マジカノ

マジカノ

どこにでもいる平凡な少年は、魔女の少女と出会ったことで、自分の中に隠された強大な魔力の存在を知る。やがてその力に目覚め、仲間とともに自らを狙う敵と戦う少年の姿を描いたマジカルラブコメディ。「マガジンZ」2003年6月号から2008年6月号にかけて連載された作品。

正式名称
マジカノ
ふりがな
まじかの
作者
ジャンル
ラブコメ
関連商品
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あらすじ

どこにでもいる平凡な中学3年生の吉川春生は、実は魔法が使える一族の生まれ。しかし、兄妹で唯一魔力を持たずに生まれたため、1人だけ魔法の存在を知らずに暮らしていた。そんなある日、春生は誰もが振り返るような美少女、魔宮あゆみと出会う。さらにあゆみは春生と同じ中学校に転校し、吉川家に住み込みのメイドとして働いてくれるのだという。突然の展開に驚く春生だったが、あゆみにはある事情があった。実は優秀な魔法族の家系である魔女のあゆみは、幼い頃に呪いをかけられており、それを解くためには春生の魔力が必要だったのである。しかし、魔法の存在を知らない春生には、あゆみは自分の正体を明かせない。そのためあゆみは、魔女であることを秘密にしたまま、春生に秘められているはずの魔力を目覚めさせようと奮闘するのだった。

メディアミックス

TVアニメ

2006年1月から3月にかけて、岸誠二監督によるTVアニメ版が放送された。シリーズ構成・脚本は三井秀樹、キャラクターデザイン・総作画監督は小林多加志が担当。吉川春生役を市来光弘、魔宮あゆみ役を野川さくらが演じた。

インターネットラジオ

2006年4月から9月にかけて「アニスタ.TV」にてインターネットラジオ番組『マジカノ放送局』が放送された。司会は魔宮あゆみ役の野川さくらと、杏樹リカ役の井ノ上奈々が務めた。

ファンディスク

2007年2月、Windows用『マジカノファンディスク じゃんけんぽんってマジですか?』が発売された。じゃんけんバトルで遊べるオーディオドラマ、システムボイス、オリジナル壁紙、キャストフリートークなどが収録されている。

登場人物・キャラクター

吉川 春生 (よしかわ はるお)

桜森学園中学校3年B組に所属する男子。吉川家の長男で吉川舞夏、吉川千秋、吉川冬乃の兄でもある。前髪を目の上で切り、緑がかった黒髪を耳の高さまで伸ばしたボブヘアにして、眼鏡をかけている。メリッサ・メイルシュトロームからは、将来的に結婚してほしいという意味から、「ムコ殿」と呼ばれている。中学では生徒会に所属しており、書記を務めている。 地味で目立たないが、家族思いで心優しく、勇敢な性格。魔法族の家系に生まれるが、兄妹の中で吉川春生のみ魔法の力がなく、家族からも魔法の存在を秘密にされている。そのため平凡な日々を送っていたが、魔宮あゆみが吉川家にメイドとして派遣されてきてからは、不思議なことに巻き込まれるようになる。 しかし、極端に鈍く天然気味なため、どんなに奇妙なことを体験しても、長らく魔法の存在に気付かず、仕掛けのあるマジックやアトラクションのようなものだと思っていた。だが「魔殺熱(まさつねつ)」と呼ばれる病気に感染したのをきっかけに魔力が目覚め、やがて自身に秘められた強い魔力の存在を知ることとなる。

魔宮 あゆみ (まみや あゆみ)

吉川家にメイドとしてやって来た魔女の少女。桜森学園中学校3年B組に転校し、家でも学校でも春生と生活することになる。魔法界では5本の指に入る名門で、母親に魔宮あすみ、妹に魔宮みちるがいる。しかし、人間の世界では大富豪魔宮家の一人娘と素性を偽っており、同じ魔法族である吉川舞夏らにも、「自分に兄弟はいない」とみちるの存在を隠していた。 ファンの男子生徒たちからは「あゆみたん」の愛称で呼ばれている。気が強く、目的のためには手段を選ばない、やや強引な性格だが、根は心優しく責任感が強い。幼い頃、自宅である魔宮の城で「未来見の鏡」の鏡を偶然覗いたため、魔力を奪われる呪いがかけられている。解呪には、鏡に映っていた相手と結ばれる必要があると知り、その相手である吉川春生のもとにやって来た。 春生には自分の正体を明かさないまま、自分にふさわしい立派な男性に育てようと考えている。しかし、その過程で春生の真面目で心優しい人柄に惹かれ、また春生に秘められた強い魔力に気づくことになる。

