フラ・フラダンス

福島県いわき市。高校3年生の夏凪日羽は、卒業後の進路に悩んでいた。日羽の実家は美容室を経営しており、友達は実家を継げばいいと言う。しかし、日羽は子供の頃のことを思い出していた。今は亡き姉は、「スパリゾートハワイアンズ」のフラガールだった。姉のマネをして踊っていた日羽も、幼心にプロダンサーになりたいと思っていたのだ。自分の部屋で「スパリゾートハワイアンズ」のホームページを見ながら悩む日羽。すると、どこからか「笑顔よ、笑顔」という声が聞こえてきた。声の主は、「CoCoネェさん」という「スパリゾートハワイアンズ」のマスコットキャラのぬいぐるみだった。「CoCoネェさん」はすっくと立ち上がり、フラダンスを踊りだす。あまりのことに呆然とする日羽。「CoCoネェさん」はひとしきり踊るとピタリと止まり、それ以来動かなくなった。翌年の春、日羽は「スパリゾートハワイアンズ」の入社式会場にいた。「CoCoネェさん」の踊りを目撃した日羽は、その後、勢いで願書を提出。面接と実技試験をクリアしてダンシングチームの一員「スパリゾートハワイアンズダンシングチーム」、通称フラガールになれたのだ。一応、公民館のフラダンス教室には通ったが、自分でも合格するとは思っていなかった。ダンシングチームとして採用されると、同時に付属の学院に入学、2年間さまざまな勉強やダンスを学ぶことになる。日羽は、同期の鎌倉環奈、滝川蘭子、オハナ・カアイフエ、白沢しおんと共に、厳しい指導を受け、一人前のフラガールを目指すのであった。