六道の悪女たち

六道の悪女たち

不良だらけの亞森高校に入学し、いじめられていた六道桃助は、悪女にモテる陰陽術の巻物の力により、最強の不良、向日葵乱奈に惚れられてしまう。不良達の抗争に巻き込まれる六道が、数々の悪女と出会い、改心させていく姿を描いたラブコメディ。秋田書店「週刊少年チャンピオン」2016年30号から2021年19号まで連載。2023年4月テレビアニメ化。

正式名称
六道の悪女たち
ふりがな
ろくどうのおんなたち
作者
ジャンル
ラブコメ
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あらすじ

第1巻

不良だらけの亞森高校に入学した六道桃助は、今日も不良達に虐められる日々を送っていた。友人の火野本勝木嶋耕太と共に、不良達の悪口をトイレで言い合うのが、六道にできる精いっぱいのうっぷん晴らしだった。

ある日、六道のもとに亡くなったはずの祖父から小包が届く。小包の中に入っていたのは家宝の巻物で、そこには、かつて平安京の陰陽師が魔界の化け物を退治したという陰陽術が示されていた。それを手にした六道の額には、謎の紋章が浮かびあがる。火野本と木嶋と共に謎の紋章の効果を追求していた六道は、何故か悪女にモテるようになっていた。穏やかでまじめな学校生活を送る事が願いの六道にとって、悪女にモテる事など災難でしかなかった。

そんな中、最強の不良、向日葵乱奈が現れる。謎の紋章の作用で一途に六道を愛するようになった乱奈は、六道との約束を守り、恨みを買っていた不良達に暴行されてもやり返さず、されるがままになる。ボロボロになっても笑顔を向けてくる乱奈に勇気をもらった六道は、クラス一の不良、飯沼波瑠也に一人で立ち向かうが、こてんぱんにやられてしまう。しかし飯沼は最後まで逃げ出さずに、立ち向かってきた六道を友人と認める。そしてその日を境に、六道の脇を乱奈と飯沼が固めるようになり、六道は学校内で非常に目立つ存在となる。

やがて亞森高校の番長、幼田小百合に目をつけられた六道は、幼田から呼び出しを受ける。不良校のトップはどんな凶暴な男だろうかと震える六道だが、同行する飯沼が言うには、幼田は女子らしい。悪女との新たな縁に、六道は嫌な予感を覚える。

第2巻

六道桃助が対面した亞森高校の番長、幼田小百合は、とても小柄な少女だった。身体と同様に精神的にも幼い彼女は、恋愛感情を持たないため、六道の陰陽術にもいっさい反応しない。だが、何となく六道を気になる存在だと感じた幼田は、六道のそばにいる事を望むようになる。喧嘩が強くて喧嘩する事が好きなだけの幼田の純粋さを守りたいと考える六道は、幼田を更生させるため、学習発表会に備えてクラス一丸となり、植物観察をしようと提案する。六道に賛同した幼田、向日葵乱奈を中心に1年2組はまとまりを見せるようになる。

1か月間に及ぶ中庭の植物観察は順調に進むが、ある日、幼田の一番の配下、黒方が、幼田と共に町一番の不良グループ、鬼島連合へ所属しようと画策する。黒方は不良達をあやつり、花壇をめちゃくちゃに荒らさせる事で、激昂した幼田に自らの凶暴性を思い出させる事に成功する。自身が悪女である事を認識した幼田は、同時に六道への恋愛感情も自覚し、六道に告白する。

幼田は黒方と共に鬼島連合の集会場へと向かっていた。凶暴だが、純粋でまじめな幼田を悪の道から助け出したいと考える六道は、乱奈や飯沼波瑠也の手を借り、幼田を鬼島連合の集会場から奪還する事に成功する。その帰り道、幼田は六道には乱奈がいるからあきらめると笑顔で伝える。六道はその言葉に困惑しながらも、ストレートで一途な愛情表現をする乱奈に徐々に惹かれていく。

