概要・あらすじ
ヨーロッパの島国クーヘン王国にある、名門校ローゼンシュトルツ学園に在籍する、オルフェレウス、エドヴァルド、ルードヴィッヒ、カミュ、ナオジの5人の若者は、王国を支える王の補佐役である、シュトラール(使長候補生)]として学園生活を送っていた。
家系や性格などの違いから対立することも多い5人だったが、オルフェレウスの亡き姉の婚約者アルバートがもたらした情報により判明した、国王への反逆、国王の暗殺という大きな陰謀を、命がけで阻止する。
登場人物・キャラクター
オルフェレウス・フュルスト・フォン・マルメラーデ・ナーエ・ゲルツ (おるふぇれうすふゅるすとふぉんまるめらーでなーえげるつ)
全寮制の名門校ローゼンシュトルツ学園の生徒。シュトラール候補生。エドヴァルドとは幼なじみ。慕っていた3歳年上の姉を事故で亡くし、人々に同じ思いをさせず平和な国を作りたいと考える、誠実で真面目な人柄。 真面目さゆえの理想主義で、ルードヴィッヒとはことごとく対立する。
エドヴァルド・マルクグラーフ・フォン・ゼクト・ナーエ・ブラウンシュヴァイク (えどゔぁるどまるくぐらーふふぉんぜくとなーえぶらうんしゅゔぁいく)
全寮制の名門校ローゼンシュトルツ学園の生徒。シュトラール候補生。オルフェレウスの幼い頃からの親友。ブラウンシュヴァイク家の養子である子爵と、流浪の民の母との間に生まれた庶子。母の死後、妹とともにブラウンシュヴァイク家に引き取られたが、義理の母に疎まれる。 エドヴァルドに子爵を次がせたくない義母により、幾度となく命を狙われ、妹は義母に知られぬよう養女に出されたため、行方知れず。
ルードヴィッヒ・ヘルツォーク・フォン・モーン・ナーエ・リヒテンシュタイン (るーどゔぃっひへるつぉーくふぉんもーんなーえりひてんしゅたいん)
全寮制の名門校ローゼンシュトルツ学園の生徒。シュトラール候補生。公爵家の長男で、母は国王の妹。世界を意のままにする野望を持ち、寡黙で誤解されがちだが、将来に於いて片腕となる人物を見極めている。 理想を求めるオルフェレウスとは反目しているが、陰謀によりオルフェレウスとエドヴァルドが寮を抜け出した際には、急に点呼をとるというベルーゼに対し、学園の自治を主張し阻止した。 能力のことで悩むカミュに対しても、自ら選び自ら歩んだ道を信じろと諭す。
カミユ・パァルツグラーフ・フォン・ジルヴァーナー・リューネブルク (かみゆぱぁるつぐらーふふぉんじるゔぁーなーりゅーねぶるく)
全寮制の名門校ローゼンシュトルツ学園の生徒。シュトラール候補生。ルードヴィッヒとは遠縁に当たる。幼いころは病弱で外出を禁じられていた。草花を愛し花と会話し、未来を予知する能力がある。学園の温室でも様々な花を咲かせ、学生たちの憩いの場となっている。 自分の能力を疎ましく思っていたが、ローゼンシュトルツ学園で友と関わり、自らの道を選ぶことを知る。
石月 直司 (いしづき なおじ)
全寮制の名門校ローゼンシュトルツ学園の生徒。シュトラール候補生。日本からの留学生だが、祖母がクーヘン王国の出身というクオーターで、日本の動乱から守る為にと父の命によりクーヘン王国に国籍変更される。 ルードヴィッヒとは遠縁に当たり、ルードヴィッヒからも将来ともにある逸材と気に入られている。ルードヴィッヒの側に居ることが多いが、オルフェレウスやカミュとも友好を深める。
サー・アイザック・キャヴェンディッシュ (さーあいざっくきゃゔぇんでぃっしゅ)
夜の街で、妹に似た少女を助けようとしたエドヴァルドとオルフェレウスに手を貸してくれた謎の男。カミュを心配したオルフェレウスとエドヴァルドに、グリフィスの情報もたらす。作家を名乗っているが、外国の諜報員。 ローゼンシュトルツ学園とシュトラールを取材し、クーヘン王国の内情を伝える。元貴族だが没落し、妹たちを養う金を得るため、志願兵として戦場にも赴いた経験を持つ。
校長 (こうちょう)
全寮制の名門校ローゼンシュトルツ学園の校長。現クーヘン王国国王とは、かつての学友で、信頼も厚い。各国で活躍している、シュトラール候補生卒業生たちからの報告を集め、国王に助言するなど重要な役割を担っている。 対立しながらも親交を深めるシュトラール候補生を優しく見守る。