吉川 舞夏 (よしかわ まいか)

桜森学園中学校に通う2年生の女子。吉川春生の妹で、吉川千秋と吉川冬乃の姉。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、お尻まで伸ばしたストレートロングヘアをハーフアップにしてリボンでまとめ、肩の高さから2つに分けて結んでいる。冬乃からは「夏姉ちゃん」と呼ばれている。吉川家の家事全般を担当しており、特に料理が非常に得意。 一見おっとりとおしとやかな雰囲気だが、春生のことを溺愛しており、春生に近づく女性には容赦がない。

吉川 千秋 (よしかわ ちあき)

桜森学園中学校1年A組に所属する女子。吉川春生 と吉川舞夏の妹で、 吉川冬乃の姉。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、胸まで伸ばしたストレートロングヘアをリボンで結び、後ろで1つまとめている。冬乃からは「秋姉ちゃん」と呼ばれている。吉川家のレクリエーションを担当している。明るくのんびりとした性格で、食べることが大好き。 やや天然気味でずれた言動をすることがあるが、スポーツ全般が得意で、特に足が非常に速い。

吉川 冬乃 (よしかわ ふゆの)

桜森学園幼稚舎3年5組に所属する女子。吉川春生 や吉川舞夏、吉川千秋の妹。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、顎の高さまで伸ばした前下がりのボブヘアを、リボンカチューシャでまとめている。友人たちからのあだ名は「フユノン」。吉川家の財テクを担当している。吉川兄妹の中では1人だけ年が離れているが、クールで、吉川兄妹中最も落ち着いた性格。 反面、お金が稼げそうな話題には目がない。

黒須 ゆり (くろす ゆり)

桜森学園中学校に通う3年生の女子。生徒会長を務めている。黒須総一郎の娘。前髪を目の上で切りそろえ、暗い緑色のストレートロングヘアをお尻まで伸ばしている。凛とした雰囲気の、生真面目で古風な考え方の堅物。男性のような口調で話し、女子生徒たちから非常に人気がある。愛称は「ゆりさま」。また、腕っぷしが強く、校内最強なので、本人は知らないものの、密かに「総番長」とも呼ばれている。 吉川春生に想いを寄せているが、女性からアプローチするのははしたないと考え、秘密にしていた。実は魔法族で、戦闘魔法の扱いに長けた魔女でもある。本当は女性らしくなりたいと思っているが、ファッションセンスはいまいちで、とんちんかんな服装ばかりしている。

虹原 真鈴 (にじはら まりん)

桜森学園中学校に通う1年生の女子。魔を祓う「魔女狩り(ウィッチハンター)」の一族の末裔。前髪を目の上で切り、顎の高さまで伸ばした外はねボブヘアに、頭の両サイドにお団子を作った髪型をしている。真面目で、やや思い込みの激しい性格。魔女を倒す聖なる槍を所持しており、槍が反応した魔宮あゆみを倒さなくてはならないと考えている。 そのためあゆみを討伐すべく勝負を挑むが、その過程で吉川春生を、魔女を抑え込む特別な力を持つ聖者だと勘違いしてしまう。以来、あゆみを倒すのはやめ、春生を慕うようになる。実家の教会にはあまりお金がなく、校則で禁止されているが、隠れてファミリーレストラン「ドニーズ」でアルバイトしている。

杏樹 リカ (あんじゅ りか)