第3巻

飯沼波瑠也の提案で、バイクで遊びに行く事になった六道桃助は、さっそく原付免許を取得した。バイクといえば不良というイメージを持つ六道が、飯沼にもらった改造バイクに慣れようと、近所を試運転する。するとそこへ、自作の白バイに乗った姫野莇美が現れる。莇美は、以前不良に絡まれていたところを白バイ警官に助けられて以来、白バイ警官にあこがれていたのだ。同時にあこがれの白バイ警官が、暴走族により一生バイクに乗れない体にされた事から暴走族を恨んでおり、公道を走るバイクグループを潰してまわっていた。改造バイクにまたがる六道を不良グループの一味だと誤解した莇美は、六道を懲らしめようと近付くが、陰陽術の発動により、莇美は六道に恋してしまう。危険なバイクに乗らないでほしいと訴える莇美に、六道は困惑しながらも偶然、莇美が鬼島連合の幹部の一人である布留川葵率いるバイクグループに狙われている事を知る。復讐心から暴走族には容赦のない莇美だが、根は優しい少女である彼女を守るために、六道は飯沼と火野本勝木嶋耕太と共に鬼島連合の集会に乗り込む。

葵の提案で、六道を後ろに乗せて走る葵を追いかける事になった莇美は、凄まじい勢いで走る葵にピタリとついていく。その運転技術の高さに、葵はかつてスリルを求めて暴走する自分を諫めてくれた白バイ警官の男性がいた事を思い出す。葵は、バイクに乗る楽しさを共感してくれた彼に捕まれば、不良を卒業しようと考えていたが、自身が原因で、彼は二度とバイクに乗れない体になってしまう。並走する莇美の発言から、葵は自分の責任でケガをさせてしまった白バイ警官の面影を彼女に見て困惑する。一方、莇美は自身のあこがれの白バイ警官を潰した相手である葵をはっきり復讐相手と認識し、容赦なく追い詰めていく。

第4巻

夜の山道で、六道桃助を後ろに乗せた布留川葵姫野莇美のレースは続く。「葵を止めるまでは止まれない」と言う莇美に協力する事を決めた六道は、格の違いを見せつけるように急カーブでアクセルをふかす葵を決死の覚悟で止める。莇美の助けもあり、無事に葵の暴走を諫めた六道は、麓で待つ飯沼波瑠也達のもとへ戻る。

一方、莇美の覚悟に観念した葵は、鬼島連合の組織力を使い、調べていた白バイ警官の住所を莇美に教える。莇美に連れられ、白バイ警官に会いに行った葵は、彼にケガを負わせながら当時謝れなかった事を悔やんでいた、と泣きながら告白する。白バイ警官は、バイクには乗れないが日常生活には支障がないと言い、笑って葵を許すのだった。

六道は鬼島連合のNo.3である葵を潰した事で、亞森高校の裏番として増々名の売れる存在となる。鬼島連合に報復されるのではないかと危惧していた飯沼だが、その予感ははずれ、なんと鬼島連合の総長、松ケ宮童子を筆頭にNo.1からNo.5までの幹部六人が亞森高校に転校して来た。しかし童子は、六道に興味があるのではなく、実は2年前に鬼島連合を解散に追い込むほどの壊滅状態にした向日葵乱奈を鬼島連合にスカウトすべく、近づいて来たのだ。日々観察の末、何を話し掛けても不愛想で寡黙を貫き通す乱奈が、六道にだけは心を開く事を知った童子は、乱奈をスカウトするための鍵を六道が握っている事を確信する。

第5巻

亞森高校に鬼島連合の幹部達が続々と転校して来た事に刺激され、これまで微妙な対立関係にあった近隣の不良校、針蔵高校が動き出した。針蔵高校の不良に亞森高校の生徒達が次々に襲われる中、ついに木嶋耕太もその餌食になってしまう。病院に駆けつけた六道桃助達は、針蔵高校の陰湿な暴行を目の当たりにし、動揺する。そんな中、松ケ宮童子は鬼島連合の幹部達を引き連れて、針蔵高校の番長、岡森譲也に会いに行き、冷静な言葉攻めで岡森を屈服させる。無傷で亞森高校に戻って来た童子ら鬼島連合の幹部メンバーに、六道達は一目置かざるを得なかった。

