ブレンド・S

ブレンド・S

喫茶店「スティーレ」で働いている店員達を中心に描写した4コマ漫画。ドSやツンデレといった各属性のキャラクターになりきって接客するという個性的な「スティーレ」でのドタバタ劇や、新たに従業員として働く事になった少女、桜ノ宮苺香と「スティーレ」の店長、ディーノの恋愛模様などをコメディタッチで描く。「まんがタイムきららキャラット」2013年10月号から連載の作品。

正式名称
ブレンド・S
ふりがな
ぶれんど えす
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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あらすじ

第1巻

海外留学の資金を貯めるためにアルバイトを探していた少女、桜ノ宮苺香は、アルバイトの面接に落ち続けていた。そんな中、苺香は道で出会った外国人のディーノにスカウトされて、彼の経営する喫茶店「スティーレ」で働き始める。だが、そこは特殊な属性のキャラクターになりきって接客する事を売りにしており、苺香は「ドSキャラ」を演じる事になってしまう。苺香は「ドSキャラ」で接客する事に当初は戸惑っていたものの、ドSキャラとしての接客に類まれなる才能を徐々に発揮していく。(第1話)

ある日、苺香がアルバイトに行くと、そこでは店長のディーノが子供に虐められていた。しかし、よく見るとそれは子供ではなく、苺香と同じく「スティーレ」で働く従業員の少女、星川麻冬だった。普段はクールな性格ながら、仕事の際はまったく違うかわいらしくも愛らしい「妹属性キャラ」になり切って接客する麻冬の姿は、苺香を大いに驚かせるのだった。(第2話)

苺香は、ドSキャラを演じる事になかなか慣れる事ができずにいた。そんな中、苺香はドSキャラを本格的に身につけるべく練習を開始。その練習の成果なのか、苺香はドSキャラでの接客が以前にも増して切れ味鋭くなり、客を罵っていく。(第3話)

喫茶店「スティーレ」で働く少女、日向夏帆は、趣味のゲームにお金を使い過ぎたせいで金欠に喘いでいた。アルバイトのシフトを増やそうか悩んでいる中、夏帆は店内で自分の好きなゲームをプレイしている客がいる事に気づく。仕事に集中しようとするが、気になって仕事が手につかず、さらに視線を送っていた事で、客に何かあったのかと尋ねられてしまう。そして、夏帆は「ツンデレキャラ」の属性を巧みに活かして対応してみせる。(第4話)

「スティーレ」の従業員のあいだで、オリジナルメニューのコンペティションが開かれる事となった。2チームに分かれて勝負し、勝ったチームには好きな物が賞品として与えられる事で、みんなは本気でオリジナルメニューの開発を始める。そんな中、麻冬とチームを組んだ苺香は、自身が新人である事もあって、意見を出す事に積極的にはなれないでいた。そんな姿勢を麻冬に窘(たしな)められた苺香は、新たにオリジナルメニューのアイディアを練る。(第5話)

ミーティングで、ディーノがこの喫茶店に足りないものはないかとみんなに尋ねると、秋月紅葉が、この店を訪れる女性客が少ない事を指摘する。紅葉は「百合」が好きであるために、そんな客層を求めていたのだ。すると夏帆は客にそれを求めなくても、自分が苺香といちゃつけばいいと言い出し、二人はスイーツの食べさせ合いを始める。(第6話)

ある日、いつもより早めに出勤した苺香は、床で眠っていたディーノを誤って踏んでしまう。彼は深夜アニメを見て寝不足であったために床で仮眠を取っていたのだ。そんなディーノの仮眠を邪魔した事に罪悪感を抱いた苺香は、その罪滅ぼしとしてディーノに膝枕をしてあげる事にする。(第7話)

苺香達は開店前に店の前でチラシ配りを始める。するとディーノはせっかくだから「ドSキャラ」でアピールしてはどうかと提案する。しかし、苺香はドSキャラでのチラシ配りをどうしたらいいものかと混乱してしまう。苺香はそれを取り繕おうとするが、それが彼女の意図に反してドSキャラっぽい振る舞いになっていく。(第8話)

