優等生じゃいられない！〜真面目なマシロさんがヤンキー高校にいる理由〜

不良たちが集まる県立原牧高校。県内でも行き場がない、ヤンキーのたまり場である高校に、ひとりの真面目で純朴な女子高生がいた。彼女の名は馬白鹿音。一見して優等生といった風貌だが、成績は学年最下位。先生に留年の話までされるダメっぷりだった。ある日、幼なじみの才気天魔と一緒にいると、同じツバキ原中学出身の原田鉄夫が大慌てでやってくる。原田によれば、鬼形という3年生が、ツバキ原中学出身の1年生を片っ端からリンチしているという。その理由は、ツバキ原中学にいたという伝説の不良「百人斬りのアサシン」探し。鬼形は、かつてそのアサシンに恥をかかされたのだという。すでに、同中学出身者の生き残りは、天魔、原田、鹿音の三人だけだった。放課後、鬼形とその取り巻きに、原田が捕まったという話を聞きつけた天魔は、助けに向かう。天魔が駆けつけた時、すでに原田はボコボコにされていた。ツバキ原中学出身の1年生男子は、もはや天魔ひとり。鬼形は、アサシンを見つけたとばかり天魔に襲いかかる。しかし、天魔は拍子抜けするほど弱かった。勝ち誇る鬼形だったが、天魔の背後からものすごい殺気を感じてたじろぐ。殺気の正体は鹿音だった。鹿音はジャンプ一閃、鬼形の顔面にストレートを打ち込み、立ち上がってきたところをさらに、プロレス技でとどめを刺した。「百人斬りのアサシン」の正体は鹿音だったのだ。彼女は自分が「アサシン」と噂されていることに気づいておらず、今までも、ただ悪い人を少し眠らせてきただけだった。意識を取り戻した原田は、天魔が「アサシン」で、鬼形たち全員を倒したと勘違いする。こうして天魔は、伝説の不良として全校にその名を轟かせることになった。