学園祭の季節を迎え、亞森高校の1年2組では「桃太郎」の演劇をする事になった。六道は、買い出しに出掛けた先で女性だけの不良グループ、チーム竜宮に絡まれる。チーム竜宮の総長、乙姫恵梨香は、六道を追って来た向日葵乱奈に飛びつく。涙目になって今までどこにいたんだ、と乱奈を心配する乙姫をいぶかしむ六道に、乱奈は昔チーム竜宮にいた事を明かす。2年前、チーム竜宮は喧嘩に明け暮れる日々を送っていた。これによりチーム竜宮は鬼島連合に目をつけられるが、乱奈が単身で鬼島連合に乗り込み、壊滅状態に追い込んだのだった。この時以来の再会を喜んだ乙姫は、乱奈が六道に懐く様を微笑ましく見守り、学園祭に遊びに行くと言い残して去っていく。学園祭の準備に戻った六道と乱奈だが、乙姫と会っていた様子を写真に撮られ、その写真が童子の手に渡ってしまう。六道と乱奈がチーム竜宮と親交のある事を知った童子は、幹部メンバーを呼び寄せ、乱奈を鬼島連合に引き入れる計画を実行する事を宣言する。

第6巻

松ケ宮童子の策略により、特殊メイクでチーム竜宮のメンバーに扮した菫雷乃菫風乃は亞森高校の生徒達を次々と襲う。チーム竜宮をすっかり危険なチームだと思い込んだ亞森高校の生徒達は、学園祭にチーム竜宮がやって来るという情報を摑み、打倒チーム竜宮を掲げて一致団結する。乙姫恵梨香が改心させたはずのチーム竜宮が突然凶暴化した事に疑問を持つ六道桃助は、クラスメイト達を止めようとするが、童子の支配する学校内で孤立してしまう。落ち込む六道を前にして、向日葵乱奈は童子の口車に乗り、事の発端となったチーム竜宮を潰すために鬼島連合に所属する事を決めるのだった。六道は、飯沼波瑠也幼田小百合と共に、チーム竜宮を潰してしまったら、乱奈は二度と平和な高校生活を送る事はできなくなるだろうと考え、行動を起こす。

学園祭当日、チーム竜宮を校内に招き入れようとする童子の計画を阻止するために、六道は布留川葵から鬼島連合のバイクチームを引き継いだ姫野莇美の協力を得て、チーム竜宮のメンバーのほとんどを童子の魔の手から逃がす事に成功する。しかし、仲間を盾にされた乙姫は童子におとなしく降伏する。童子が、捕らえた乙姫を乱奈と引き合わせようとする。それを阻止するために、六道達は鬼島連合と亞森高校の生徒達と戦いながら、童子のいる屋上を目指す。

第7巻

姫野莇美の運転するバイクにしがみつき、校内に入り込む事に成功した六道桃助達の前に、鬼島連合一の筋肉を誇る般東若之助が立ちはだかる。六道の教えで平和的解決を望む幼田小百合は、いつもまじめに授業を受けていた般東を話し合いで納得させようとするが、松ケ宮童子の洗脳を受けた般東は幼田を攻撃する。腕力勝負に何とか勝利した幼田は、六道に出会う前、何も考えずに黒方の言いなりになって喧嘩に明け暮れていた頃を振り返り、たとえ失敗しても見守っているから自分の生きたいように生きろ、と般東に伝える。暴力性を諫め、自分らしく生きる事を優しく諭してくれた六道が、決して自身を見捨てる事がなかった事を思い出し、幼田は自分もそういう人間になろうと胸を熱くする。