ディーノはイチゴの発注を忘れていた事から、その買い出しにスーパーに向かう。すると麻冬が、ディーノ一人だと余計な物まで買ってしまうと、苺香にそのあとを追わせる。ディーノは苺香と二人きりで買い物できる事を嬉しく思い、スーパーでイチゴの買い物が終わると、この関係も終わる事に寂しさを覚える。しかしイチゴは売り切れで、ディーノは苺香を連れて嬉々として次のスーパーに向かう。(第9話)

紅葉が休憩室に入ると、そこでは夏帆がゲームに熱中していた。紅葉が声を掛けても夏帆は気づかず、それを見ていた紅葉は夏帆に倣って自分もゲームを始める。そんな中、ディーノがみんなが帰宅したと勘違いして、二人がいるにもかかわらず店の戸締りを済ませてしまう。ゲームに熱中していた二人が気づいた時には、二人は部屋に閉じ込められていた。(第10話)

ある日、苺香が風邪で休んでしまう。それを知った夏帆は、苺香のお見舞いに行こうと言い出す。その翌日、ディーノ、夏帆、麻冬の三人で苺香の自宅を訪れると、苺香の姉、桜ノ宮愛香と兄、桜ノ宮香一が三人を出迎える。愛香と香一は苺香に友人ができた事を喜びつつ、さらに男性のディーノが訪れた事で、ついつい質問攻めにしてしまう。(第11話)

学校のホームルームで遅れてしまった苺香が喫茶店「スティーレ」に出勤すると、みんなの髪型がポニーテールになっていた。今日は「ポニーテールDay」でポニーテールの髪型で接客するのだという。そんな中、苺香の髪を弄ろうとして夏帆が苺香の髪留めを取ると、苺香の髪がボサボサになってしまう。苺香の髪はやたらと細く、結っていないと静電気によって髪がボサボサになってしまうのだ。それを聞いたディーノはこれならば効果があるかも、と自分の使っている海外製のトリートメントを紹介する。(第12話)

苺香は「スティーレ」に見知らぬ紙袋が置いてある事に気づく。誰かの忘れ物かと思い、中を確かめると、そこにはR18の同人誌が入っていた。忘れた客のために、それを「スティーレ」で保管する事になった。しかし同人誌からか、持ち主はなかなか現れない。そんな中、夏帆はR18の同人誌がどんなものなのかと気になり、18歳以下であるにもかかわらず同人誌に手を伸ばす。(第13話)

第2巻

喫茶店「スティーレ」で実施した店内アンケートの結果、従業員の桜ノ宮苺香にもっとドSになってもらいたいという意見が多数寄せられる。そこで苺香は接客でもっとドSに振る舞えるように特訓を開始した。みんなもそれに協力した結果、苺香はどんどんドSな言動が板についていく。しかし、その特訓が行き過ぎたせいで、苺香は暴力的に振る舞うようになり、みんなはその様子を見てやり過ぎた事を反省する。(第1話)

ディーノは苺香との距離を縮めたいと考え、彼女をデートに誘う。しかし、それを従業員としての振る舞いを身につける特訓だと勘違いした苺香は、同僚の日向夏帆秋月紅葉も呼んでしまう。何も知らずにやって来た夏帆と紅葉は、落ち込むディーノのために、苺香との仲が少しでも進展するようにと、協力を申し出る。(第2話)

ある日、苺香が喫茶店「スティーレ」に出勤すると、そこには以前、同人誌を店に忘れていった女性、天野美雨がいた。美雨は大手の同人サークルを運営する同人作家で、そこで販売するマンガを描くためのネタを探すべく、この「スティーレ」で働く事にしたのだ。そんな中、美雨は苺香とディーノのやり取りを見て、それをネタにして漫画を描く事を決意する。(第3話)

美雨は苺香とディーノのやり取りを見て、二人が付き合っているものだと勘違いしてしまう。するとそれを聞いたディーノは苺香に彼氏がいるものだと思い込み、その真偽を苺香に尋ねる。そして、苺香は現在付き合っている異性がいない事をディーノに伝えると、ディーノは安堵するのだった。(第4話)

