概要
水無月村の村長の息子。江戸時代に武士の子供として育てられた。赤毛の長髪で、正義感が強くまっすぐな性格の少年。一人称は「わし」。水無月村は決して裕福な村ではなかったが、家族と村民のことをつねに考える一進の父と、優しく見守ってくれる母親のおいよとの三人で平和に暮らしていた。厳しいが家族思いな父親と信心深い母親を尊敬している。長く続く日照りで村が飢饉に陥ると、村の外れにある祠(ほこら)に祈りを捧げるようになるが、飢饉が改善されず別の神に祈った際に黒い神と出会う。黒い神が願いを歪(ゆが)んだ形で叶(かな)えたために両親を失い、選択を誤ったことを後悔し続け、墓前で座り込んだままで100年の時を生きた。時代が明治に変わる頃には、黒い神への強い憎しみから神をたたる「たたり神」に変化し、いつか黒い神に復讐(ふくしゅう)するために神を殺し続けることを誓う。別の神を追っていた織部絹千世に遭遇し、一度は命を狙われるもいくつかの出来事から彼女に信頼されるようになり、絹千世の提案で神狩りに入隊することを決意。一部を除く上層部や幹部からは認められていないものの、入隊後は黒羊の手助けを受けながら彼の直属の部下となり、新部隊「黒白隊」の一員となった。その後は同じ黒白隊の絹千世、稲葉秋水と行動することが多くなり、各地に赴いて神が起こした事件を解決している。入隊を機に髪を短く整えたが、洋服が苦手なため隊服は着用せず着物のままで行動している。武器として刀型の神器を使用する。雷の神との遭遇をきっかけに神としての人格に肉体を支配され、仮面を被(かぶ)り髪の毛が伸びた禍々しい姿に変貌する。この姿の時は神器をいくつも複製できるようになるなど、戦闘力は破格に上がるが敵味方問わず攻撃するようになり、止めに入った秋水すら襲ってしまう。体を支配した謎の人格においよの記憶を引き渡すことで体の支配権を取り戻し、雷の神に立ち向かった。当初は秋水とは気が合わずケンカばかりしていたが、雷の神と戦うために協力し合ってからは連携もできるようになった。黒い神はもちろん、時代の変化によって人を襲うようになった悪しき神たちを憎んでおり、神から人々を守るために自分のたたり神としての力を使おうと誓っている。強力な力を秘める一方でその力を人に向けることはできず、神にあやつられた者を含め人間が相手では本来の力を発揮できない。神狩り本部の信頼を得るため、黒羊の提案で自らの心臓は日ノ産姫に預けている。
登場作品
神のまにまに (かみのまにまに)
猗笠怜司の初連載作品。悪(あ)しき神への恨みから、たたり神となった少年、一進が、神狩りの一員となって神々に挑む姿を描いたダーク和風ファンタジー。集英社「少年ジャンプ+」で2021年7月から配信の作品。 関連ページ:神のまにまに
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