一方、幼田に般東を任せて先を行く六道達の前に現れた朱井公平は、飯沼波瑠也を挑発する。過去、自分に力がなかったばかりに友人達を朱井の魔の手から救えなかった事を悔やんでいた飯沼は、朱井に立ち向かうが、カウンター攻撃を駆使する朱井に苦戦を強いられる。しかし頭脳戦で戦いを有利に進め、朱井の打たれ弱さをつき、辛くも勝利する。飯沼は厚い友情で結ばれた六道、火野本勝木嶋耕太の背を押し、屋上へと向かわせる。途中、菫三兄弟の長男、菫天乃に襲われる六道達だが、六道に惚れ、普通の高校生活を送りたいと願う菫雷乃が寝返り、天乃と雷乃の兄妹対決が始まる。

第8巻

向日葵乱奈乙姫恵梨香を潰させまいと屋上へ急ぐ六道桃助は、襲い来る菫天乃と戦う菫雷乃の強さに驚愕する。天乃や松ケ宮童子に接するうちに自我を確立させた雷乃は、天乃に教えられた喧嘩スタイルをすっかり自分のものにし、蹴りで天乃をくだす。いつも厳しい天乃が実は兄弟愛に飢えている事を知った雷乃は、また兄妹喧嘩をしよう、と天乃に笑いかけて屋上を目指す。

一方、雷乃より一足先に屋上へと向かっていた六道は、途中で椰子谷唯の攻撃を受ける。強い男を虐めるのが何より好きな椰子谷は、六道にかかった陰陽術の影響で六道を屈指の強者と捉え、自分のものにしようと全力で襲い掛かってくる。陰陽術での錯覚を逆手に取り、自身をとてつもない巨男に見せかけた六道は、何とか椰子谷をおとなしくさせる事に成功し、その足で屋上へと向かう。

屋上へと単身で乗り込んで来た六道に、童子は驚く。六道に鬼島連合の幹部を倒すほどの実力を見いだせない童子は、六道に改めて乱奈から手を引くように告げる。ボロボロになった六道を見た乱奈も、自分とかかわらなければ、平和な高校生活を送る事ができると、別れを告げようとする。しかし乱奈の悲しそうな顔を見て、本心では高校に通いたがっていると察した六道も退かなかった。乱奈を鬼島連合に連れて行こうとする童子に、六道は苦戦するが、飯沼波瑠也幼田小百合が駆けつける。続々と味方が集結する六道に対して、童子は自身の身を守るため、より強い人材で周囲を固めた安心感の中で生きていたいのだと叫び、死にものぐるいで六道に襲い掛かる。

テレビアニメ

2023年テレビアニメ化。4月7日よりTOKYO MXほかにて放送。アニメーション制作はサテライト。主人公の六道桃助を佐藤元、ヒロインの向日葵乱奈を上坂すみれが演じる。

登場人物・キャラクター

六道 桃助 (ろくどう とうすけ)

亞森高校1年2組に在籍する男子。気弱で内向的な性格で、ゲームやアニメが大好き。この世で一番苦手なものは不良で、不良だらけの亞森高校で、目立たず平穏に過ごす事を願っている。亞森高校へ入学を決めた理由は、なかよしの火野本勝と木嶋耕太が学力的に進学できるのが、亞森高校だけだったため。死んだはずの祖父から送られてきた家宝の巻物により術をかけられてしまい、悪女にモテるようになる。 最初は困惑していたが、悪女達の凶暴性の根っこにある優しさを見抜いたり、その芯の強さや漢気に触れ、徐々に彼女らに心を開いていく。中でもストレートで一途な思いを向けてくる向日葵乱奈に対して、特に心を許している。

向日葵 乱奈 (ひまわり らんな)

亞森高校1年2組に在籍する女子。髪の毛を金色に染めている。手には木刀を持ち、スケバン風のロングスカートを着用している。六道桃助に恋し、六道会いたさに、登校するまで教室に足を踏み入れた事がなかった。初登校した際、六道のとなりの席だった木嶋耕太を押しのけて、無理やり六道のとなりの席を自席と決めた。以来、そこを定位置としている。 六道を一途に愛し、六道との約束だけは絶対に守る。相手に手を出されても暴力は振るうなという六道との約束を守り、暴行されて血だらけになっても耐えている。しかし、六道と目が合うだけで赤面したりするかわいらしい一面も持つ。中学までは隣町にいたが、族やヤクザの組を潰したという穏やかでない噂が亞森高校にまで流れており、学校中で恐れられている。 寡黙な性格で、六道以外とはほとんど喋る事はない。好きな食べ物は肉、嫌いな食べ物は甘い物。しかし苦手な食べ物でも、六道がくれたものならば喜んで食べる。愛車はアメリカンバイクである。

