ババンババンバンバンパイア

ババンババンバンバンパイア

老舗銭湯に住み込みで働いている吸血鬼の森蘭丸が、最も美味(おい)しい18歳童貞の血をいただくため、銭湯の一人息子、立野李仁の成長を見守りつつ、彼の恋愛を阻止するために奮闘する姿を描いたドタバタBL。「別冊少年チャンピオン」で2021年11月号から掲載の作品。

正式名称
ババンババンバンバンパイア
ふりがな
ばばんばばんばんばんぱいあ
作者
ジャンル
BL
レーベル
少年チャンピオン・コミックス(秋田書店)
巻数
既刊8巻
関連商品
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あらすじ

創業60年の老舗銭湯「こいの湯」で、10年間住み込みのアルバイトをしている吸血鬼、森蘭丸の真の目的は、「こいの湯」の一人息子にして4代目の少年、立野李仁の血液にあった。汚れなき18歳童貞の血こそ至上と考えている蘭丸は、李仁が18歳になるその日まで、色恋沙汰を含むあらゆるトラブルから李仁を守り抜く決意を固めながら日々を過ごしていた。しかし、蘭丸は李仁が高校に入学した初日に、好きな女の子ができたことを彼から聞かされてしまう。10年越しの計画がフイになることを恐れた蘭丸は、李仁の思い人である篠塚葵の家を訪問。場合によっては葵を抹殺する覚悟で、葵に対し李仁に恋をしているかどうかを問い質すが、当の葵は李仁を友達としてしか認識しておらず、それどころか蘭丸に好感を抱いてしまう。蘭丸は李仁と葵の仲が恋に発展しないように、注意深く二人を見守り続けるが、その過程で変質者から襲われる葵を助けたことで、完全に葵から恋心を抱かれ、さらに蘭丸の葵に対する殺意を恋心とカンちがいした李仁からは、恋のライバル宣言までされてしまう。その後、李仁にちょっかいを出した不良グループのリーダー格である喧嘩(けんか)自慢の男子高校生、フランケンをぶちのめした蘭丸は、勝手に舎弟となったフランケンに命令し、色恋沙汰やトラブルから李仁を守らせようとする。しかし、フランケンが葵の実兄であることが判明し、李仁を取り巻く状況はより複雑になってしまう。そんなある日、蘭丸は10年前に自分を瀕死(ひんし)の状態まで追い込んだバンパイアハンターの坂本梅太郎に偶然再会する。教師となっていた坂本は、李仁や葵から情報を集めて「こいの湯」を訪れ、そこで蘭丸と死闘を繰り広げるのだった。

登場人物・キャラクター

森 蘭丸 (もり らんまる)

闇に生きる吸血鬼の男性。年齢は約450歳。耳がとがっており、見た目の年齢は25歳くらい。色白の美青年で、黒い長髪を七三分けにしている。自尊心が非常に高く、自らが定めたルールを遵守する、ある意味で生真面目な性格をしている。何かと思い込みが激しく、よかれと思って先手を打った結果、自分の意図とは真逆の方向に事態が進んでしまうことが多い苦労人でもある。老舗銭湯「こいの湯」で、10年間住み込みのアルバイトをしている。男性の血が好みで、とりわけ18歳童貞の血を至上のものと考えている。10年前から「こいの湯」の一人息子である少年、立野李仁の血に狙いを定めており、3年後に18歳になる李仁の血を吸うことを目標に、日々を過ごしている。李仁の純粋な振る舞いを見ると、強い性的興奮を覚えてしまうため、そのたびに吸血の衝動を必死に抑えていた。日光に非常に弱いことから日中はずっと寝ており、陽が落ちてから活動を始める。人間のことを食料としか思っておらず、つねに血に飢えている。しかし、人間と共存するようになってからは、重犯罪を犯した犯罪者の血しか吸わないように心がけている。李仁が高校入学後に篠塚葵に恋をしてしまい、18歳を前に李仁の童貞が失われる可能性が高まり、童貞と非童貞では血液の味にA5ランクの牛と消しゴムくらいの差が出てしまうことから危機感を抱く。葵を抹殺することも選択肢に入れ、葵に李仁をどう思っているかを問い質(ただ)すが、その際に逆に好意を持たれてしまう。その後は、万が一にも間違いが起こらないように李仁と葵の動向を見守るようになった。成り行きから舎弟となった不良のリーダー、フランケンに李仁を守るように命じるが、彼が葵の実兄であることが発覚するなど、やることなすことが裏目に出てしまっていた。もともとはふつうの人間だったが、戦国時代に南蛮渡来の船でやって来た吸血鬼に襲われ、吸血鬼となってしまう。変名を使って歴史上のさまざまな偉人に仕えていたが、最終的には全員の血を吸って殺している。森蘭丸自身の過去は李仁やその家族にも包み隠さず伝えているが、蘭丸流の歴史ジョークだと思われており、まったく本気にされていない。李仁の家族と過ごすことに、なんともいえない心地よさを感じている。立野春彦からは「ランちゃん」、篠塚葵からは「バンパイア様」、坂本梅太郎からは「モリラン」と呼ばれている。

立野 李仁 (たつの りひと)

