あらすじ
大学生の久住春彦は自転車で移動中、小説家の木島理生と追突事故を起こし、木島の腕を骨折させてしまう。木島はその月に締め切りの原稿を3本抱えており、利き腕の骨折が完治するまで久住に口述筆記による代筆を依頼する。金欠の久住は、慰謝料も治療費も払うことができないため、示談にしてくれるならとその条件に飛びつく。こうして木島の自宅へ通い、彼の読み上げる文章を原稿用紙に代筆することになった久住だったが、木島は「鬼島蓮二郎」というペンネームのポルノ作家であった。淫らな文章を読み上げる木島の声を聞くうちに、久住の下半身は完勃（だ）ち状態になってしまう。それに気づいた木島は、口で抜いてあげようかと、からかうようにささやくのだった。(第一話。ほか、7エピソード収録)
関連作品
ドラマ
2018年8月9日から、本作『ポルノグラファー』のTVドラマ版『ポルノグラファー』が、フジテレビ系列で放送された。全6話。演出・脚本は、三木康一郎が務めている。キャストは久住春彦を猪塚健太、木島理生を竹財輝之助が演じている。
ドラマCD
2016年12月28日、本作『ポルノグラファー』を原作とするドラマCD『ポルノグラファー ドラマCD』がダイスエンターテイメントから発売された。初回盤には限定封入特典として、キャストによるフリートークCDが付属されている。キャストは、久住春彦を古川慎、木島理生を新垣樽助が演じている。
登場人物・キャラクター
久住 春彦 (くずみ はるひこ)
純粋な性格の男子大学生。茶髪で、がっしりとした体型をしている。自転車で走行中、歩行者の木島理生と追突事故を起こし、木島の腕を骨折させてしまう。示談にしてくれることと引き換えに、小説家である木島の口述による代筆を請け負う。高校生の時に漢字検定1級を取得しており漢字には強いが、木島がポルノ作家であるとは知らなかったため、淫らな文章を読み上げる木島の声に動揺を隠せない。同性愛者ではないが、木島と淫らな行為をするエロい妄想が止まらなくなる。
木島 理生 (きじま りお)
「鬼島蓮二郎」というペンネームで活動しているポルノ作家の男性。年齢は30代。黒髪の冷ややかな目つきをしており、眼鏡をかけている。本名で純文学を数冊出版しているがまったく売れず、現在は鬼島蓮二郎名義で官能小説を多数執筆している。大学生の久住春彦が運転する自転車に追突されて腕を骨折し、完治するまでの1か月半のあいだ、久住に口述筆記による代筆を依頼した。自らが読み上げる淫らな文章に興奮した久住を見て、口で抜いてあげようかとからかうような態度を見せるが、本気なのか冗談なのかはその表情からは読み取れない。木島理生自身は同性愛者ではなく、友達の城戸士郎によると、学生時代の木島はさまざまな女性と関係していたスケコマシだったらしい。執筆している官能小説も同性愛ものではなく、女教師ものや義母もの、恥辱監禁ものなど読者のニーズに合わせて描き分けている。
城戸 士郎 (きど しろう)
株式会社桜桃社の出版事業部に勤める編集者の男性。顎に無精ひげを生やしており、目つきが悪い。木島理生とは学生時代からの腐れ縁で、金に困っていた木島に官能小説の執筆を紹介した。それ以来、木島の担当編集者となり、木島に翻弄されている。
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