勇者は校則違反になりますか?

とある異世界。勇者オーガスト・グリーンバルト・ドラゴニアは、長い冒険の末、ついに魔王ユリウスと対決の時を迎えた。しかし、ユリウスの力は圧倒的であり、オーガストと仲間たちはあっけなく全滅してしまう。所変わって、現代の日本。幼稚園でお遊戯会に参加していた園児・天野川勇は、突如として前世の記憶を取り戻す。彼はかつて勇者オーガストであった。魔王に倒されたあと、地球に転生し、平凡な家庭で平和に暮らしていたのだ。自分がナルーダ王国の勇者であることを必死で説明するが、もちろん誰も信じてくれるわけはなく、病院に連れていかれるのがオチだった。勇が7歳になったある夏の日。公園でセミ集めをしていた勇に、セミが突然話しかけてきた。それは、かつての使い魔・パルだった。転生して7年間、土の中で過ごし、勇が来るのを待っていたのだ。パルによると、オーガストの死後、魔王ユリウスは世界を滅ぼしたという。そして、それに飽き足らず、異世界である地球への侵略を企てているというのだ。ただし、地球へ来るには、基本的には死んで転生するという方法しかない。だからユリウスも簡単にはこちらに来られないらしい。パルは、オーガストのかつての仲間もこの地球に転生していることを告げ、その短い生涯を閉じる。その夜、勇は魔王ユリウスと出会う。幸いそれは、ユリウスの爪垢が転生したものだったため、勇は退けることに成功する。ユリウスは地球に来る方法を模索しているのだ。いつか必ず、人類を滅ぼすために地球にやって来るに違いない。勇はそれまで、自らを研鑽することを誓うのだった。そして時が経ち、勇は16歳になった。公立の高校に通うことになった勇は、魔王阻止のためにパーティーを作ることを決意。「勇者部」を創設するために、部員3人を集め始める。