火野本 勝 (ひのもと まさる)

亞森高校1年2組に在籍する男子。ミリタリーオタクで、校内ではつねにベレー帽とミリタリー柄のシャツを身につけている。そのため、六道桃助と木嶋耕太には「大佐」と呼ばれている。気弱だが、非常に仲間思いの性格で、軍人のように礼儀やマナーには厳しい。六道が凶暴な向日葵乱奈の暴れる様を初めて見て逃げ出した時も、凶暴でも女子である以上守るべきだ、と六道を諭した。 また、幼田小百合に大事なバイクを壊された際、彼女のあまりの落ち込みように、笑ってすべてを水に流す漢気を持っている。幼田にはいつも「少佐」と言い間違えられている。乗り物全般が好きで、バイクは男のロマンであると考えており、16歳になって早々に原付免許を取得した。

木嶋 耕太 (きじま こうた)

亞森高校1年2組に在籍する男子。七三分けで四角い眼鏡をかけている事から、六道桃助と火野本勝には「課長」と呼ばれている。気弱で喧嘩も弱いが、非常に仲間思いの性格で、六道や火野本の身に危険が迫ると、身を挺して彼らを守ろうと奮闘する。喧嘩の際、パンチを繰り出す際には「課長パンチ」と叫ぶ。幼田小百合にはいつも「係長」と言い間違えられている。

飯沼 波瑠也 (いいぬま はるや)

亞森高校1年2組に在籍する男子。 向日葵乱奈が登校して来るまでは、クラスで一番喧嘩の強い不良だった。どこの不良チームにも所属していないが、その強さでさまざまな不良チームが挨拶に来るほどである。彼女である椿が陰陽術により六道桃助に惚れてしまった腹いせに、六道にタイマン勝負を仕掛けた。しかし、どれだけ殴っても最後まで倒れなかった六道を友達と認め、友好の証に学校帰りにラーメン屋に誘って以来、六道とは非常に親しい付き合いをしている。 義理堅く、漢気のある性格で、友人となった六道のためならば、たとえ勝ち目のない戦いにも駆けつける。乱奈の暴れる様子を一目見ただけで、彼女の強さを理解して一目置いている。音が大きいという事から雷が苦手で、それが原因で虐められた幼少期の経験から、体を鍛えて喧嘩が強くなり、気づけば不良少年へと成長していた。 愛用しているバイクは改造バイクだが、ゴテゴテに装飾するセンスのなさを、椿にバカにされている。

椿 (つばき)

亞森高校1年2組に在籍する女子。つねにハート型のヘアピンで前髪を留めている。飯沼波瑠也とは中学からの付き合いながら、六道桃助の陰陽術の影響で六道に惹かれている。いつも六道を目で追っているが、品のない行為はしたくないという理由で、六道に積極的に話し掛けたりはしない。だが六道に惚れて以来、スマホの待ち受け画像を隠し撮りした六道のものにしている。 パンツが見えそうなほどの短いスカートを履いているため、六道と火野本勝、木嶋耕太には「太もも」とあだ名を付けられている。ギャル向けファッション誌「ギャルティーン」の専属読者モデルを務めており、雑誌での愛称は「つっぴぃ」。ファッションモデルらしく、おしゃれには非常にうるさく、休日に遊びに行く際に、スケバン風のロングスカートで現れた向日葵乱奈を叱責。 その後デパートに連れて行き、トータルコーディネートした。

角山 タケル (つのやま たける)