「スティーレ」で働いていた星川麻冬はある日の事、客に告白される。しかし、店では「妹キャラ」として振る舞っている麻冬は、相手が普段の自分を知らない事を理由にその告白を断る。しかし後日、麻冬はその客と店の外で再会する。店での自分と素の自分との違いに客が幻滅するかと思っていたが、彼は麻冬の新しい一面が見られて嬉しいと告げる。そんな彼はまた店に行っていいかと麻冬に尋ねると、彼女も待っていますと返すのだった。(第5話)

喫茶店「スティーレ」の親睦会で、みんなは川にバーベキューにやって来た。しかし、インドア派である夏帆、紅葉、美雨のテンションが異常に低い。しかし、みんなでバーベキューをしている内に、インドア派の三人も次第に盛り上がっていく。(第6話)

苺香はディーノといっしょに水着を買いに来ていたが、なかなか決められないでいた。そんな中、苺香は「スティーレ」の同僚や店員にも意見を聞き、赤の花柄で彩られたかわいい水着を買う事に決める。一方、ディーノはその水着を試着した苺香をかわいいと褒めるのだった。(第7話)

苺香は捨て犬を見つけ、喫茶店「スティーレ」に連れて来る。しかし、その犬を飼ってあげられない苺香は、せめて里親だけでも見つけようと「スティーレ」のみんなに犬を飼えないかと尋ねる。苺香にお願いされたディーノはそれを断る事ができずに、里親が見つかるまでという条件で、その犬を飼う事にする。その後、犬は「オーナー」と名付けられ、ディーノの家に厄介になるのだった。(第8話)

喫茶店「スティーレ」のみんなで海にやって来た。そんな中、苺香は海に入っている途中で溺れかけてしまい、さらには岸に上がったところで足首をケガしてしまう。そんな苺香を心配したディーノは彼女の世話を焼く。(第9話)

夏のあいだに外へと出掛ける事の多かった夏帆は、肌が小麦色に焼けていた。そんな彼女を見たディーノは、いい事を思いついたと100円ショップに向う。そして買ってきた物で、「スティーレ」をジャングルのように模様替えしたディーノは、期間限定で「ジャングル喫茶」を開くと宣言する。苺香達もそれに合わせて南国を感じさせる衣装に着替えるのだった。(第10話)

ディーノは早朝にオーナーと散歩へと出掛けるようになってから、夜更かしする生活ができなくなり、深夜アニメを見る事ができなくなっていた。それを聞いた苺香は彼に手作りのお菓子を差し入れるようになる。するとディーノは苺香のお菓子を毎日食べた事で太ってしまい、痩せるためにオーナーの散歩中は走る事を余儀なくされるのだった。(第11話)

麻冬はある日、ゲームセンターのゲームに熱中する夏帆を見掛ける。夏帆はテストで赤点を取ってしまった事から、そのストレス発散にゲームをしていたのだ。すると麻冬はゲームする時間があるなら勉強しろと叱り、夏帆の勉強を見る事にする。麻冬の指導は厳しく、それに泣き言を吐いていた夏帆だったが、ディーノから麻冬が夏帆のためにアルバイトのシフトを変更していた事を聞かされる。それを知った夏帆は麻冬の気遣いに感謝して、真剣に勉強に打ち込み始める。(第12話)

喫茶店「スティーレ」は大繁盛していた。あまりの忙しさに夏帆達は、接客中に演じるキャラクターに集中できなくなり、その事を店長のディーノに相談する。それを聞いたディーノは人手を増やすべく、新たに店員を募集し始めた。(第13話)

第3巻

桜ノ宮苺香がアルバイト先である喫茶店「スティーレ」に行くと、面接が行われていた。面接を受けていたのは、見た目にはかわいらしい少女、神崎ひでり。苺香はひでりが採用されるものだと思っていたが、店長のディーノはその採用にあまり乗り気ではなかった。しかし、みんなの意見を聞き入れ、ディーノはひでりを採用する事に決める。早速働き始めたひでりだったが、のちに彼女は少女ではなく、女装した少年である事が発覚する。(第1話)