国王[陛下](こくおう)[へいか]
クーヘン王国の現国王。ローゼンシュトルツ学園の校長とは学友。将来の王国を支える王の補佐役の使長となる候補生、シュトラール候補生たちの視察にローゼンシュトルツ学園を訪れた際、ベルーゼ一味に命を狙われる。
ベルーゼ
全寮制の名門校ローゼンシュトルツ学園の教師。「ローゼンシュトルツ学園で教鞭を執るということは、シュトラール候補生を育てるということ」と、語るが、実は王弟殿下の野望や、各国の諜報部員と手を組むなど、数々の陰謀に加担。 国王暗殺の陰謀の証拠を握ったアルバートの命を狙い、アルバートから話を聞いたオルフェレウスの命も自らの銃で狙う。
ハルベルト
クーヘン王国の現国王の弟。国政について国王と意見が対立。国王から王位を簒奪しようと陰謀を企て、ベルーゼを使いシュトラール候補生や、国王を亡き者にしようと企む。
ビクター・グリフィス (びくたーぐりふぃす)
ローゼンシュトルツ学園の卒業生。先読みの能力があり、事業に成功した。しかし能力が薄れ、事業が危機にさらされたため、カミュの能力を手に入れようと学園へやってきて、カミュを攫おうとするが、心配したオルフェレウス、エドヴァルド、ルードヴィッヒ、ナオジたちに取り返される。
イシュタル・バーミリア (いしゅたるばーみりあ)
グライヒハイト学園から、親睦のために2週間だけ交換留学生としてローゼンシュトルツ学園にやってきた生徒。名門バーミリア家の養女。国王に近づき権力をえるための一歩として、ローゼンシュトルツ学園への転入を目指し、女性の参政権を求める運動を広め学園生徒の指示を得る。 策略に気づいたルードヴィッヒを味方につけようと誘惑するが、同じ野望を持つというルードヴィッヒの前に野望を砕かれる。
オルテンビュッテル子爵 (おるてんびゅってるししゃく)
ローゼンシュトルツ学園のシュトラール候補の卒業生。アイザックの知り合い。アイザックから、ローゼンシュトルツ学園のシュトラール候補生を取材のため、学園への滞在許可を得たいと頼まれ、校長に紹介する。
ヨセフ・トルグラー (よせふとるぐらー)
ローゼンシュトルツ学園のシュトラール候補生候補の卒業生。湖に囲まれた城で暮らし、学園の生徒を招いては日々宴を催す。夜の街で遊び呆けるなど、学園の風紀を乱すよう唆す。風紀を乱す元凶を断とうと、乗り込んだオルフェレウスに、現実の厳しさを語る。 校長のかつての教え子。
アルバート・シュライヤー (あるばーとしゅらいやー)
オルフェレウスの姉ロベルティーネの婚約者。侯爵。使長の命で調べていた貴族から、警告としてロベルティーネが殺害されたため、失望した振りをして敵陣に入り込み探っていた。証拠を掴みそれを白日のもとに晒すとオルフェレウスに語るが、直後に命を狙われる。
ローゼンシュトルツ学園 (ろーぜんしゅとるつがくえん)
『吟遊黙示録マイネリーベ』に登場する、名門校の名称。選ばれた貴族や名士たちのみが入学することができ、国王の信頼の厚い校長のもと、王国を支える王の補佐役の使長となる、シュトラール候補生を育てる「シュトラールクラス」を儲けている。 主人公オルフェレウスをはじめ、エドヴァルド、ルードヴィッヒ、カミュ、ナオジの5人のシュトラール候補生の若者が在籍。物語の舞台となる。 学園の行事の際には、所在する街全体が賑わいをみせる。
シュトラール
『吟遊黙示録マイネリーベ』に登場する、王国を支える王の補佐役の使長となる候補生のこと。名門校ローゼンシュトルツ学園の生徒の中でも、家柄・頭脳・容姿に恵まれ、クーヘン聖教の信託を受けた者だけが選ばれる。 何人もの候補生が卒業し、国政を担う立場となったり、国政に直接は関与せずとも、各国の情報をもたらし、国王及び国政への助言に役立っている。
場所
クーヘン王国
『吟遊黙示録マイネリーベ』の舞台となる、架空の王国。第二次世界大戦間際のヨーロッパにある島国とされ、ヨーロッパ全域が戦禍に巻き込まれつつある時代、国王とその国政を支える使長たちによる外交手腕により、周辺国との争いに参入せず平和を保っている。