ニョーボとダンナの実在日記 よしえサン

ニョーボとダンナの実在日記 よしえサン

作者自身がモデルの漫画家Sとその妻よしえを中心とした家族の日常を描いたファミリーエッセイ作品。副題に「ニョーボとダンナの実在日記」とあるように、夫婦はお互いをニョーボダンナと呼ぶ。作者の別作品『気分は形而上』で時々描かれていた自身の家族ネタが人気を集め独立した。実際の出来事とほぼ同時進行で連載された。作中では結婚後の夫婦生活から長男誕生、そして三男が乳幼児のころまでが描かれた。続編はタイトルや掲載媒体を変え、複数存在する。

正式名称
ニョーボとダンナの実在日記 よしえサン
ふりがな
にょーぼとだんなのじつざいにっき よしえさん
作者
ジャンル
エッセイ
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概要・あらすじ

名古屋在住の漫画家のダンナは、ニョーボであるよしえの奇天烈な行動に振り回されっぱなし。おかげで漫画のネタには困ることがない。二人を中心とした生活を描き続けているうち、長男タクミくん、次男ツクルくん、三男アユムくんとどんどん家族は増え、ますますにぎやかになっていく。ダンナニョーボ両方の実家の家族や、ご近所さん、マンションの管理人さん、担当編集者など、身の回りには個性的な面々がいっぱい。

特殊なようで平凡であるような家族の日常は、今日も笑いが絶えない。

登場人物・キャラクター

よしえ

漫画家ダンナの妻。作者の妻がモデル。名古屋出身。うああ海上火災の計算課に勤めるOLだったが、次男のツクルくん出産を機に退職し、専業主婦となった。作中で長男タクミくんから三男アユムくんがまで三人の子どもを出産した。物忘れが激しかったり掃除が嫌いだったりとズボラでマイペース。 漫画のネタになるような変な行動をとるおっちょこちょいだが、おおらかで優しいお母さんである。この家族が出てくるエッセイ漫画は断続的に続編が描かれてきたが、2013年に、モデルとなった実際の妻は死去したことが作者から発表された。

S (えす)

よしえの夫。作者自身がモデル。福井県出身で現在は名古屋在住の漫画家。外見は漫画家らしく頭に巻いたハチマキにペンと羽根ぼうきをさしている。理屈っぽく強情な性格。吟醸酒に凝ると保管用の冷蔵庫を買い足すなど、凝り性。ものを捨てられなくて溜め込んでしまう。同じマンションの13階を住居、2階を仕事部屋として賃貸していたが、長男のタクミくん誕生後に、分譲マンションをローン購入した。 大の車好きで、作中でも何度も買い替えている。本作は主に描き手であるダンナの視点から描かれている。

(たくみ)

ニョーボとダンナの長男。名前には、自分で自分を造りあげていく人生の職人になってほしいという願いが込められている。顔など外見はニョーボ似だが、性格はダンナに似て頑固。車が大好き。次男のツクルくんが産まれた直後には嫉妬から赤ちゃん返りして両親の手を焼かせた。作中では小学校に入学したあたりまでが描かれた。

(つくる)

ニョーボとダンナの次男。長男タクミくんの3歳年下。名前には、自分の信念に基づいてゼロから自分の人生を創っていける人間になってほしいという願いが込められている。乳幼児のころは次男の本能なのかアピールが強く、兄のぶんの食事も食べてしまうなど、タクミくんを圧倒した。作中では保育園に通い始めたあたりまでが描かれた。

(あゆむ)

ニョーボとダンナの三男。次男ツクルくんの3歳年下。名前には、夢に向かって自信を持って歩むようにという願いが込められている。三人目の子どもこそは女の子がほしくて「夢」という名前を先に考えていたが、男の子が産まれたので、読み方を工夫して名付けた。作中では1歳を超えよちよち歩きができるあたりまでが描かれた。

だがね母 (だがねはは)

よしえの母親。買い物で値切ることを得意とする。基本的に専業主婦だが占い師の仕事もしている。生粋の名古屋人なので、会話は全て名古屋弁。「~だがね」を連発するので「だがね母」の異名を持つ。ただし自分でいつの間にか勝手に創作した名古屋弁を使うことも。こういったアバウトで豪快な性格はよしえに遺伝したようである。

パソコンおとと

よしえの弟。顔はよしえとそっくり。フリーター。大のパソコンマニアなので、作中では頭部がパソコンモニターとして描かれている。漫画家ダンナのアシスタントを務めるようになる。

Kさん (けーさん)

ニョーボが長男タクミくんを出産した病院で隣のベッドにいた女性。母乳が出なくて悩んでいたが、ニョーボの能天気さにふれてリラックスでき、母乳が出るようになった。真面目で几帳面な性格なので、育児について色々と考えすぎてしまい、マタニティブルーに。万事テキトーで楽天的なニョーボになぐさめてもらうため、たびたび育児相談に訪れる。

場所

ニョーボの実家 (にょーぼのじっか)

『よしえサン』に登場するよしえの実家。お父さんは角刈りで無口。いびきがうるさい。お母さんは顔も性格もよしえそっくり。子どもは長女のアキちゃん、次女のよしえ、弟のおととの3人。アキちゃんは既婚で2児の母。姉は二人とも結婚して実家を出たので、両親と同居しているのはおととだけ。一家みな野球は中日ドラゴンズのファンで、名古屋が日本中で一番だと疑わない、典型的な名古屋人。 よしえ一家と同じ名古屋にあるので、作中にもたびたび登場する。

ダンナの実家 (だんなのじっか)

『よしえサン』に登場するダンナの実家。祖父は当時資産家だった実家の財産を使い尽くした放蕩家だったらしい。その血を継いだのか、ダンナのお父さんもギャンブル好きで豪快な性格。正月に子どもと賭けを行ないお年玉を巻き上げる非情のバクチ親父。元新聞社の支社長。お母さんは常識人。ダンナは長男で、下に既婚者の弟がいる。 ダンナ一家が住む名古屋からは離れた福井県にあるので、作中にはたまにしか登場しない。

その他キーワード

担当編集者 (たんとうへんしゅうしゃ)

『よしえサン』の登場人物たち。漫画家であるダンナの担当。連載が進むにつれて替わり、いかにも業界人っぽい軽薄な男性H川さん、仕事熱心だが漫画に登場したがる出たがりの男性落Iさん、若き女性編集者S藤さんなど、個性的な面々が登場した。

フィアット・タツナ~ミ

『よしえサン』に登場する車の愛称。ニョーボ用の軽自動車。正式名称はイタリア車のフィアット・ウーノだが、ニョーボが中日ドラゴンズの宇野勝選手より立浪和義選手のファンだったため、このような愛称がつけられた。イタリア車らしく車体に隙間があいていたりハンドルが曲がっていたりと、アバウトなつくり。 それでも愛用していたが、後にほとんど乗らなくなり、知人に譲った。

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