あらすじ
第1巻
DVDレンタルショップ「TATSUYA WAY」のクールな美人店員、月岡に思いを寄せる女性の若宮は、ある日ついに、よかったら一度いっしょにお茶をしないかと声を掛ける。そんな若宮に対し月岡は、落ち着き払った様子で「当日レンタル3万円、2泊で10万円、1週間なら35万円」と返す。困惑しながらもその言葉を本気で受け取った若宮に、月岡は冗談だと告げるが、後日、若宮は本当に10万円持って月岡のもとを訪れる。そんな若宮に対し、月岡は再び冗談めかして、返却されても面倒なので、いっそ自分のことをもらって欲しいと告げるのだった。こうして互いに対して強烈な印象を残した二人は、あくまで店員と客という立場を貫きながらも、少しずつその距離を縮めていく。(エピソード「レンタルショップでお姉さんをレンタルする話」。ほか、3エピソード収録)
登場人物・キャラクター
月岡
DVDレンタルショップ「TATSUYA WAY」で働く若い女性。金髪のロングヘアを後頭部でまとめてアップにした、クールな美人。常連客の女性、若宮から積極的なアプローチを受けるが、当初はレンタルショップにあやかって「当日レンタル3万円、2泊で10万円、1週間なら35万円」などと軽くいなしていた。若宮に対しては、基本的に慇懃無礼に振る舞い、冗談めかした言葉で本心を見せないが、その後も積極的なアピールを受け続けるうちに若宮のことを憎からず思い始め、彼女が店に現れないと寂しさを覚えるほどになる。そしてのちに、月岡のことをあきらめた様子を見せる若宮に対し、逆に積極的にアプローチするようになっていく。ちなみに仕事に対してはまじめで、能力も非常に高い。
若宮 (わかみや)
DVDレンタルショップ「TATSUYA WAY」の常連客で、黒髪ロングヘアの若い女性。TATSUYA WAYの女性店員、月岡に思いを寄せており、意を決してお茶に誘ったところ、「当日レンタル3万円、2泊で10万円、1週間なら35万円」と軽くかわされてしまう。その後、本当に10万円持って月岡のもとに現れたことから、彼女に自分の存在を明確に認知されるようになった。以降も熱心にアプローチするが、そのたびに月岡の冗談めかした言葉に翻弄され続ける。
井原 さえ子 (いはら さえこ)
DVDレンタルショップ「TATSUYA WAY」で働く女性。年齢は27歳。ロングヘアでおとなしく、仕事はあまりできない。10年以上彼氏がおらず、親には早く男を見つけて結婚するようにとせっつかれている。実は同じ職場で働く嶽守のことが気になっているが、10歳以上も年が離れていることや、女同士であることから、自分の気持ちを抑えていた。そんな中、嶽の方から言い寄られて大いに動揺。嶽のためにもふつうの恋愛をすべきだと断ろうとするが、彼女の勢いに押され、また自分の気持ちにも噓をつけずに葛藤することとなる。
嶽 守 (たけ まもる)
DVDレンタルショップ「TATSUYA WAY」で働く女子高校生。年齢は16歳。刈り上げショートヘアで前髪だけ極端に長く伸ばし、片目を隠している。クールでボーイッシュな少女で、井原さえ子からは、カッコいいと意識されていた。実は井原に思いを寄せるあまり彼女に対するスキンシップが過剰で、何かとドギマギさせることが多い。井原に積極的にアプローチをかけているが、同性であることや年齢差から、思いを受け入れてもらえずにいる。気持ちを抑えきれずに、職場にいながら井原にスキンシップを越えた行為を行おうとすることもあるが、一度その場面を倉本に目撃されて以来、彼女にマークされており、いい雰囲気になったところで見つかっては叱責を受けている。何かと体の関係に逸れがちだが、井原に対する思いは純粋にして一途なもので、クールでボーイッシュに装っているのは、男に近い存在であれば井原に受け入れてもらえるかもしれないという、嶽なりの考えによるもの。そのため、陰では男っぽくなるための努力を惜しまずにいる。
倉本
DVDレンタルショップ「TATSUYA WAY」で働く若い女性。月岡と仲がいい。何かと物陰で不埒な行為に走りがちな嶽守と井原さえ子の関係を注視しており、職場で変なことをしないようにと釘を刺している。最終的に、月岡と若宮、嶽と井原という2組の百合カップルに囲まれることとなり、職場内でイチャイチャする彼女たちを相手に気苦労が絶えない。実は周囲には明かしていないが百合気質で、もともとクールでボーイッシュな嶽のことを、カッコいいと意識していた。