元ヤン女子の奮闘と成長を描く
主人公の真白は、「西中の白虎」と恐れられた元ヤンキーの女性である。学生時代に周囲から孤立したトラウマを持つ真白は、人生をやり直すことを決意。漫画が好きでデザインの仕事につきたいという夢を追いかけて、中小印刷会社である虹原印刷に就職した。好きな仕事につけたことでやりがいを感じる真白だが、実際に働いてみると納期や品質へのプレッシャーといった印刷業界ならではの苦労も多い。最初は一人で仕事を抱えがちな真白だったが、やがて職場の仲間と力を合わせることを覚えていく。本作は、元ヤンという異色のキャラクターが、難しい仕事やトラブルを乗り越えながら成長していく姿をコミカルに描いたヒューマンドラマである。
印刷会社のリアルを描いたお仕事コメディ
本作の舞台である虹原印刷は、一般商業印刷から同人関連、公式グッズ、卒業アルバムなど幅広い業務を行う中小印刷会社である。作中ではデータ作成の仕事の流れや、デザイン、校正、下版など個々の作業のやり方、オフセット印刷とオンデマンド印刷の違い、印刷業界あるあるなどが、細部に渡ってリアルに描かれている。これは、作者自身に印刷会社勤務の経験があり、デザイン課で印刷物のデザインを担当していたためである。また、実在する複数の印刷会社への取材も行っており、虹原印刷のOBが複数のインキを練って切れた指定色を作り上げるなど、優れた職人がトラブルを解決するエピソードは実話がもとになっているという。
個性的な同僚たち
真白と同じ企画デザイン課の黒瀬宏文は、業界最大手の天空印刷の社長の息子。仕事はできるが、人と目を合わせることが苦手なコミュ障である。黒瀬の冷たい態度に「いけ好かない奴」と真白は感じてしまう。しかし、金森幸也という漫画家の大ファンである真白がオフ会に参加した際、SNSで交流を深めていた「こしあん」が黒瀬だったことが判明する。そんな経緯もあり、水と油のような関係性だった二人は、日々の仕事をこなす中で距離を縮めていく。その他、ネット関連の管理やドローン撮影を担当する変態紳士の葉田、社内事情に精通する世話焼きのベテラン女子の藤永、バリバリの同人作家で手際がよく必ず定時で帰る青井など、個性的な人物が続々と登場する点も本作の特徴である。
登場人物・キャラクター
真白 悠 (ましろ ゆう)
虹原印刷株式会社生産部企画デザイン課に所属する女性。かつて「西中の白虎」と呼ばれた元ヤンキーだが、デザインの仕事につきたいという夢を追いかけ印刷会社に就職した。真面目(まじめ)で一途(いちず)な性格だが、鋭い目つきと関西弁で同僚たちを怖がらせることもある。熱い作風で人気の漫画家、金森幸也の大ファンという隠れオタク。オタ活時のハンドルネームは「にぎり飯」。匿名のSNSにハマっており「こしあん」さんと交流する。
黒瀬 宏文 (くろせ ひろふみ)
虹原印刷株式会社生産部企画デザイン課に所属する男性。業界最大手の天空印刷の社長の息子で、ストイックで几帳面な性格。仕事は素早く的確にこなすが、人と目を合わせることや近い距離で話すことが苦手である。真白と同じく、熱い作風で人気の漫画家、金森幸也の大ファン。「こしあん」というハンドルネームでオタ活をしている。
書誌情報
刷ったもんだ! 14巻 講談社〈モーニング KC〉
第1巻
(2020-07-20発行、978-4065197585)
第2巻
(2020-11-20発行、978-4065212974)
第3巻
(2021-03-23発行、978-4065225721)
第4巻
(2021-07-20発行、978-4065240861)
第5巻
(2021-11-22発行、978-4065259061)
第6巻
(2022-03-23発行、978-4065271551)
第7巻
(2022-08-23発行、978-4065288375)
第8巻
(2022-12-22発行、978-4065300794)
第9巻
(2023-04-21発行、978-4065312711)
第10巻
(2023-08-23発行、978-4065325414)
第11巻
(2024-01-23発行、978-4065339862)
第12巻
(2025-03-21発行、978-4065385104)
第13巻
(2025-11-21発行、978-4065415221)
第14巻
(2026-05-22発行、978-4065435908)