魔宮あゆみのサポート役として派遣されたメイドの女性。あゆみと変わらないほどの年齢の少女に見える。正体は人間ではなく魔動人形で、実年齢は500歳を超えている。前髪を目にかからないようにM字に切り、腰まで伸ばした銀髪ロングヘアを顔の両脇と、頭の後ろの3か所で編んでまとめ、ホワイトブリムを付けている。敬語で話す。クールで無表情で、淡々と任務をこなす真面目な性格。 主であるあゆみの父親から、吉川春生とあゆみの関係が進展するようにサポートしろ、と命じられている。様々な方法で2人を近づけようとするが、失敗に終わることが多い。200年前、魔宮の城の中にある「春の間」と呼ばれる場所で魔宮アンジュに発見され、起動された後にアンジュに仕えるようになった。 アンジュの死後も遺言により、代々魔宮家に仕えている。

メリッサ・メイルシュトローム (めりっさめいるしゅとろーむ)

魔法族の1つである「不死族(ネクロマンサー)」の10歳の少女。メイルシュトローム家の女性当主。額が見えるほど前髪を短く切り、腰まで伸ばしたストレートロングヘアのうち、顔の両脇の髪だけを首の高さで髪飾りでまとめている。八重歯があり、「~なのじゃ」といった古風な口調で話す。従者たちからは「お屋形様」と呼ばれており、また、メイルシュトローム家の女性当主の別名として「闇の女王」の異名を持つ。 大人っぽく振る舞っているが、純真で素直な性格。不妊の呪いをかけられて絶滅寸前の「不死族」を助けるため、解呪する唯一の方法である、強力な魔力を持つ魔法族の男性とセックスしたいと考えている。そのため吉川春生に目をつけて誘拐した。しかし性の知識はなく、春生の「好き合っている男女でなければ、セックスしても妊娠しない」という言葉を真に受けて春生を襲うことをやめる。 以後、吉川家の近所に引っ越し、春生にアプローチするようになる。

魔宮 あすみ (まみや あすみ)

魔宮あゆみと魔宮みちるの母親。第537代魔宮家当主婦人。本来は大人の女性なのだが、若返りの魔法で予定よりも若返りすぎてしまった結果、幼い少女の姿をしている。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、肩につかない長さのボブヘアを高い位置でツインテールにしている。いたずら好きで、面白いことが大好きな性格。ある日、あゆみの様子を見に吉川家を訪れ、吉川春生ら吉川家の面々と知り合った。 満月の日に月の力を借りたりと、なんらかの補助がある環境では、もとの姿に戻ることができる。

魔宮 みちる (まみや みちる)

魔宮あゆみの妹で、魔宮あすみの娘。ウィズロウ魔法魔術女学院に通っている。前髪を目の上で切り、太ももまで伸ばしたピンク色のロングヘアを耳の下で2つに結び、毛先の部分にリボンを付けている。頭頂部には2本のアホ毛が飛び出している。丁寧なお嬢様口調で話し、一見穏やかで礼儀正しいが、実際はサディスティックで意地悪な性格。 特にあゆみとは仲が悪く、当主相続権があゆみと魔宮みちるのどちらが得るかわからないという事情もあり、あゆみを敵視している。吉川春生とは、一人前の魔法使いになろうと決心をした彼が、あすみの紹介でウィズロウ魔法魔術女学院に訪れたのを機に知り合った。

エージェント07

魔法界の安寧のために設立された「魔法省 危機管理局」のエージェントの若い女性。前髪を目の上で切りそろえ、顎の高さまで伸ばした前下がりのボブヘアをしている。中性的な雰囲気で、男性のような口調で話す。特技は変装で、エージェントとして諜報や暗殺を行っている。ある日、突如吉川春生の前に現れ、春生の持つ魔力を、春生の存在ごと封印しようとする。 しかし、その場に居合わせた杏樹リカとの戦いに敗北。失敗を許さない「魔法省 危機管理局」の手により、記憶をすべて消去された後、エージェントの資格をはく奪されて追放された。しかし、そこをすんでのところで逃げ出し、再度春生について調べるため、桜森学園中学校に潜入。3年D組所属の「七実明」と名乗って春生に近づいた。 「七実明」を名乗っている際は変装しており、前髪を眉の高さで切った癖のあるショートカットヘアのかつらをかぶり、眼鏡をかけている。

アシュリー・バレンタイン (あしゅりーばれんたいん)