雪が降り積もり、ディーノと秋月紅葉ら20代の店員達が寒さに耐える中、10代の店員達は積もった雪を前にしてはしゃいでいた。日向夏帆は「スティーレ」に作った雪だるまを持ってくるし、ひでりは雪玉を作ってそれを投げ始める。(第2話)

ひでりはディーノが苺香の事が好きであると知ると、それを面白がり始める。そしてなかなか仲が進展していない事を知るやいなや、仲が進展するようにディーノにアドバイスを送る。しかし、ディーノはひでりのアドバイスをうまく実行する事ができず、さらにはディーノの様子がおかしい事に気づいた苺香は、アルバイトをリストラされてしまうのではないかと気にし始める。(第3話)

ある日、紅葉がアルバイトに行くと、休憩室で夏帆が落ち込んでいた。何があったのかと尋ねると、夏帆はソーシャルゲームのデータを消してしまったのだと泣きながら説明する。しかし、紅葉にとってはそれが大事なものとは思えず、そんな事かとつい言ってしまう。あとで、その言葉を発した事を反省した紅葉は、夏帆を元気づけるためにパフェを作る事にする。(第4話)

天野美雨はデパートで同僚のひでりを見つけて、声を掛ける。そして、ひでりの新しい服をいっしょに探してあげる事にした。その後、ひでりは気に入った服を見つけるが、予算オーバーで買う事ができなかった。すると美雨は星川麻冬からかわいい服を譲り受けるのはどうかと提案する。その翌日、麻冬はかわいい服をたくさん持って来ると、美雨といっしょにひでりに色々な服を着せて遊び始める。(第5話)

ある日、ゲームのやりすぎで寝不足の夏帆が出勤すると、同僚の苺香達から目にクマができていると指摘されてしまう。そこで麻冬はメイクで夏帆のクマを隠してあげる事にする。クマが消えた夏帆はメイクに興味を持ち、もっとメイクをしてほしいと言い出す。そして麻冬は夏帆や、苺香にもメイクをしてあげる。(第6話)

ディーノは飼っている犬のオーナーといっしょに、苺香と公園へと出掛ける約束を交わす。それをデートだと勘違いしたディーノは意気込んで、スーツを身につける。しかし、苺香からラフな格好の方がいいと指摘されて、結局ほかの服に着替えて出掛ける。公園では苺香とオーナーがフリスビーをしていたが、その最中に苺香のスカートから下着が見えそうになる。(第7話)

ある日、夏帆は「スティーレ」にクラスメイトがやって来た事で、バックヤード裏に隠れてしまう。以前、夏帆はゲームの話をクラスメイトにした際に呆気に取られてしまった事がトラウマとなり、それ以来オタクである事を学校では隠していたのだ。さらに夏帆は客に対して名前で呼ばないでほしいとお願いして、その日一日は「ツインテ」と呼ばせる事になる。(第8話)

苺香がひでりをアクシデントにより押し倒してしまう。それを見たディーノは距離が近すぎると注意すると、ひでりは妬いているのかと彼を煽る。それに怒ったディーノはその気になれば苺香に「壁ドン」くらいできると意気込む。だが、ディーノの「壁ドン」に対し、苺香はそれになんの反応も示さなかった。(第9話)

麻冬が書店に行くと、以前告白された背の高い客に出会う。背の高い客は、麻冬の探している本を親切に見つけてくれた。それに感謝しつつ家路についた麻冬は、財布を失くしている事に気づく。すると後日、背の高い客が喫茶店「スティーレ」に落とした財布を届けに来てくれた。そのお礼として麻冬が「スティーレ」の会計を持つと言うと、背の高い客はそんなつもりではないと、その申し出を断る。しかし、それでは気が済まないと麻冬も譲らない。そこで背の高い客は、麻冬に一度だけデートしてほしいと申し出る。(第10話)

苺香の姉、桜ノ宮愛香が苺香の働いている姿を見るために喫茶店に来る事となった。苺香が元気よく働いている姿を見た事で満足した愛香だったが、その一方で苺香が男性客から人気を集める事で、ディーノが妬いてしまうのではないかと心配する。(第11話)

