ブサメンガチファイター

本作では、異世界から帰還した人物がインターネット上に書き込んだ情報をきっかけに、多くの人々が半信半疑ながらも異世界転生を試みている。その方法は、深夜2時にパソコンを北向きに設置し、窓を開けた状態で両手を挙げてしばらく待機する。その後、ブルーウィンドウで再起動したパソコンの画面の指示に従い、ゲームのように能力値を割り振ってキャラクターを作成する。この手順を踏むことで、作成したキャラクターが住む異世界へと転生できる。さらに、異世界転生後も寿命の半分を消費すれば元の世界へ帰還することが可能で、転生や帰還を繰り返しても記憶が失われることはない。

ゲームキャラクターを作成する際、能力値の割り振りに加えて、「特記事項」欄にも記述することができる。この特記事項はキャラクターの個性を形成し、その内容によっては能力値ボーナスポイントが付与される。特にデメリットを伴う記述ほど、より多くのボーナスポイントを得ることができる。さらに、特記事項の内容に応じて強力なスキルを習得したり、特定の条件を満たすことで変身能力を得るなど、ボーナスポイント以外にもさまざまな恩恵がある。ただし、転生後に特記事項を変更することはできず、特記事項は本人の意思とは無関係に、条件を満たすと必ず発動する。そのため、内容によっては日常生活が困難になるほど、特記事項に翻弄される可能性もある。

各地を巡り、さまざまな人々と交流する中で、しげるたちは世界の裏で暗躍する謎の組織「オルドヌング・スピア」の存在を知る。表向きには、偏った能力値や特記事項により居場所を失った転生者や、お尋ね者となった転生者を保護し、世界の秩序を維持する活動を行っているが、その実態は数々の非道な行為を重ねる極悪な組織であった。このオルドヌング・スピアに対抗するため、しげるはパーティリーダーの誠司をトップに据え、居場所を失った転生者たちの受け皿となる会社を立ち上げ、徐々に組織を拡大していく。