亞森高校1年2組に在籍する男子。飯沼波瑠也の友達で、髪型をリーゼントにしている。友人ではあるが、飯沼の強さには一目置いており、尊敬している。初登校して来た向日葵乱奈に喧嘩を売り、ボコボコにされて以来、過剰に乱奈を恐れるようになった。

露草 水絵 (つゆくさ みずえ)

亞森高校1年2組に在籍する女子。家から近い、という理由で亞森高校を進学先に決めたが、不良だらけの高校だとは知らなかった。入学後、まじめで地味な性格であるため、校風に合わないのではないかと悩んだが、同じようにまじめな六道桃助の存在に安堵した。そのまじめさゆえに、クラスの学級委員長も務めている。

幼田 小百合 (おさなだ さゆり)

亞森高校1年2組に在籍する女子。年齢は18歳だが、2回留年しているため高校1年生である。亞森高校の番長で、大男の渾身の一撃を片手で受け止めるほどの怪力を誇る。非常に小柄で、見た目は小学校中学年くらいに見える。身体の小ささに併せて性格も子供じみており、授業中ノートに絵を描いて遊んでいる事が多い。旧校舎の用具室を勝手に私室に改造しており、かわいいぬいぐるみなどを置き、非常にファンシーな造りの部屋にしている。 いつも笑顔だが、しゃべる言葉は荒っぽく、喧嘩を仕掛けてくる相手は容赦なく叩き潰す。陰陽術の影響で六道桃助が初恋の相手であり、六道に恋して初めて恋愛事に関心を持った。六道に言われて授業に出るようになってからは、勉強の面白さを知り、進んで勉学にも取り組むようになる。 植物観察や学園祭など、学校行事にも楽しみを見つけ、自ら積極的に取り組む、まじめで凝り性な性格の持ち主。寡黙な向日葵乱奈にも躊躇なく話し掛けるなど、クラスのムードメーカー的存在。その小柄な体型から、姫野莇美に「妖精さん」と呼ばれている。

黒方 (くろかた)

亞森高校に通っている男子。幼田小百合の配下の一人。陰陽術の影響で、亞森高校で非常に目立つ存在になった六道桃助を幼田にリークした人物。自身を虐めていた不良少年をやっつけてくれた幼田の凶暴性に気づくや否や、暴れる事は悪だと自らの凶暴性を抑えようとしている幼田の純粋さを利用する事を思い立つ。そして幼田を亞森高校の番長に据え置き、自らも亞森高校の強者として名を馳せる事に成功した。 幼田を「武器」と呼び、彼女を利用する日常の中で、幼田を手土産に鬼島連合に加入する事を考えていた。しかし、六道に出会った幼田が、自分の意思で高校に通いたいと言い出した時には、彼女の純粋さに敬意を表し、あっさりと手を引いた。幼田を手放したあとは、退学届けを提出し、亞森高校を去っていった。

ヒロ

亞森高校に通っている男子。幼田小百合の配下で、いつもサングラスをかけている。非常に背が高く、体格もがっしりしており、よく小柄な幼田を肩車している。黒方といつもいっしょに行動している。

布留川 葵 (ふるかわ あおい)

鬼島連合のNo.3の男性。手の甲に鬼島連合のマークを入れている。バイク好きで、バイクに乗れる人間しか配下に持たないこだわりを持つ。言葉遣いや外見はいたって普通で、不良グループの一員には見えないが、バイクに乗ると人が変わり、非常に凶悪な性格になる。スリルを求めてバイクを乗り回しており、その運転技術は超一流で、警察に5年追われ続けているが、まだ一度も捕まった事がない。 姫野莇美に追いつかれたあとは、自身が育てたバイクチームには執着せず、鬼島連合を脱退させたうえで、チームをすべて莇美に譲った。

姫野 莇美 (ひめの あざみ)

