俺は星間国家の悪徳領主!

本作は、宇宙に進出した人類が数多くの星を支配し、星間国家を築いた未来を舞台にしている。人工知能の反乱によってさまざまな歴史が失われた結果、社会は再び封建主義へと回帰していた。主人公は、アルグランド帝国の若き伯爵、リアム。リアムは前世で搾取される側の日本人男性として非業の死を遂げ、その反省から今世では「悪徳領主」として生きることを決意する。しかし、生まれ持った善良さから、彼の行動はつねに意図とは裏腹に、人々から名君と称えられてしまう。本作は、悪徳領主を目指しながらも、その真逆の結果を招いてしまうリアムの姿をコミカルに描いたスペースオペラとなっている。

リアムは「悪徳領主」を自称しているが、彼の行動はつねに意図とは裏腹に、多くの人々を救ってしまう。宇宙海賊に囚われていた姫騎士、クリスティアナ・レタ・ローズブレイアはリアムに救われ、彼を神のように崇めている。また、2000年前の政争に巻き込まれて石化した女傑、マリー・セラ・マリアンや、最初はリアムを嫌っていたものの、彼に救われたことで溺愛するようになった貧乏公爵家の令嬢、ロゼッタ・セレ・クラウディアなど、個性豊かなヒロインたちが物語を彩る。一方、リアムは彼女たちよりもメイドロボを偏愛しており、幼少の頃から世話をしてきた天城をはじめ、魅力的なメイドロボたちが多数登場する。

転生したリアムは、他人を虐げるための力を求め、「一閃流」という剣術を修得する。しかし、リアムが師事した安士(やすし)という男は、実は詐欺師であり、一閃流も大道芸の域を出ない見せかけの技に過ぎなかった。それを知らずに、安士の言葉を真に受けたリアムは、一閃流を独自の解釈で極限まで高め、最強の剣術へと昇華させてしまう。この過程で、リアムは卓越した魔法技術も身につけ、高度な魔法操作を必要とする全手動式の機動騎士である、全長20メートルを超える巨大ロボット「アヴィド」を自在にあやつり、宇宙海賊や暗殺者といった敵を圧倒していく。本作では、リアムの剣術と巨大ロボットを駆使する、迫力満点のアクションシーンも見どころの一つとなっている。