あらすじ
卒業 ～泣かないで～
卒業式を迎えた高尾美晴は、これまでの高校生活を振り返っていた。クラスメイトで、席順が近いことから飛田大樹と出会い、大樹と橋本杏子が付き合い始めたあとに気づいた自分の大樹が好きだという気持ち。卒業を前に美晴は、その気持ちを伝えたいと強く思う。
恋月夜
天文部に所属している川村友花は、同じ部に所属する女子たちの須藤へのラブコールに辟易していた。ある日友花は、同じ天文部に所属する島田司が同様に部の女子たちの行動にあきれていたことを知り、彼に親しみを覚えるのだった。
迷子の恋愛
片山ちひろは、ちひろのことが好きだという男子に1回でいいので会ってくれと兄の片山勝に頼まれる。仕方なしにその男子、渡瀬高文と会うことになったちひろ。はじめはいやいや付き合っていたちひろだが、徐々に彼に心惹かれていく。
トワイライト待夢
バレエが大好きな三枝立夏は、なんでも屋を自称する若田部飛夢に想いを寄せていた。バレエの恋の感情を知りたいと嘘をつき、依頼という形で飛夢との付き合いを始めたものの、真剣に彼のことを想う立夏は、偽りの付き合いを途中でやめてしまう。
登場人物・キャラクター
高尾 美晴 (たかお みはる)
エピソード「卒業 ～泣かないで～」に登場する。飛田大樹と何かとセットで扱われる女子高生。ついつい同じ仕草をしたり同じものを飲んでいたりすることがあり、周囲からは「本当に付き合っていないのか?」と疑いの眼差しを向けられていた。美晴自身は、卒業を間近に控えるまでは自分が大樹のことが好きだということに気づかずにいた。
川村 友花 (かわむら ゆうか)
エピソード「恋月夜」に登場する。須藤狙いで入部した女子部員ばかりの中で、唯一須藤に興味を示していない女子高校生。須藤に夢中な周囲をしり目に、純粋に天文に興味を持つ川村友花は、一人文化祭用の天球儀を作ったりしていた。はじめは気にも留めていなかった島田司のことを徐々に好きになっていく。
片山 ちひろ (かたやま ちひろ)
エピソード「迷子の恋愛」に登場する。これといった取り柄がない女子高校生。兄の片山勝に一度だけでいいから渡瀬高文と会って欲しいと頼まれ、断りきれずに会うことになる。以前に同じ学校の先輩に告白して振られた経験があるため恋愛には臆病だが、屈託のない高文に徐々に惹かれていく。
三枝 立夏 (さえぐさ りっか)
エピソード「トワイライト待夢」に登場する。バレエと若田部飛夢が好きな女子生徒。飛夢がなんでも屋をやっていることに付け込み、バレエの演技力向上のためと言い訳して、彼と付き合う。飛夢との付き合いがなんでも屋業の偽のものだと分かっており、自分から別れを切り出す。
飛田 大樹 (とびた たいじゅ)
エピソード「卒業 ～泣かないで～」に登場する。クラスの人気者で、いつも高尾美晴とつるんでいる男子高校生。ついつい同じ仕草をしたり、同じものを飲んでいたりすることがあり、周囲からは「本当に付き合っていないのか?」と疑いの眼差しを向けられていた。この問いに対し、大樹は「恋人より上の気兼ねなく喋れる存在」として否定した。
橋本 杏子 (はしもと きょうこ)
エピソード「卒業 ～泣かないで～」に登場する。飛田大樹の恋人の女子高校生。高尾美晴とも友達で、大樹に告白する際には事前に牽制の意味も込めて美晴には話を通していた。当時の美晴は大樹が好きなことを自覚していなかったため、特に問題もなく杏子は大樹に告白し、付き合うことになった。
島田 司 (しまだ つかさ)
エピソード「恋月夜」に登場する。天文部の部員の男子高校生。口数は少なく、要点しか話さないことが多い。須藤狙いの女子たちには辟易していて、川村友花のこともその一部だと思っており、最初は良く思っていなかった。しかし、友花が真剣に文化祭の準備に取り組んでいる姿から、友花への見方を変える。
須藤 (すどう)
エピソード「恋月夜」に登場する。女子に高い人気を誇る天文部員の男子高校生。本人にモテている自覚はあまりないが、彼の周囲にはいつも女生徒が絶えない。天文部の女子部員のほとんどが彼目当てのため、まともな部活動は行われていない。
渡瀬 高文 (わたせ たかふみ)
エピソード「迷子の恋愛」に登場する。片山勝の後輩の男子大学生。勝と会うために片山家に訪れた際に片山ちひろに一目惚れし、勝経由で一回だけでいいから会って欲しいと頼んだ人物。無邪気な一面があり、昔パンダのカンカンとランランが死んだ時に号泣したことがある。
片山 勝 (かたやま まさる)
エピソード「迷子の恋愛」に登場する。渡瀬高文の先輩で、片山ちひろの兄。高文のちひろと会いたいという熱意に動かされ、ちひろと高文の間を取り持つ。引っ込み思案気味なところがあるちひろとは対照的に、豪快な性格。
若田部 飛夢 (わかたべ とむ)
エピソード「トワイライト待夢」に登場する。なんでも屋をやっている男子生徒。頼まれれば、部活の助っ人や、他にも理由さえ明確であれば、何でも引き受ける。三枝立夏の依頼も、「バレエで恋愛を表現したい」という理由があったため、付き合いを始めた。
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