柚子ケ丘女学院に通う高校1年生の女子。かつて不良に絡まれていたところを助けてくれた白バイ警官にあこがれ、将来白バイ警官になる事を決意。以来、自作の白バイと白バイ警官の制服を着用し、勝手に公道をパトロールしている。自身を助けてくれた白バイ警官をケガさせた相手が布留川葵である事を突き止め、復讐するために彼の所属する鬼島連合に乗り込む計画を立てた。 お嬢様然とした雰囲気を持つが、バイクに乗ると人が変わり、非常に凶暴かつ凶悪な顔つきになる。白バイに乗る白バイ隊員を、白馬にまたがる王子様にたとえ、あこがれる乙女チックな一面も持つ。言葉の端々に「ぎりぎり」と付ける癖がある。葵のあとに、鬼島連合内で組織していたバイクチームを引き受け、暴走行為を禁止して平和なツーリングチームとして活動を継続している。 恋愛に関しては非常に積極的なタイプで、陰陽術の力で惚れた六道桃助が原付免許を取った際、自身が専属運転手になると言い出し、バイクで追いかけ回すほど執着した。

松ケ宮 童子 (まつがみや どうじ)

鬼島連合総長の男子。亞森高校1年2組に転校生としてやって来た。2年前に向日葵乱奈に潰されかけた鬼島連合を建て直し、巨大組織としてよみがえらせた。人の顔色を見て状況を判断する事に長けており、誰の心理も噓も見抜けるが、いっさい心を開かない乱奈を前にしては何も読み取る事ができず、焦りと共に歓喜した。ちなみに亞森高校に転校して来たのは、鬼島連合No.3の布留川葵を潰した六道桃助への報復活動ではなく、鬼島連合をさらに強くしようと、乱奈をスカウトするためである。 実は非常に気弱な性格で、鬼のように強い乱奈をそばに置く事で安心感を得たいと考えており、2年前に鬼島連合が壊滅状態にされた時から、乱奈を鬼島連合に引き入れる計画を企てていた。

椰子谷 唯 (やしや ゆい)

鬼島連合のNo.1の女子。亞森高校1年2組に転校生としてやって来た。いつも胸の大きく開いた服を着用している。強い男が大好きで、気に入った男にはラブレターを積極的に渡している。だがそのラブレターは実は果たし状で、強くて頑強な男を、呼び出しては立ち上がれないほど打ちのめして快感を覚える性癖を持っている。同族嫌悪で、強い女は大嫌い。 陰陽術により六道桃助に惚れており、椰子谷唯には、六道は筋肉隆々の非常に大柄な男性に見えている。

朱井 公平 (あかい こうへい)

鬼島連合のNo.2の男子。亞森高校1年2組に転校生としてやって来た。背中に鬼島連合のマークとどくろを、背中から肩にかけて、2匹の蛇の入れ墨をしている。いつもサングラスをかけ、陽気に振る舞っているが、怒ると非常に凶暴になる。相手の攻撃を受け流すカウンター攻撃が基本戦法ながら、頭脳戦を得意としているため、予想外の攻撃には弱い。 プライドや友情は必要ないものと考えており、その強さに守られたいがために松ケ宮童子に付き従い、鬼島連合に籍を置く。童子の命令で高校に通う事になり、辟易している。過去、喧嘩の強い飯沼波瑠也を脅威に感じ、彼の友人達を脅して裏切らせ、飯沼を立ち上がれないほどに叩きのめした。それから、飯沼にはひどく嫌悪されている。

般東 若之助 (はんどう わかのすけ)

鬼島連合のNo.4の男子。亞森高校1年2組に転校生としてやって来た。左腕に鬼島連合のマークを入れている。筋肉隆々な身体つきで、鬼島連合の幹部メンバーでは一番の怪力を誇る。松ケ宮童子の命令には絶対服従する、非常にまじめな性格の持ち主。その心根の優しさを見抜いた幼田小百合に、相手に思考を任せず、正しいと思う道を生きろと諭され、むやみに暴力を振るう事をやめた。

菫 雷乃 (すみれ らいの)