ディーノの発案により、「スティーレ」のみんなは1泊2日のスキー旅行に来ていた。そこで苺香のスノーボードの練習に付き合う事で、彼女との距離を縮めたディーノは、今日こそ苺香に告白すると意気込む。ディーノと苺香は二人でベンチに座り、いい雰囲気となる。それを好機と見たディーノは、ついに苺香に告白する。しかし、苺香はスノーボードの練習によって疲れており、いつの間にか眠ってしまっていた。結局、ディーノの思いが苺香に伝わる事はなかったが、苺香の中でディーノの存在は確実に大きなものとなっていた。(第12話、第13話)

第4巻

大晦日、桜ノ宮苺香秋月紅葉は冬のコミックマーケットにてサークル参加する同僚の天野美雨の手伝いをする事になった。当日はサークルの売り子として働く事になったが、美雨のサークルは苺香達の予想をはるかに上回るほど盛況で、目が回るほどの忙しさになる。その後、苺香達はディーノ達と合流していっしょに新年を迎える。(第1話)

苺香と日向夏帆は福袋を買うために、星川麻冬を手伝う事になった。麻冬が服の入った福袋を買ったあとは、夏帆がゲームの福袋を購入するのだ。そんな彼女達の様子に感化された苺香は、自分も福袋を購入してみたいと言い出す。しかし、どんな福袋を購入していいかわからず、麻冬や夏帆といっしょにひとまず商店街に行ってみる事にした。(第2話)

喫茶店「スティーレ」でポイントカードを導入する事になった。来店数に応じてお土産用のクッキーを配り、そのクッキーには従業員からのメッセージカードが封入される。すると夏帆のメッセージカードが封入されたクッキーがたくさん配られる。夏帆はオープニングスタッフで、その分だけファンが多いのだ。それを知った同じくオープニングスタッフの紅葉が思い出話を始める。(第3話)

花粉症により美雨と苺香のくしゃみと鼻水が止まらない。苺香は客に心配させないようにマスクをつけたり、くしゃみをしないようにするが、それがドSな振る舞いとして客に伝わってしまう。一方、美雨も客の前では口を閉じたままで、くしゃみをしたりするが、それもなぜかエッチな振る舞いとして客に伝わる。(第4話)

ある日、神崎ひでりはストーカーに悩まされている事をみんなに相談する。それを聞いた紅葉は気のせいではないかと言うが、ひでりはそうではないと否定する。すると苺香がしばらくいっしょに帰る事を提案する。そして、ひでりが苺香と帰宅している中、二人は怪しい人影を見つける。これによりストーカーが実在する事が判明し、ひでりはその影に怯える。そんな中、喫茶店「スティーレ」にそのストーカーがやって来る。しかし、その正体はひでりと同じく女装趣味の可愛らしい男の子であった。(第5話)

夏帆は妹にあこがれを抱いていた。そんな中、麻冬が夏帆の妹として振る舞ってくれると言う。それに喜ぶ夏帆だったが、姉としてどのような事をすればいいのかと考える。すると実際に姉のいる苺香が、姉は世話焼きであると言い出す。それを聞いた夏帆は麻冬の世話を焼き始める。それを体験した事で夏帆はますます妹がほしくなってしまう。(第6話)

ある日、寝違えて左方向しか向けなくなってしまった苺香は、それでも仕事はできるからと客の前に立つ。客に対して顔を背けたままで対応する苺香だったが、それが彼女の属性である「ドSキャラ」にふさわしいとして、高い評価を受ける事となる。(第7話)

ある日、苺香は道を歩いている知らない人の後姿を見て、それをディーノであると間違ってしまう。さらに後日、今度はディーノの後姿を見て、それをディーノであると確信できなかった。苺香はディーノと約1年間もいっしょにいるのに、後姿を判別できない事にショックを受け、ディーノをもっと知りたいと彼の姿を観察する事にした。さらに苺香は家でも彼の事を研究できるようにと、写真を撮らせてほしいとお願いする。それに喜んだディーノは気合を入れた恰好をし始める。(第8話)