魔宮家と親交のあるバレンタイン家の少女。魔宮あゆみらにとっては親戚のような存在。前髪を目の上で切り、腰まで伸ばしたアイボリーホワイトのロングヘアをしている。丁寧なお嬢様口調で話す。本来は穏やかで心優しい性格だが、現在は完全魔法に操られており、魔法界のすべてを蹂躙するという目的のもとに暗躍している。

完全魔法 (かんぜんまほう)

かつて、魔法世界に関わる者なら誰もが知る伝説の6人の魔法使い・魔女「六賢者」によって作られた魔法。地球に存在するあらゆる物理法則を無視し、世界そのものを作り変えてしまう力を持っている。そのため「すべての願いがかなう、まさに真に完全な魔法」、つまり「完全魔法」と呼ばれている。魔法族の中では空想の産物と思われていたが実在の魔法である。 しかし、その強大すぎる力のために、編み出した魔法使いである六賢者の1人のハルが、術式を2つに分け、ハルが自分自身を封印するという方法で封印された。その後長らく「未来見の鏡」の中に封じられていた。ところが、完全魔法には自我があり、偶然鏡を見てしまった魔宮あゆみの身体に呪いとして宿り、その後、あゆみを通してアシュリー・バレンタインを操った。 そして魔法界の蹂躙を企み、ハルの子孫で強大な魔力を持つ吉川春生を狙う。のちに完全復活した際には、春生そっくりの少年の姿で現れる。

針生 ハジメ (はりう はじめ)

桜森学園中学校に通う3年生の男子。吉川春生と藤原宇宙の友人。前髪を上げて額を全開にしたスポーツ刈りヘアをしている。三白眼が特徴。超自然科学クラブの部長を務めている。いつも宇宙と組んで、校内に起きる不思議な現象について調べている。

藤原 宇宙 (ふじわら そら)

桜森学園中学校に通う3年生の男子。吉川春生と針生ハジメの友人。前髪を目の上で着たショートカットヘアをしている。小柄でかわいらしい中性的な容姿をしている。超自然科学クラブの副部長を務めている。いつもハジメと組んで、校内に起きる不思議な現象について調べている。

芥川 雅 (あくたがわ みやび)

桜森学園高等部に通う女子。前髪を目の上で切り、腰まで伸ばしたストレートロングヘアを首の付け根の高さで一つにまとめ、リボンで結んでいる。父親は代議士ということもあってプライドが高く、校内では親の七光りで女王様のように振舞う、意地悪な人物。桜森学園に転入早々、美少女転校生として有名人になった魔宮あゆみを快く思っていない。 そのため、取り巻きとともにあゆみに因縁をつけ、嫌がらせしようとするが、魔女の力を解放したあゆみに返り討ちにされる。

原田 リリカ (はらだ りりか)

桜森学園幼稚舎3年5組に所属する女子。吉川冬乃のクラスメイト。兄の原田タカノリのことが大好き。前髪を目の上で切り、お尻まで伸ばしたロングウェーブヘアをツーサイドアップにしている。左目尻にほくろがある。魔法族の1人で、実家は成金で知られている。プライドが高く意地悪な性格で、自分よりも優秀な冬乃をライバル視している。 しかし直接対決しても勝ち目がないため、自分たちではなく、兄同士を桜森市民マラソンで対決させることを思いつく。

原田 タカノリ (はらだ たかのり)

原田リリカの兄。前髪を上げて額を全開にし、髪をツンツンに立てて後ろに流した髪型をしている。リリカのことが大好きで、妹への愛、つまり「妹愛」において最強を自負している。そのためリリカに頼まれて桜森市民マラソンに参加し、吉川春生と対決することになる。

岡子岳 きよし (おかしだけ きよし)

高校生パティシエとして大人気の男子。前髪を右寄りの位置で斜めに分けた、前下がりのショートカットヘアをしている。パティシエとしての確かな腕前に加え、甘く端正なルックスで女性を中心に非常に人気があり、「王子様」のような扱いを受けている。しかし女性にだらしなく、交際した女性には過激な要求をするという、悪い噂がある。

