タワーマンションで始まる大人のラブコメディ
慎史は実家で暮らす独身男性で、結婚への願望はあるものの、マッチングアプリではなかなかうまくいかずにいた。そんなある日、出張中の新幹線でとなりの席に座っていた高齢の男性が突然体調を崩し、慎史を含む六人が協力して救命にあたった。その男性は一命を取り留め、後日、彼が実は資産家であることが判明する。感謝の気持ちとして、その男性からタワーマンションに住まないかと提案された慎史は、自分を成長させるため、初めて実家を離れて一人暮らしを始める決意をする。しかし、そこで彼を待っていたのは、資産家の男性を助けた六人が集まるルームシェア生活だった。戸惑う慎史に対し、恋愛経験の少ない彼を気遣う瑛理子は、異性に慣れるためのトレーニングを提案する。まるで恋人同士のように振る舞う瑛理子に戸惑いながらも、慎史は彼女のミステリアスな魅力に惹(ひ)かれていく。同時に、バツイチや人間関係に悩むエリートなど、さまざまな事情を抱えた住人たちと共に暮らす中で、慎史は自分の理想の未来を手に入れるには受け身ではいけないと気づき、たくましく成長していく。
慎史と瑛理子の恋愛トレーニング
異性に慣れるためのトレーニングを慎史に提案したのは、女医の瑛理子だった。実は高齢の男性を助けた際、新幹線の揺れで偶然二人はキスを交わしており、慎史にとって彼女はすでに忘れがたい存在となっていた。容姿端麗で優秀な瑛理子だが、これまで誰かを好きになった経験はなく、他人の気持ちに鈍感な一面もあって、同僚からは仕事以外では頼りないと評されている。そんな彼女だが、慎史とのトレーニングを重ねるうちに自らの心の動きに気づき、彼の誠実さに初めての恋心を抱くようになる。しかし、自分の気持ちをどう伝えればよいのか分からず、突然キスを求めたり、本当の交際とは何かを真剣に悩みすぎてチャンスを逃したりと空回りばかり。ふだんはクールで感情をあまり表に出さない瑛理子だが、恋を通じて頬を赤らめたり、時には嫉妬したりと、これまで見せなかった一面を見せるようになる。
シェアハウスで育む成長と再生の物語
慎史と瑛理子が暮らすシェアハウスには、個性豊かな同居人たちが集まっている。総合商社に勤める外崎涼也は、自分にも他人にも厳しい性格で、悪意なく他人を批評する傾向があるため、周囲からモラルハラスメントの予備軍として距離を置かれ悩んでいる。当初は慎史にも、仕事ができなさそうだと厳しく接していたが、共同生活を通じて彼のよさを知り、これまでの自分の言動を見つめ直すようになる。一方、接客業のパートをしている深見あさひは、元夫の浮気が原因で離婚した過去を持つ。慎史に「結婚は好きという気持ちだけではうまくいかない」と教えつつも、慎史が瑛理子と真摯に向き合う姿を見て、自分ももう一度誰かを信じてみようと思い始める。物語が進むにつれて、瑛理子の元彼氏である朝井晴隆や、世間知らずのお嬢様で些細(ささい)なことで異性を嫌うようになった高根沢鈴も一時的に同居することになる。鈴を除く主要な登場人物は30代であり、社会人経験を積むほど、自分の欠点を周囲から親切に指摘される機会は減っていく。だからこそ、共同生活を通じて他者と深くかかわることで、それぞれが自分では気づかなかった欠点や心の奥に抱える問題と向き合い、少しずつ自分を変えていく。その成長が、停滞していた仕事や恋愛、人間関係を動かし、それぞれの人生をよりよい方向へと導いていく。
登場人物・キャラクター
悠木 慎史 (ゆうき しんじ)
一般企業に勤める男性。年齢は35歳で役職は係長。大学時代には交際経験はあるものの、それ以降は異性との縁がなく、結婚願望はあるものの、ずっと実家の子供部屋で暮らしていた。若手社員からは話しやすいと好意的に受け入れられているが、それは同年代の経験豊富な男性と比べて幼さが目立つためであり、慎史自身はあまりよいことだとは感じていない。タワーマンションでの共同生活を始めた当初は、自分をうまく表現できず、周囲に流されがち。しかし、瑛理子に好意を抱くようになってからは、積極的に行動できるように変わっていく。
伴 瑛理子 (ばん えりこ)
医師として働く女性。年齢は34歳。クールな美貌を持ちながらも、人を好きになる感情が理解できずにいる。流れで交際した晴隆には一定の好意を抱いていたものの、「この関係は恋愛ではない」と告げられ、別れを切り出されたことがトラウマとなっている。幼い頃から何事も人並み以上にこなしてきたため、挫折を経験したことがなく、人の気持ちに寄り添うのが苦手。また、自分のことをあまり話さず、どこかミステリアスな雰囲気を漂わせている。共同生活を通じて慎史に恋心を抱き、同居人たちにも少しずつ心を開いていく。
書誌情報
ドラマな恋は基本から 8巻 講談社〈モーニング KC〉
第1巻
(2024-07-23発行、978-4065360538)
第2巻
(2024-10-22発行、978-4065370339)
第3巻
(2025-01-22発行、978-4065379516)
第4巻
(2025-04-23発行、978-4065390351)
第5巻
(2025-07-23発行、978-4065398982)
第6巻
(2025-10-23発行、978-4065410462)
第7巻
(2026-01-22発行、978-4065421406)
第8巻
(2026-05-22発行、978-4065433393)