あるきっかけで、ディーノ、夏帆、紅葉、麻冬のあいだにギスギスとした空気が流れてしまう。それを見た苺香がお互い謝って仲直りするべきだと助言する。すると夏帆と麻冬は、苺香には怒ったりする事はないのかと尋ねる。それを聞いた苺香は、できれば怒りたくはないが、それでも食べ物を粗末にしたり、他人に迷惑を掛けたり、危ない事をしたりする人などに対しては怒りを露わにすると答える。そんな中、ディーノが苺香の怒りそうな事をすべて満たしてしまい、彼女の逆鱗に触れてしまう。(第9話)

早朝、苺香は「スティーレ」に忘れ物をしたから、それを取りに行きたいとディーノに伝える。忘れたのは数学のノートで、それを探している最中、苺香とディーノは美雨が忘れていったノートを見つける。そこには彼女の描いている漫画のネタが書かれており、苺香とディーノは悪いと思いながらも内容の面白さに負け、中身を読んでしまう。しかし、書いてあった話は途中で終わっており、二人は続きが読みたくなってしまう。苺香はネタ帳の中身を読んでしまった事を謝りつつ、美雨に続きはないのかと尋ねる。すると美雨は今スランプ中だから続きが書けないのだと言う。そして、美雨はネタのために苺香とディーノにデートをしてほしいとお願いするのだった。(第10話)

苺香とディーノは美雨にお願いされてデートをする事になる。それを美雨は遠くから眺めながら、二人を観察する。苺香は少しでもデートらしくするべく勉強して来たとの事で、いっしょに手をつなぐなどの積極的な行動に出る。そんな苺香の大胆な行動にディーノが感動する中、ディーノはギャル二人に絡まれてしまう。(第11話、第12話)

ディーノは苺香にオススメのアニメを紹介した。すると苺香はそのアニメを録画して、次の日に観てみると告げる。しかし、苺香が録画したアニメの最新話では、かなり過激なお色気シーンが描かれていた。それを知ったディーノは、苺香が見る前に止めなければ、そのアニメを紹介した自分の立つ瀬がないと焦り始める。(第13話)

登場人物・キャラクター

桜ノ宮 苺香 (さくらのみや まいか)

喫茶店「スティーレ」で、ホール係として働いている少女。4月4日生まれで、年齢は16歳。黒髪のロングヘアを、シュシュを使って二つに束ねている。目つきが悪いせいで人をにらんでいると勘違いされる事が多く、コンプレックスを抱いている。性格は温厚で礼儀正しく、気遣い上手。怒る事は滅多にないが、食べ物を粗末にしたり、他人に迷惑を掛けたり、危ない事をする人などに対しては怒りを見せる。 一方で、姉や兄といったごく親しい家族などに対してはたびたび怒った顔を見せる事もある。実家が大きな日本家屋で、幼い頃から和服に親しみ、「和の物」に囲まれて育っている。その反動から海外に対して強いあこがれを抱いている。海外留学の資金を貯めるためにアルバイトを探していたところ、ディーノに声を掛けられて彼の経営する「スティーレ」で働く事になった。 「スティーレ」では「ドSキャラ」になりきって接客する事が義務づけられており、当初はその事に困惑していた。だが、目つきの悪さや、本人の意に反して他人に悪印象を与えてしまう悪癖などが功を奏し、「ドSキャラ」好きな客の人気を集めている。「スティーレ」で働いているうちに、だんだんと「ドSキャラ」の属性も板についてきた。

ディーノ

喫茶店「スティーレ」の経営者で、キッチン係として働いている男性。5月5日生まれで、年齢は26歳。金髪碧眼で、高身長に整った顔立ちをしており、街を歩いているだけで騒がれる事も少なくない。一方で、重度のアニメオタクである事から「スティーレ」の従業員達からは「残念イケメン」評されており、雑な扱いを受けている。また、深夜アニメを放映時間に観る事を責務のように感じており、結果的に日中の職務時間中に仮眠を取ったりしてよく仕事をサボっている。 その姿勢を、同じくキッチン係の秋月紅葉から頻繁に叱責されている。もともとイタリア出身で、イタリアにいた頃から日本のアニメ文化に対して強いあこがれを抱いていた。アニメキャラのような美少女に囲まれたカフェを作るという夢を抱いて来日し、「スティーレ」をオープンさせた。 「スティーレ」で働くホール係には、アニメキャラのような属性になりきって接客してもらう事を定めており、雇ったアルバイト達のそれぞれに合った属性を決めている。新たに雇った従業員の桜ノ宮苺香に片思いしており、彼女となかよくなりたいと願っているが、奥手な性格が災いしてうまくいっていない。