ウンディーネ

温泉施設「桜森ジャングル温泉 アマゾン」に住む水の精。人魚の若い女性の姿で現れる。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、胸まで伸ばしたロングヘアを羽根の形の髪飾りでまとめている。頭頂部には2本の「アホ毛」が飛び出している。吉川春生らとは、ある日、春生らが「桜森ジャングル温泉 アマゾン」を訪れた際、魔宮あゆみに召喚されて知り合った。 あゆみから、春生との関係を邪魔し続ける虹原真鈴を懲らしめるように頼まれ、真鈴と戦うことになる。しかし、その過程で春生に秘められた魔力に気づき、春生に恋してしまう。

龍魚 (どらごんふぃっしゅ)

「時無(ときなし)の森」の湖に住む魔法生物。非常に大きく、その鱗は、危険な病気である「魔殺熱(まさつねつ)」の特効薬となる。そのため「魔殺熱」の治療のために訪れた人間に、自分と勝負して勝てば鱗を与える、という条件で鱗を渡している。人間に変身することができ、その際は大柄で筋肉質、額に鱗をつけた男性の姿になる。しかし、人間に変身しても正体は魚であるため、水を飲みながらでないと呼吸ができず、戦えないという弱点がある。

新藤 ジュンジー (しんどう じゅんじー)

魔法族の少年。リーゼントヘアに派手な柄のスーツを着ており、目は三白眼。3年連続で魔力チャンピオンの座に輝いた実力者。吉川春生らとは、関東魔法免許センターに、超高等魔法試験を受けに来たことで知り合った。その際、手違いで超高等魔法試験を受けることになってしまった春生と戦うことになる。ナルシストで自信家だが、慎重な一面もあり、試合中、春生のはったりだらけの言動に振り回される。

黒須 総一郎 (くろす そういちろう)

黒須ゆりの父親。剣道道場「魔剣黒鳳流(まけんこくほうりゅう)」の総長を務める中年の男性。前髪を上げて額を全開にし、癖のあるもじゃもじゃのショートカットヘアをしている。ゆりに道場を継いでほしいと考えており、早めに婿を取ってほしいと思っている。そのため、ゆりの意思を無視して、優秀な剣士たちの中で、「魔剣黒鳳流(まけんこくほうりゅう)」の奥義を体得できたものを許嫁にしようとする。 それに反発したゆりは吉川春生を入門させ、鍛え上げて許嫁の資格を得られるように奮闘する。結果的に黒須総一郎は、春生に同行していただけの魔宮あゆみの方を気に入ってしまい、ゆりとあゆみが女性同士であることも気にせず、ゆりの許嫁にしたいと言い出してしまう。

エージェント03

魔法界の安寧のために設立された「魔法省 危機管理局」のエージェントの若い男性。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、後ろの髪だけを肩につきそうなほど伸ばしている。長身細身で、極端に釣り目で三白眼。エージェント07とは仲間だが、エージェント07を快く思っていなかった。エージェント07がエージェントの資格をはく奪されて追放された後に、桜森学園中学校を襲撃。 吉川春生を襲うが、「七実明」として潜入していたエージェント07と春生によって倒され、異界に封印された。

魔宮 アンジュ (まみや あんじゅ)

魔宮家の200年ほど前の先祖で、当時の当主。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、腰まで伸ばしたゆるくウェーブがかったロングヘアをツーサイドアップにしている。杏樹リカにとっては初めて仕えた主人で、リカの「杏樹」という姓は魔宮アンジュの名からもらいうけたもの。魔宮みちるが発見した本の中にメッセージを残しており、メッセージを伝える際に、当時の少女の姿で登場する。 魔法の研究に非常に熱心で、リカの身体の組成式を解読して、改良型魔道人形の製造法を完成させた。メリッサ・メイルシュトロームの家にいる魔道人形もこの1つであり、メイルシュトローム家の魔道人形たちがリカにそっくりな容姿をしているのは、これが理由である。当時「未来見の鏡」について調査を行っていた。 しかし、核心に迫るまでには至らず、知っている知識を本にメッセージとして残した。

