人類を捕食する人花
本作は、人類を捕食する植物「人花」と、絶滅の危機に瀕(ひん)した人間たちとの生存をかけた戦いを描いている。人花は人間に寄生し、その養分を吸い尽くして体内から開花する謎の生命体である。植物でありながら人語を理解するほどの高い知性と、並外れた戦闘能力を兼ね備えているため、人類にとって最大の脅威となっている。出現から36年が経ち、はじまりの地である東京は今や無数の人花があふれ、人外魔境と化している。
人花に寄生された妹を守る少年
人花が初めて確認された東京は無法地帯と化し、複雑な事情を抱えた人々が流れ着く場所となっていた。少年、キンゴは、人花に寄生された妹のカヤノを守るため、あえて東京都心に身を潜めて暮らしていた。しかしある日、カヤノが人花駆除の専門組織「花葬隊」に襲撃され、キンゴも彼女を匿(かくま)った罪で命を落としてしまう。だが、カヤノは自らを犠牲にして人花となり、キンゴの体内に宿ることで彼の命をつなぎ止める。こうして辛くも一命を取り留めたキンゴは、自分の中にカヤノが生きていると信じ、彼女を救う術を探す決意を固める。本作は過酷な運命に翻弄されるキンゴとカヤノの「絆」と、切実な「家族への憧憬」をテーマにしている。
人類滅亡の危機に挑む特殊花葬隊
人花の被害は日本全国に広がり、国全体が徐々に滅亡の危機に直面していた。政府は自衛隊内に対人花部隊「花葬隊」を設立し、さらに最初の人花である「母人花」の東京侵攻を阻止するため、精鋭部隊「特殊花葬隊」を結成した。人花と化したキンゴは当初、特殊花葬隊から敵視されていたが、カヤノを救うという目的のもと和解し、第七特殊花葬隊に身を寄せることになる。特殊花葬隊には個性豊かなメンバーがそろっているが、彼らは例外なく人花に強い憎しみを抱いており、人花となったキンゴとは対立しつつも、その覚悟と使命感に心を動かされていく。そしてキンゴは、これまでカヤノと二人だけの世界に閉じこもっていたことを自覚し、仲間との絆を深めながら精神的に成長していくのだった。
登場人物・キャラクター
キンゴ
東京の危険な地域で、妹のカヤノと共に暮らす少年。鳶(とび)色の髪を短く整えている。天涯孤独の身でありながら、家族への強いあこがれを抱いている。同じ児童養護施設で育ったカヤノは血のつながりこそないものの、実の妹のように大切に思っている。幼い頃、人間の夫婦に擬態した人花に襲われた際、カヤノに助けられ、彼女もまた人花であることを知る。政府は人花を例外なく駆除する方針を取っているため、カヤノを守るためにあえて危険な東京都心で生活している。しかし、花葬隊に発覚し、カヤノを匿った罪で銃殺に処されて死にかけたところを、カヤノが自身の心臓に宿ることで復活する。その後、花葬隊に再び捕らえられ処刑されそうになるが、研究員の牧野に救われ、カヤノを元に戻す手がかりを得る。以降は牧野の導きで第七特殊花葬隊に入隊する。人花の力は主に右手に宿り、驚異的な身体能力と再生能力を発揮するが、完全には制御できていない。また、能力の使用には大量の水分を消費し、大技を使うと脱水症状に陥るほど体力を消耗する。命の危機に直面すると、カヤノの意思が表出して暴走し、制御が効かず非常に危険な状態となる。
カヤノ
キンゴの妹。薄緑色のボブカットで、深緑色の瞳を持つ。物静かでほとんど人と口をきかない。血のつながりはないものの幼い頃からキンゴと共に過ごし、彼を大切に思っている。実はカヤノは人花に寄生されており、不思議な力を秘めている。カヤノに寄生した人花は宿主を殺さず、人を傷つけようとする衝動もないため、人花の中でも非常に特異な存在。カヤノとキンゴは、ある夫婦に引き取られたが、その夫婦は実は人花が擬態した姿だった。キンゴが食われそうになった際、カヤノの人花の力で彼を救った。それ以来、キンゴはカヤノを守るため、危険な東京で人目を避けて暮らしていた。しかし、カヤノの正体が明らかになると、彼女を匿っていたキンゴも花葬隊に処刑されてしまう。その際、カヤノはキンゴの心臓に宿り、一心同体となって彼の命を救った。それ以降、カヤノは死んでいないもののキンゴの中で眠り続け、彼が命の危機に陥った時だけ、その意思の一端を現す。
書誌情報
ワイルドストロベリー 7巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2023-11-02発行、978-4088837666)
第2巻
(2024-02-02発行、978-4088838250)
第3巻
(2024-06-04発行、978-4088841106)
第4巻
(2024-10-04発行、978-4088842295)
第5巻
(2025-02-04発行、978-4088843711)
第6巻
(2025-06-04発行、978-4088845975)
第7巻
(2025-09-04発行、978-4088846712)