日向 夏帆 (ひなた かほ)

喫茶店「スティーレ」で、ホール係として働いている少女。8月12日生まれで、年齢は17歳。金髪をツインテールにしており、胸が非常に大きい。活発な性格ながら、インドア派で人見知りなところがある。ゲームが大好きで、筐体ゲーム、家庭用据え置き機、ソーシャルゲームなどあらゆるゲームに精通しており、そのテクニックも相当なもの。 ちなみにゲームプレイ時には言動が荒々しくなる事があり、FPSゲームなどの暴力的なゲームをしている際は特にその傾向が顕著に表れる。「スティーレ」のオープンニングスタッフも務めた古株で、その分ほかの従業員よりもファンの客が多い。「スティーレ」では「ツンデレキャラ」の属性になりきって働いている。働き始めの頃は困惑していたものの、素でツンデレっぽい言動をする同僚の秋月紅葉などを参考にして、徐々に「ツンデレキャラ」の属性を身につけていった。 なお、オタクである事や「スティーレ」で働いている事は、学校の友達には内緒にしている。

秋月 紅葉 (あきづき こうよう)

喫茶店「スティーレ」で、キッチン係として働いている青年。11月28日生まれで、年齢は21歳。緑色の短髪で、目つきの鋭い三白眼が特徴。言動は荒々しいが、根は優しい性格をしており、同僚の日向夏帆からは素の状態で「ツンデレ」っぽいと評されている。また、夏帆の水着姿を見た際には、恥ずかしさから顔を真っ赤にして動揺するなど、シャイな一面も持つ。 アニメやゲームが好きなオタクで、特に「百合」作品に対する造詣が深く、現実でも女の子同士がイチャイチャと仲睦まじい様子を見せた際には、嬉しそうにそれを眺めている。「スティーレ」ではオープニングスタッフも務めた古株で、調理師免許の取得を目指している。仕事にまじめで、キッチンにおける大部分の業務を取り仕切り、頻繁に仕事をサボるディーノの分まで働いている。

星川 麻冬 (ほしかわ まふゆ)

喫茶店「スティーレ」で、ホール係として働いている女性。12月23日生まれで、年齢は20歳。癖のある茶髪をショートカットにしており、小学生と見間違えるほど背が低い。クールな性格で、非常に現実的な価値観の持ち主。また、三人の弟がいるため世話上手で、同僚の日向夏帆に対しても勉強を見てあげるなどよく世話を焼いている。 普段はオタク的な言動をする事は少ないが、実は重度の子供向けアニメ好き。子供向けアニメの放映される日曜の朝などには、ほかの予定をいっさい入れずにテレビの前から動かないほど夢中になっている。そんな事情から長いあいだ彼氏を作らずにいたが、「スティーレ」にやって来た背の高い客と親密になり、まずは友達関係からではあるが、頻繁にやり取りする仲になっている。 「スティーレ」では「妹キャラ」の属性になりきって接客をしており、普段とはまったく異なる、いかにも幼い女の子のような様子で振る舞う。ちなみに「スティーレ」で働き始めたのは、ディーノにスカウトされ、半ば誘拐のような形で店まで連れて来られた事がきっかけ。

天野 美雨 (あまの みう)