エージェント05

魔法界の安寧のために設立された「魔法省 危機管理局」のエージェントの若い男性。前髪を目の上で切り、癖のある前下がりのボブヘアをしている。もとはメリッサ・メイルシュトロームと同じ「不死族(ネクロマンサー)」だったが、今は「不死族」の名を捨て、エージェントとして活動している。エージェント07とエージェント03が任務に失敗して倒されたのを機に、2人の代わりに吉川春生を狙う。

本条 みらの (ほんじょう みらの)

桜森学園中学校の若い女性教師。吉川春生の所属する3年B組の担任を務める。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、髪は肩につくほどまで伸ばし、顔の両脇の髪は前に垂らして、後ろの髪は後ろに向かって外はねにしたボブヘアをしている。実は魔法族で、「地獄の魔法サークル(ヘルマジックサークル)」と呼ばれる特訓法を編み出したことで知られている。 「地獄の魔法サークル」は魔法界最高のつらい特訓として知られており、わずか1週間で魔力を数倍にはね上げる素晴らしい効果を持つが、「まともな魔法使い・魔女のすることではない」と恐れられている。

場所

桜森学園総合プール (さくらもりがくえんそうごうぷーる)

桜森学園の生徒たちが水泳の授業に使用しているプール。非常に大きく立派な施設で、夏休み期間中は一般開放もしている。しかし、プールの中には「呪いのプール」と呼ばれ、いじめに遭って自殺した少女の幽霊が出る、と噂されるプールがあるという。「呪いのプール」に入ると、少女の幽霊により水着を切り裂かれるという噂が立っているため、7月中は使用禁止になっている。

その他キーワード

魔法族 (まほうぞく)

魔法を使うことができる存在と、その家系。吉川春生の実家である吉川家、魔宮あゆみの実家である魔宮家などが該当する。魔法族は、魔宮家のように魔法界に住むものが多いが、吉川家や黒須ゆりの黒須家のように、正体を隠し、普通の人間に混じって人間界で暮らしている者もいる。また、魔法を使える男性は「魔法使い」、女性は「魔女」と称されるが、男女を同時に指す場合は「魔法使い」の総称で呼ばれることもある。

人格写しの秘薬 (じんかくうつしのひやく)

魔宮あゆみが所持する秘薬。飲ませた相手に、この世で最も欲望に満ちた者の心を植え付ける作用がある。そのため、飲まされた吉川春生は、視界に異常をきたし、女性は実際とは違う水着などの露出度の高い服装を着ているように見え、男性は健康器具に変えられた姿に見えるようになってしまう。その後、事態を察知した吉川舞夏ら妹たちの手により、「魔法キャンセルハンマー」を使ってもとの視界に戻った。

男メロメロ勝負パンツ (おとこめろめろしょうぶぱんつ)

魔宮あゆみが所持するパンツ。前面中心部に猫のイラストが描かれている。一見普通の女性もののショーツのように見えるが、実は猫のイラストに見える部分には妖精のケットシーが封印されている。ケットシーは自分と目が合った男性を着用者の虜にすることが可能。そのため、着用者は、メロメロにさせたい相手に、わざと「男メロメロ勝負パンツ」を履いている自分の姿を見せて魔法が成立する。 しかし、一度着用すると、呪いにより自力で脱ぐことができず、メロメロにさせたい相手に頼んで脱がせてもらわなくてはならなくなる。

未来見の鏡 (さきみのかがみ)

魔宮の城にある呪いの鏡。魔宮の城の奥深く、「魔境の間」と呼ばれる場所にある。とても大きく美しい鏡だが、鏡を見た人間の魔力を、完全になくなるまで吸い取る力を持つ。魔宮あゆみは、幼い頃この「未来見の鏡」を偶然発見し、覗いてしまったばかりに呪われてしまっている。呪いを解くためには、呪われた人間が鏡をのぞいた際、そこに写っていた人間と結ばれる必要がある。 あゆみの場合は吉川春生であったため、あゆみは春生の力を借りるため、春生に呪いのことは伏せたまま、吉川家を訪れることになった。「魔境の間」は常に移動しており、探しても基本的に見つけることはできない。入れるのは1000年に一度といわれている。

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