努力家の新任看護師、葵、敏腕オペ看護師の長峰冬らも、医師たちの卓越した技術と強烈な個性に振り回されながら、チームの一員として真摯に彼らを支えている。

桜ヶ丘医科大学病院の小児科の子供たちは、病気と闘いながらも、つねに親身に寄り添ってくれる主治医の櫻子に絶大な信頼を寄せている。特に、長年この病院に通う小学6年生の佐伯暖は特別な存在。彼女は幼い頃に両親を亡くし、「胆道閉鎖症」という難病を抱えているが、その境遇を感じさせない明るく優しい性格と、小学生とは思えない整った容姿で、院内の職員からも愛されている。主治医の櫻子とは、医師と患者という関係を超え、年の離れた友人のような強い絆で結ばれている。また、子供たちを見守る親たちも同様で、我が子が苦しむ姿に無力感を抱くこともあるが、櫻子の言葉に励まされ、改めて子供との生活に向き合う勇気をもらっている。