喫茶店「スティーレ」で、ホール係として働いている女性。8月9日生まれで、年齢は22歳。赤い髪をセミロングにしている。普段は眼鏡をかけているが、勤務時には外している。端正な顔立ちをした美人だが、時おり変態的な言動をする残念なところがある。「花園フォルダ」というペンネームで大手の同人サークルを運営しており、18禁のハードな内容の同人誌を描いている。 最近は二次創作ではない、人間観察により着想を得たオリジナルの漫画を描いている。そのネタを考えるための刺激を得たいという動機で、「スティーレ」で働き始め、以降は桜ノ宮苺香とディーノのやり取りを元ネタとした漫画を描くようになった。「スティーレ」では「お姉さんキャラ」の属性になりきって接客をしているが、何かと言動がエッチなものになりやすい。 それが行き過ぎる事も多く、店長のディーノからよく注意を受けている。

神崎 ひでり (かんざき ひでり)

喫茶店「スティーレ」で、ホール係として働いている女装少年。7月10日生まれで、年齢は16歳。銀髪で、髪型はロングヘア。大きなリボンのカチューシャを付けている。正真正銘の男性だが、見た目には可愛らしい少女にしか見えず、神崎ひでり自身も自分が女の子であるかのように振る舞っている。明るく前向きな性格である一方、計算高い腹黒さを持ち合わせており、自分のファンの事を「萌え豚」と称している。 また、他人からちやほやされるのが好きで、そのためにあざとい言動などを研究して身につけるまでに至っている。実家が農家を営んでいるが虫嫌いで、農家を継ぎたくないという思いからかわいいアイドルを目指している。ただ、両親による理解を得る事はできておらず、まずは自分のファンを増やしてから両親を説得したいという動機で、「スティーレ」にて働く事を決意した。 ちなみに虫は嫌いだが苦手という訳ではなく、ゴキブリなども素手で捕まえる事ができる。「スティーレ」にて接客する際は「アイドルキャラ」になりきっており、自身がかわいくなるためならば、店長のディーノに相談する事なく制服を改造する事すら厭わない。

オーナー

桜ノ宮苺香に拾われ、一時ディーノの家に引き取られた野良犬。大型犬で、犬種はハスキーとされているが、純粋なハスキーであるかどうかは定かでない。目元が苺香と似ている。日課である散歩をディーノがサボろうとした際は、彼の大切にしているフィギュアを盾にして脅し、散歩を強要するなど、非常に賢い。当初は里親が見つかるまでという名目だったが、結局そのままディーノの家で飼われている。

桜ノ宮 愛香 (さくらのみや あいか)

桜ノ宮苺香の姉。黒髪のロングヘアで、温厚そうな雰囲気を漂わせる和服美人。風邪を引いた苺香のお見舞いにディーノがやって来てからというもの、ディーノと苺香の恋の行方を応援している。怒ると怖く、ディーノが苺香を泣かせたものだと勘違いした際は薙刀を携え、ディーノを恐怖させていた。

桜ノ宮 香一 (さくらのみや こういち)

桜ノ宮苺香の兄。黒髪の長髪で、普段から和服を着ている。ディーノを苺香の彼氏だと勘違いしており、二人の仲を応援している。本人にその気はないものの、相手を困らせる言動を自然にしてしまう事がある。

背の高い客 (せのたかいきゃく)

喫茶店「スティーレ」の常連客で、星川麻冬のファン。短髪で、背が高い。麻冬に告白するが、当初は相手にされず、トークアプリのIDを書いて渡した紙は、麻冬に紙飛行機にされ処分された。その後、麻冬と道ばたで再会し、接客用でない彼女の素の性格を知ってもなお、彼女への片思いを止めなかった。それからしばらくして、勤務先の本屋で麻冬と再会。 その時に真冬が財布を忘れ、それを「スティーレ」にまで届けた事がきっかけで、デートにこぎつける事に成功。そのデートで麻冬との仲を深め、晴れて連絡先を交換し、以降は麻冬と友達として付き合うようになった。

場所

スティーレ

ディーノが経営している喫茶店。アニメキャラのような美少女に囲まれたカフェを作りたい、というディーノの抱いていた夢が、そのまま店のコンセプトとして反映されている。この店で給仕している店員達は、それぞれアニメキャラのような「属性」に即した接客を行っている。バリエーションは「ツンデレ」「妹」「ドS」「お姉さん」「アイドル」など。 そのマニアックさで、徐々に人気を博している。

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