高校生の男子。年齢は15歳。黒髪のおかっぱ頭で、まだあどけない顔立ちをした美少年。優しく純粋な性格で、疑うことをまったく知らない。老舗銭湯「こいの湯」の一人息子にして4代目。10年前に瀕死の状態で倒れていた森蘭丸を、自分の銭湯に連れて行った張本人。それ以降、住み込みのアルバイトとして「こいの湯」で働くことになった蘭丸のことを、実の兄のように慕っている。そのため、3年後に立野李仁の血を吸うという蘭丸の計画にはいっさい気づいておらず、蘭丸が語った自分が吸血鬼であるという話も単なる冗談だと思っている。擦れたところがなく、なんに対してもまっすぐな姿勢が、たびたび蘭丸の性的興奮を引き起こし、吸血衝動をとことんまで刺激している。高校入学後に出会った篠塚葵に恋をしてしまい、帰宅後にそのことを蘭丸に相談していた。それをきっかけに、李仁の童貞喪失に危機感を覚えた蘭丸による過剰な見守りが、さらにエスカレートしていくことになる。

篠塚 葵 (しのづか あおい)

高校生の女子。前髪をパッツンにしたショートヘアの美少女。優しく朗らかだが、全体的に言動が少しズレた、天然な性格をしている。高校入学後の初日に立野李仁と出会い、友人となった。出会った当初から李仁に思いを寄せられているが、篠塚葵本人は気づいておらず、李仁のことも友人としてしか見ていない。西洋のファンタジーや吸血鬼が大好きで、小さい頃から吸血鬼に関連する小説を読み漁(あさ)っている。李仁の童貞喪失の可能性に危機感を抱いた森蘭丸による直接の訪問を受けるが、謎の吸血鬼として姿を現した蘭丸に対し好意を抱く。李仁を通じて「こいの湯」でアルバイトをしている蘭丸のことを知り、謎の吸血鬼とうり二つの容姿をしている蘭丸にも好意を持つ。その後、暴漢に襲われ蘭丸に助けてもらった際に、蘭丸の正体が謎の吸血鬼であることを確信し、恋心を抱くようになる。その後は、李仁を通じて蘭丸の情報を得ていた。蘭丸のことを「バンパイア様」と呼んでいる。

フランケン

高校生の男子。金色の短髪で引き締まった筋肉質な体格の少年。考えるより先に手が出てしまう、単純かつ直情的な熱血漢。篠塚葵の兄で、本名は「篠塚健」。ピアスの代わりにプラスのネジを耳に付けている様子が人造人間を彷彿(ほうふつ)させるため、「フランケン」というあだ名で呼ばれている。不良グループのリーダー格で、喧嘩は非常に強い。暴走族200人を相手に立ち回りを演じるなど、手に負えない問題児として知られている。その反面、正義感が強く、筋の通らないことに対しては迎合しない。後輩を痛めつけた森蘭丸に対し、落とし前を付けるため喧嘩を挑んだが、圧倒的な力の差で敗れてしまう。敗北を素直に認めたあとに蘭丸を兄貴と慕い、無理やり彼の舎弟となる。拳を交わした蘭丸からは、一瞬で童貞であることを見抜かれていた。

坂本 梅太郎 (さかもと うめたろう)

教師の男性。眼鏡をかけた優し気な風貌をしている。生真面目ながら、芯が強い一本気な性格の持ち主。表向きは教師だが、裏では吸血鬼を狩るバンパイアハンターとして暗躍している。歴史上の偉人である坂本龍馬の子孫で、龍馬が森蘭丸に吸血されて殺害された事実を知っている。そのため、一族の宿敵である蘭丸を討ち果たすのを目的に生きている。蘭丸のことは「モリラン」と呼んでいた。吸血鬼を倒せる特別な銃を武器として使用している。10年目に蘭丸に致命傷を負わせ、あと一歩のところまで追い詰めるが、結局逃げられてしまう。10年後、偶然蘭丸と再会したことで、再び蘭丸の暗殺を画策。教師の立場を利用して立野李仁や篠塚健から詳細な情報を得て、蘭丸のスキをうかがっていた。実はかなりアブノーマルな性癖を持ち、過去に蘭丸が人間の血を吸う光景を目撃した際、恍惚(こうこつ)とした表情で死んでいった人間の姿が脳裏に焼き付いており、蘭丸に吸血されて死ぬことを強く望んでいる。

立野 春彦 (たつの はるひこ)

老舗銭湯「こいの湯」の経営者にして3代目の中年男性。年齢は45歳。立野李仁の父親でもある。豪快かつ面倒見のいい性格で、細かいことはまったく気にしない。10年前に李仁が連れてきた瀕死の森蘭丸を家に受け入れ、「こいの湯」で住み込みのアルバイトとして働かせていた。蘭丸のことを家族同然に扱い、かわいがっている。蘭丸の素性や過去については本人からすべて聞かされているが、単なる歴史ジョークだと思っており、立野家の鉄板の面白ネタとして楽しんでいる。

立野 長次郎 (たつの ちょうじろう)

老舗銭湯「こいの湯」の2代目で、白髪をした老齢の男性。年齢は80歳。すでに引退しており、銭湯の経営は息子の立野春彦にすべて任せている。森蘭丸の素性と過去を、すべて信じている唯一の人物。若干ボケているせいで蘭丸のことをすぐに忘れてしまうため、夕食のたびに蘭丸の素性を聞いて驚いている。

書誌情報

ババンババンバンバンパイア 8巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉

第1巻

(2022-03-08発行、 978-4253229739)

第2巻

(2022-07-07発行、 978-4253229746)

第3巻

(2022-11-08発行、 978-4253229753)

第4巻

(2023-03-08発行、 978-4253229760)

第5巻

(2023-07-06発行、 978-4253229777)

第6巻

(2023-12-07発行、 978-4253229784)

第7巻

(2024-03-07発行、 978-4253229791)

第8巻

(2024-10-16発行、 978-4253229807)

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