鬼島連合のNo.5の女子。亞森高校1年2組に転校生としてやって来た。菫風乃の三つ子の姉で、メイクが得意。亞森高校には男装して通っている。六道桃助の陰陽術により、六道に惚れて鬼島連合の秘密をペラペラしゃべってしまう。風乃と共に強盗や放火、傷害など数々の犯罪を犯しており、「悪党姉弟」の異名を持つ。兄の菫天乃にメイク技術と喧嘩の方法を教わった。

菫 風乃 (すみれ かぜの)

鬼島連合のNo.5の男子。亞森高校1年2組に転校生としてやって来た。菫雷乃の三つ子の弟で、非常に喧嘩っ早い。亞森高校には、姉の雷乃にメイクしてもらい、女装して通っている。悪女にモテる六道桃助を、女にだらしない性格であると誤解しているが、彼を雷乃に近づかせないように気を配るなど、姉思いの一面を持つ。菫風乃自身のかわいいルックスは自覚しているが、容姿につられて近づいて来た男子には激しい嫌悪感を抱き、容赦なく叩きのめす。 雷乃と強盗や放火、傷害など数々の犯罪を犯しており、「悪党姉弟」の異名を持つ。兄の菫天乃に喧嘩の仕方を教わった。

岡森 譲也 (おかもり じょうや)

針蔵高校に通う3年生の男子。針蔵高校の番長を務めている。眉を剃り、唇に目立つピアスを開けた、非常に不良然とした容姿をしている。常軌を逸した凶暴な性格の持ち主だが、松ケ宮童子率いる鬼島連合の幹部メンバーを相手にした際には、敵わないと悟って逃げ出した。

乙姫 恵梨香 (おとひめ えりか)

チーム竜宮の総長を務める女性。得意攻撃は「ビンタ」で、攻撃された相手が吹き飛ぶほどの威力を持つ。姉御肌で、2年以上音沙汰のなかった向日葵乱奈との偶然の再会に、目を潤ませて喜んだ。非常に仲間思いの性格で、大きくなり過ぎたチーム竜宮が鬼島連合に目をつけられた際、チームのメンバーを心配して、チームの解散を宣言した。 その際、一人で鬼島連合に乗り込み、けじめをつけるつもりだったが、乱奈が鬼島連合を壊滅状態に追い込んで事なきを得た。乱奈がいつも持ち歩いている木刀は、乙姫恵梨香が友好の証に渡したもので、乱奈を妹のようにかわいがっていた。

菫 天乃 (すみれ あまの)

菫雷乃と菫風乃の三つ子の兄。日常に退屈し、非日常を愛する天邪鬼で、裏切られた人間の絶望した表情を見るのが何よりも好き。雷乃にメイク技術を教え、雷乃と風乃に喧嘩の仕方を教えた、非常に凶暴で好戦的な人物。言葉の端々に「逆に」と付ける癖がある。雷乃と風乃にはいつも厳しく接するが、それは雷乃と風乃の仲のよさに疎外感を覚えていたからで、本当は兄弟愛に人一倍執着している。

集団・組織

鬼島連合 (おにしまれんごう)

松ケ宮童子が総長を務める不良組織。ほかに幹部メンバーとしてNo.1の椰子谷唯、No.2の朱井公平、No.3の布留川葵、No.4の般東若之助、No.5の菫雷乃と菫風乃がいる。2年前に一度、向日葵乱奈に襲われて壊滅状態になり、解散に追い込まれたが、童子により新たに復活した。再生後の鬼島連合は、童子の尽力により、これまでの歴史上もっとも大きな組織となった。 喧嘩に強い組織である一方で、バイクチームとしても名を馳せている。

チーム竜宮 (ちーむりゅうぐう)

隣町の不良チームの一つ。メンバーは全員女子で、男子禁制のルールがある。バイクに乗る時は交通ルールを厳守し、法に触れる悪事もいっさいしてはならない。喧嘩は禁止で、どんな時にも話し合いで解決する事が求められ、主な活動はバイクツーリングと女子会である。2年前までは喧嘩上等の不良組織だったが、鬼島連合に目をつけられてケガ人が続出して以来、総長である乙姫恵梨香により、暴力禁止が言い渡された。

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