一攫千金を目指す若きオートレーサーたちの物語
本作は、競馬・競輪・競艇と並ぶ公営競技「オートレース」をテーマにしている。物語は、銭屋がオートレースの世界に飛び込み、プロ選手を目指して厳しい練習に励む「養成所編」から始まる。続いて、プロ選手となった銭屋が天野天成と師弟関係を結ぶ「プロ編序章【師匠と弟子】」、若手選手の登竜門として知られる大会「若獅子杯」に挑む「プロ編破章【若獅子杯争奪戦】」、そしてファンの人気投票で出場選手が決まる最高峰レースに挑む「プロ編急章【オールスターオートレース】」という4章構成で展開される。作中では、銭屋をはじめとするハングリー精神あふれる選手たちが、トップの座を懸けて手に汗握る駆け引きや激しいレースを繰り広げる。
「銭ゲバ」レーサー、銭屋の挑戦
金銭に強い執着を持つ銭屋は、アルバイト仲間の蒼井ふみ子から、彼女の親戚であるオートレーサー、多々良叶耶を紹介される。叶耶から儲け話を持ちかけられた銭屋は、それがギャンブルであると知って一度は断るが、直後に投資していた資産をすべて失ってしまう。失意の中、ある日銭屋は、自分と叶耶の財布をひったくった犯人をバイクで猛追して捕まえる。この様子を見た叶耶は「お金のために命を懸けられる銭屋こそ、オートレースに向いている」と太鼓判を押される。これをきっかけにオートレースに興味を持った銭屋は、やがてプロ選手になる決意を固め、筑波サーキット内に併設されたオートレース選手養成所に入所する。
銭屋としのぎを削るライバルたち
オートレースの養成所に入所した銭屋は、生真面目で仲間思いの黒川剛や、高校時代に全日本ロードレース選手権で優勝した「絶対王者」秋山鉄平、そして面倒見の良い元教師の折本大二といった個性豊かな候補生たちと共に、プロレーサーを目指して切磋琢磨(せっさたくま)していく。やがてプロデビューを果たした銭屋は、「最悪の世代」と呼ばれる嘉賀見哲也や赤井徹といった強敵たちと、若獅子杯で激しい勝負を繰り広げる。さらに、宿命のライバルである鬼土征一郎とは幾度も競い合い、互いに技術を高め合う中で、高度なテクニック「超高速ミドル走法」を生み出す。
登場人物・キャラクター
銭屋 一生 (ぜにや いっせい)
一攫千金を夢見る青年。年齢は22歳。金銭に対する執着が異常に強く、稼ぐためならいかなる努力も惜しまないため、周囲からは「銭ゲバ」と呼ばれることもある。一方で、かつて父親がギャンブルにのめり込み、家庭に多大な苦労をかけた経験から、ギャンブル自体を強く嫌悪している。また、「お金は誰にとっても大切なもの」という独自の信念を持ち、他人が落としたお金は必ず持ち主に返そうとする義理堅い一面もある。アルバイト先で知り合った叶耶の影響でオートレースの世界に飛び込み、師匠の天野のもとで厳しい修練を積む。その後、「若獅子杯」や「オールスターオートレース」などで優れた成績を収め、やがて天野と同じく「ビリオンレーサー」と呼ばれるまでに成長した。
多々良 叶耶 (たたら かや)
プロレーサーとして活躍する女性。座右の銘は「人生は博打(ばくち)」であり、命を懸けて大金を稼げるオートレースに強い生きがいを感じている。4年前にプロ入りを果たすと、瞬く間に「オートレース界次代の女王」と称され、ファンから大きな期待を寄せられた。デビュー戦ではみごとに1位を獲得したものの、レース終了直後に事故を起こし、瀕死(ひんし)の重傷を負ってしまう。一時は再起不能と危ぶまれたが、レースへの情熱を支えに過酷なリハビリを乗り越え、現役復帰を果たした。その後、親戚のふみ子を通じて銭屋と出会う。自分のオートバイを使って窃盗犯を捕らえた銭屋の姿を目の当たりにし、「彼こそオートレースにふさわしい人材だ」と確信し、熱心にオートレーサーになるよう誘った。
書誌情報
ビリオンレーサー 7巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉
第1巻
(2023-02-17発行、978-4088925974)
第2巻
(2023-05-19発行、978-4088926889)
第3巻
(2023-08-18発行、978-4088927909)
第4巻
(2023-12-19発行、978-4088930077)
第5巻
(2024-03-18発行、978-4088931661)
第6巻
(2024-05-17発行、978-4088932361)
第7巻
(2024-06-19発行、978-4088932620)








