あらすじ
第1巻
山本竜は、幼なじみの由嬉と平和な日々を過ごしていた。しかし、由嬉の周りに奇妙な出来事が起こるようになり、突如姿を現したシェヘラとの出会いによって、竜は自分が黒妖精ハンター・ドラゴンであった事を思い出す。そしてシェヘラの言葉で、由嬉の正体が黒妖精王ブラックバタフライである事、自分が今いる世界が由嬉の作り出した夢世界である事を知る。竜はシェヘラと協力しながら、由嬉がブラックバタフライとして目覚めるのを防ぐために、黒妖精たちと戦う事を決意するのだった。
第2巻
シェヘラによって再び由嬉の夢世界に呼び戻された山本竜は、シェヘラと再び手を組んでブラックバタフライの復活を防ぐため、黒妖精ハンター・ドラゴンとして戦いに身を投じる事となる。しかし、由嬉の夢世界とアリスの夢世界が混ざり合った事で、それぞれの夢世界には奇妙な出来事が繰り返されるようになり混乱が生じていた。そんな中、由嬉を狙ってタイガーの刺客ホークが現れる。そして竜はタイガーの真の目的、そしてシェヘラと自分に関する衝撃の真実を知る事となる。
登場人物・キャラクター
山本 竜 (やまもと りゅう)
幼なじみの由嬉と共に、平和な生活を送っていた男子高校生。その正体は黒妖精を狩る黒妖精ハンターとして作られた、「ドラゴン」と呼ばれる人造人間。シェヘラと出会って自分の正体を思い出したあとは、由嬉が作り出した夢の世界で、由嬉を目覚めさせようと狙う黒妖精たちと戦っていく。人造人間でありながら、人間らしい感情や感性を持ち、自分が黒妖精ハンターである事にも誇りを持っている。 現実世界には雪という妹がおり、溺愛している。また雪と顔が瓜二つの由嬉の事も、妹のように大切に思っている。
シェヘラ
山本竜のクラスメイトの少女。正体は「ブラックバタフライ」こと由嬉の姉である黒妖精。「黒妖精ジャッカル」の異名を持ち、一晩で村一つの生気を奪うなど、黒妖精の中でも特に強大な力を持っている。かつて竜と戦った因縁の相手でもあり、竜を由嬉の夢世界に引きずり込んだ張本人でもある。夢の中で彼に正体を明かしたあとは、由嬉を目覚めさせようと狙う黒妖精を追い払うために協力し合っている。 魔神の杖「ジン」を武器に戦う。
由嬉 (ゆき)
山本竜の幼なじみで、彼を慕う女子高校生。竜の妹である雪とは顔が瓜二つ。その正体は、かつて人類を滅ぼしかけた黒妖精王ブラックバタフライであり、シェヘラの妹でもある。かつて黒妖精が世界を支配していた頃は、闇の王として君臨していた。ちなみに現在は、ファミリーレストランでアルバイトをしている。
竜の母 (りゅうのはは)
由嬉の夢世界のみに存在する人物で、山本竜の母親。コスプレ好きで穏やかな性格をしている。現実世界の竜には母親は存在しないため、彼の本当の母親というわけではないが、母子の仲はいい。甘い物が大好きで、竜にはよくお菓子を振舞っている。
雪 (ゆき)
山本竜の現実世界での妹で、竜に溺愛されている。由嬉とは顔が瓜二つで性格も似ており、背中には蝶のような痣(アザ)がある。体が弱いため、定期的にプロフェッサーのもとで検査を受けている。シェヘラと出会った時に倒れて以降、昏睡状態になっていたが、由嬉の夢世界が破壊された際に目を覚ます。
プロフェッサー
雪の検査を担当している研究者。山本竜と雪と共に「黒妖精統合研究所」で暮らす同居人でもあり、二人の事は実の子供のように大切に思っている。
ハル
山本竜にあこがれる少年。黒妖精ハンターとして戦う竜とシェヘラをサポートしていたが、その正体はタイガーの手下であり、のちに竜を通して由嬉に近付き、その命を狙う。もと蛇の姿をした小型の低級黒妖精であり、タイガーに力を与えられた事で、人間に化ける力を手に入れた。
下僕 (げぼく)
シェヘラに付き従っている、名前のない小型の黒妖精。一人称は「ぼき」。黒妖精としての力は弱いが、「結構イケてる黒妖精」を自称している。
タイガー
シェヘラと因縁がある謎の多い邪神で、少年の姿をしている。何者かによって異世界に幽閉されているが、ハルをはじめとした黒妖精に力を与えて手下とし、「暇潰し」と称しながら現実世界や夢世界を弄んでいる。ブラックバタフライを目覚めさせるために由嬉を狙う。
アリス
山本竜が由嬉の夢世界で出会った少女。気が強い性格をしている。自分の夢世界が由嬉の夢世界と混ざり合って混乱している事に気づき、自分の夢世界を守るため、竜に協力を求める。
ホーク
タイガーの執事を務めている青年。人間の呪縛からタイガーに救われて以来、彼の忠実な執事として従っている。麻薬となる翼を人間にむしられてしまったが、代わりとなる黒妖精の羽根をタイガーに与えられている。
ドルフィン
英国の黒妖精ハンターの青年。遠距離射撃が得意なシューターで、大きな棺桶に大量の銃を入れて持ち歩いている。由嬉の夢世界に迷い込み、山本竜に協力するようになる。正義感は強いが少々荒っぽくおっちょこちょいな性格で、何かと空回りしがち。また、接近戦を苦手としている。
その他キーワード
黒妖精 (くろようせい)
人間の夢に入り込み、夢の中で人間に危害を加える事で生気を吸い取る妖精。種族保存の本能を持つため、基本的に同種族同士では殺し合わない。特殊なシールドで体を覆っており、黒妖精の命を奪う事ができるのは、このシールドを無効にできる黒妖精ハンターのみ。形状はさまざまで、動物と似たようなものからモンスター、妖怪のような姿をしたものも存在する。 ただし人型を取れるのは、強大な力を持ったごくわずかな黒妖精だけといわれている。
黒妖精ハンター (くろようせいはんたー)
人類の敵である黒妖精に対抗するために生み出された人造人間。人工的に人間と黒妖精のDNAを配合する事で生み出される。黒妖精のシールドを無効化できる自身の血を混ぜた、特殊な弾丸によって、黒妖精を退治する事ができる。
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